1984年にインドで起きたシーク虐殺をテーマに政治、友情、家族、恋愛、逃亡劇、エンタメ要素全部乗せのインド発・実話エンターテインメント!
本国インドで長年タブーだったシーク虐殺を、真正面から描いたアリ・アッバス・ザファル監督に拍手。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
JOGI 街が炎に包まれた日
あらすじ
公開日
2022年9月16日
原題
Sultan
上映時間
116分
キャスト
- アリ・アッバス・ザファー(監督)
- ディルジット・ドゥサンジ
- クムド・ミシュラー
- モハメッド・ジシャン・アユップ
予告編
なし
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
宗教虐殺の背景に関しては「 虐殺されたシーク教はヒンドゥー教から派生した宗教で、少数派ながら、国会議員数も結構いて、そのことが1984年のシーク虐殺に繋がった 」という知識程度で鑑賞。
「 ホテル・ムンバイ 」の主人公や今作の主人公がシーク教徒で、ターバンを巻いている彼らがそう。
皆さんが想像するであろうターバンを巻いているインド人、実はそれはシーク教徒の方々。
まあ宗教知識浅いけれど、エンタメ主流のアリ・アッバス・ザファル監督作だからいけるっしょ。
とラフな気持ちで観てみたら、大当たり。
期待通り、宗教うんぬんよりも人間ドラマがメインで多方面から描かれているので、胸アツ&ハラハラドキドキな展開が何度もあり、やっぱり宗教の前に人なんだよ!
と人類愛を信じたくなる極上エンタメに仕上がっている。
信仰心に関しても、髪を切るシーンひとつとっても、主人公のジョギにとって、長い髪が心の深いところで信仰の核になっているのが切実に伝わってきたし、それを隣で見る違う宗教を信じる親友が共に泣いてくれるのがもう友情最高かよっていう。
4人目のフィクサーも出し方も絶妙で「 えっ、ここで恋愛話始めちゃう!?」と劇中の人々も観客も思わず突っ込んじゃうのだが、これがまた最後まで聞くと泣けるのよ。
口髭のイケオジたちだけあって四銃士に見えた(笑)
反対に悪徳政治家は、清々しいほど勧善懲悪キャラでこれが実話だから救いようがない。
殺された方やその家族がいまだ何の補償も受けられていない事実も相まって、報われなさすぎる。
どこの国にもいるんだな、スーパー虐殺をドヤ顔で正当化するヤツ。
ダメだ、昨今見ている現実世界が全体的に汚職され過ぎていて笑えない。
シーク虐殺は、朝出かけて、昼こんなになる!?と急展開に驚くけれど、恐らくその前、歴史上ずっと一触即発の状態が続いていて、首相暗殺が引き金となり、蜂の巣をつついたようになってしまったのだろう。
まとめ
戦争も起きないと思っていたのに、気付いたらもう始まり渦中にいたという歴史を人類が学びもせず、繰り返している今の時代。
全然他人事じゃないなと恐ろしくなった。
絶対に繰り返してはならない“教訓”としても今作は一見の価値ある秀作だ。