パターソン(2016)

原題(英題)
Paterson
公開日
2017年8月26日
上映時間
118分
キャスト
- ジム・ジャームッシュ(監督)
- アダム・ドライバー
- ゴルシフテ・ファラハニ
- バリー・シャバカ・ヘンリー
- クリフ・スミス
- チャステン・ハーモン
- ウィリアム・ジャクソン・ハーパー
- 永瀬正敏
- ネリー
コメント
パターソンという街に住む「 パターソン 」という男の何気ない日常が描き出される静かな物語。
ジム・ジャームッシュ監督とタッグを組み、アダム・ドライバーが普通の日常を詩的に彩る。
何ともない、わけでもない日々を、ゆっくりと紡いでいく本作は、ぬくぬくと日向ぼっこをしている感覚に陥るほどあたたかで叙情的だ。
彼が演じるパターソンが、物語の中をゆっくりと美しく漂っていく様子を見るのが妙に心地よい。
アダム・ドライバーはそんな時の流れを邪魔せず、退屈もさせない。
平凡さに隠れた芸術的な側面が、我々観客を映画の世界に引き止めてくれているのだと思う。
個人的な話だが、筆者がアダム・ドライバーを好きになったのは、本作がきっかけ。
映画的でありながら素朴で感情の起伏を絶妙な塩梅で伝えてくるこの俳優の名を、一瞬にして記憶に刻んだ。
忙しない毎日に疲弊して心に余裕がないと気が付いたとき、少し立ち止まって見てほしい映画である。
パターソンの何気ない日常と、飼い犬・マーヴィンのイタズラを見て、ほっこりしてほしい。
きっと疲れたあなたを優しく包み込んで、日常を慈しむ大切さをそっと囁いてくれるだろう。
沈黙 サイレンス(2016)

原題(英題)
Silence
公開日
2017年1月21日
上映時間
162分
キャスト
- マーティン・スコセッシ(監督)
- アンドリュー・ガーフィールド
- アダム・ドライバー
- 浅野忠信
- キアラン・ハインズ
- リーアム・ニーソン
- 窪塚洋介
- イッセー尾形
- 塚本晋也
- 小松菜奈
- 加瀬亮
- 笈田ヨシ
- 遠藤かおる
- 井川哲也
- PANTA
- 松永拓野
- 播田美保
- 片桐はいり
- 山田将之
- 美知枝
- 伊佐山ひろ子
- 三島ゆたか
- 竹嶋康成
- 石坂友里
- 佐藤玲
- 累央
- 洞口依子
- 藤原季節
- 江藤漢斉
- 菅田俊
- 寺井文孝
- 大島葉子
- 西岡秀記
- 青木崇高
- SABU
- 渡辺哲
- EXILE AKIRA
- 田島俊弥
- 北岡龍貴
- 中村嘉葎雄
- 高山善廣
- 斎藤歩
- 黒沢あすか
コメント
マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の「 沈黙 」を映画化。
江戸時代初期、キリシタン弾圧に耐えるキリスト教徒と宣教師の壮絶な物語を描いた。
本作でアダム・ドライバーは、アンドリュー・ガーフィールドと共に日本へ乗り込む宣教師を演じ、絶望と信念の間で苦しむ極限状態を見事に表現した。
大波が顔面を何度も何度も打ち殴るかのような痛みは、ただ残酷な描写があるからという理由だけではない。
江戸時代の日本という奇怪な極東の地で、絶望に直面するキリシタンを目撃し、人間の弱さを炙り出される点においても激痛が生じる。
ガリガリになったアダム・ドライバーの体からも想像がつく通り、彼は鍛え上げた筋肉たちを削ぎ落として本作に臨んでいる。
その肉の量は、約23kg。
燃え盛る炎のような役者魂は、本作の現実的な残虐さを引き立て、私たちの眼前に” 恐れ “そのものを突き出す。
デッド・ドント・ダイ(2019)

原題(英題)
The Dead Don’t Die
公開日
2020年6月5日
上映時間
104分
キャスト
- ジム・ジャームッシュ(監督)
- ビル・マーレイ
- アダム・ドライバー
- ティルダ・スウィントン
- クロエ・セビニー
- スティーブ・ブシェーミ
- ダニー・グローバー
- ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
- ロージー・ペレス
- イギー・ポップ
- サラ・ドライバー
- RZA
- キャロル・ケイン
- オースティン・バトラー
- ルカ・サバト
- セレーナ・ゴメス
- トム・ウェイツ
コメント
ジム・ジャームッシュ監督と2度目のタッグを組んだアダム・ドライバー。
緩くて笑えて、ちょっぴりくだらないオフビート全開のゾンビ映画だ。
アダム・ドライバーは町の巡査。
ビル・マーレイ演じる署長とともに町を見回り、ゾンビが出てくるまでのグロテスクな事件を目の当たりにしていく。
のんびりとした緊迫感やハリウッドを足蹴にするようなチープさと滑稽さ。
ジャームッシュ監督がやったといえば納得する作品であると同時に、それをふまえるとおもしろさが増す。
力の抜けたアダム・ドライバーが見たいという人は、ぜひ本作をおすすめする。
作品としても非常にラフな姿勢で見られるため、ぜひ仕事で疲れたときにでも見てほしい。
まとめ
今回は、アダム・ドライバーのキャリアや主な出演作品を紹介した。
日常に溶け込んだり、感情の起伏をリアルに表現したりなど、演技の幅は底なしだ。
スター・ウォーズのカイロ・レンで彼を知った方も多いだろう。
ぜひ作品のジャンルに先入観を抱かず、他の映画もたくさん見てみてほしい。
「 ブラック・クランズマン 」(2018)や「 マリッジ・ストーリー 」(2019)など、ここでは紹介できなかった良作もまだまだ存在する。
ジャンルの垣根を超え、役者としての幅を広げ続ける底知れないアダム・ドライバーの多面的な才能を、今後も映画好きの皆さんと一緒に楽しんでいきたい。

文・ライター:小石海玄人