アメリカ犯罪史において、推定で史上最悪の被害者数を出したと言われる連続殺人鬼チャールズ・カレンの事件が描かれる。
「 ファンタスティックビースト 」シリーズで知られるエディ・レッドメインが、チャールズ・カレンを好演。
その演技の不気味な魅力は圧巻です。
サスペンスでありがら、考えさせられる良質なヒューマンドラマでした。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
グッド・ナース
あらすじ
公開日
2022年10月21日
原題
The Good Nurse
上映時間
123分
キャスト
- トビアス・リンホルム(監督)
- ジェシカ・チャステイン
- エディ・レッドメイン
- ンナムディ・アサマア
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
実際の事件をベースとした作品にありがちな、どことなく暗い映像と淀んだ曇天は今作でも健在。
これはもはやテンプレや様式美なのだろうか、と思いたくなりましたが結論から言って凄くよかったです。
病院のあからさまな保身と警察の無能さには辟易とさせられるものの、淡々と流れていく映像と静かに展開していく物語には思わず息を殺したくなるような緊迫感を抱きました。
特に主人公エミーのカレンに対する疑念が強固に深まっていく後半は、静かに展開していくからこそ見ごたえ抜群です。
加えて、実際のカレンが未だ動機を語っていない通り、連続殺人鬼の一面を持つカレンをそのまま理解できないものとして描き切っている点もとても不気味な余韻があり、作品として好印象でした。
また、最も興味深かったのは、カレンが二面性を持っている点です。
カレンは殺人鬼である一方、心臓病を患いながら子育てと貧困に張り詰めた生活を送る同僚のエミーを献身的に支える心優しい一面も見せます。
本作のベースが実話である以上、チャールズ・カレンの凶行は人道や倫理に悖る最低の行為で受け入れがたいものですが、エミーが口にした終盤の言葉通り、優しさをもって自分を支えてくれたカレンの姿もまた彼の紛れもない真実なのだと思います。
カレンのような例は極端ですが、事実として人は多面的です。
だからこそ人と関わり合うことは怖くもあり、理解し合うことは困難なのだと感じます。
当たり前かもしれませんが、そんなことを改めて思い出させてくれもする上質な作品でした。
まとめ
終わってから振り返ると、グッド・ナースというタイトルが示す「グッド(善さ)」の意味がまた一層味わい深いものに感じられます。
本作は劇場と同時にNetflixでも公開されている作品です。
エンタメに振り切った派手な作品がNetflixオリジナル作品の目立つなかでは、非常によく作り込まれているように思えました。
登録している方はよりアクセスのしやすい作品かと思いますので、ぜひご覧ください。