ディズニープラスで、これまで見逃していた作品を少しずつ見るのが、最近の楽しみの1つです。
4歳の娘のリクエストで今作を再生したら、まず夜のシンデレラ城をバックに花火やイルミネーションがキラキラと輝くお馴染みのオープニングから始まりました。
BGMもお馴染みの「 星に願いを 」なのですが、演奏のアレンジが少し違うようで、どうやらメキシコ風のノリです。
あるいは、ラテン系のジャズのような曲調は、私たちをどのような世界に、連れて行ってくれるのでしょうか?
サクッといきましょう。
リメンバー・ミー
公開日
2018年3月16日
原題
Coco
上映時間
105分
キャスト
- リー・アンクリッチ(監督)
- ミゲル(石橋陽彩)
- ヘクター(藤木直人)
- エルネスト・デラクルス(橋本さとし)
- ハイメ・カミーユ(横山だいすけ)
予告編
公式サイト
感想レビュー
好きだった点
メキシコの文化に敬意を表して、伝統行事を丁寧にかつ、ダイナミックに描いていた点(考察の部分で後述)
それから、ディテール(細部)が生き生きと描かれていた点です。登場人物の表情や瞳の輝きだけでなく、死者の国のガイコツたちの表情まで、一人ひとり見分けがつくほどクオリティが高かったです。
ギターや楽器演奏者たちの指の動きも正確でした。(自分自身、クラリネットを30年以上吹き、ギターとピアノは趣味程度に弾くのでどうしても目がいきがち)
「 細部に神は宿る 」と言いますが、まさに細部のこだわりが、物語に本当にあるとしか思えないほどのリアリティーを与えていたように思えました。
嫌いだった点
主人公ミゲルの一族は、先祖代々、音楽を呪いのように扱い、音楽そのものを禁じていたのですが、そう曽祖父(ひいひいおじいちゃん)が偉大なメキシコ音楽のスーパースターだったかもしれないと知り、音楽に目覚めギターを手にします。
そんなミゲルのギターを、おばあちゃんは鬼のような剣幕で奪い、粉々に破壊してしまいます。
一緒に見ていた娘が突然、大声で「 このおばあちゃん、だーいっきらい!」と叫んだのですが同感です。
楽器を大事にしない、ましてや、他人の楽器を破壊するというのは、野蛮にもほどがあります。
伝説的ロックバンドのオアシスだって、弟が兄のギターを破壊したために絶縁=解散したほどなのですから。
とあるシーンでスーザフォン(大きな金管楽器)の中にミゲルが隠れるのですが、上記の理由から、やはり好きになれませんでした。
見どころ
ミゲルのギターの演奏と歌です。
間のとり方や呼吸、どれも鳥肌級の名演です。
作中、死者の国の住民たちをも虜にする音楽。
音楽を呪いのように禁じていた一族が、音楽を通して絆を取り戻す。
歌と演奏の素晴らしさを楽しめますよ。
この音楽の魅力のあり方こそが、今作のテーマでもあるのですから。
考察・疑問点
メキシコの伝統「 死者の日 」は、先祖の霊が家族のもとに1日帰られる日だそうです。
日本でいうお盆に似ていますね。
家族単位で、大切な故人や先祖を称え写真を飾り、故人を祀る祭壇を準備し、食べ物や飲み物をお供えするようです。
私自身は、在日コリアンとして、祭祀(チェサ)と呼ばれものをわりと頻繁に行うのですが、それと形式も雰囲気と似ていて、驚きました。
また、日本における法事ともよく似ています。
今作を見て、もっとメキシコの伝統を知り、起源や共通点を知りたいと思いました。
映画では、どれほど実際のメキシコ行事に近づけているのでしょうか。
その点に興味を持ちました。
まとめ
亡くなった人も、生きている人たちが忘れない限り、心の中でずっと生き続ける。
つまり、死ぬとは生きること。
だから、リメンバー・ミー(私を忘れないで)
そんなメッセージが、物語と歌から伝わってきました。
同じくディズニープラスに公開されている「 リメンバー・ミー 」オーケストラ・コンサート(舞台はハリウッド・ボウル)を見ながら、映画のワンシーンを思い起こすのも楽しいですよ。