第8位「 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章/後章 」


あらすじ
前章:
東京でハイテンション女子高生ライフを送る、小山門出こやま・かどでと“おんたん”こと中川凰蘭なかがわ・おうらん。
学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、3年前の8月31日、突如宇宙から出現し未曽有の事態を引き起こした巨大な〈母艦〉が浮かんでいた。
非日常が日常に溶け込んでしまったある夜、仲良しクラスメイトに悲劇が起こる。
衝撃と哀しみに打ちのめされる二人。
そんな中、凰蘭は不思議な少年に出会い「君は誰?」と問いかけられる。
その途端、凰蘭の脳裏に、すっかり忘れていた門出との過去が一瞬にして蘇る――!
(公式サイトより引用)
後章:
入試に合格し、亜衣や凛と同じ大学に通うことになった門出と凰蘭。
大学では竹本ふたば、田井沼マコトと意気投合、会長の尾城先輩がいるオカルト研究会に入部してキャンパスライフが始まった。
一方、宇宙からの〈侵略者〉は東京のそこかしこで目撃され、自衛隊は無慈悲な駆除活動を粛々と実行していた。
上空には、傾いて煙が立ち上る母艦。
政府転覆を狙い〈侵略者〉狩りを続ける過激派グループ・青共闘の暗躍。
世界の終わりに向かうカウントダウンが刻まれる中、凰蘭は、またもあの不思議な少年・大葉に遭遇する…。
(公式サイトより引用)
公開日
前章:2024年3月22日
後章:2024年5月24日
上映時間
前章:120分
後章:120分
予告編
キャスト
前章:
- 浅野いにお(原作)
- 黒川智之(アニメーションディレクター)
- 吉田玲子(シリーズ構成・脚本)
- 幾田りら
- あの
- 種崎敦美
- 島袋美由利
- 大木咲絵子
- 和氣あず未
- 白石涼子
- 入野自由
- 内山昂輝
- 坂泰斗
- 諏訪部順一
- 津田健次郎
- 杉田智和
- TARAKO
後章:
- 浅野いにお(原作)
- 黒川智之(アニメーションディレクター)
- 吉田玲子(シリーズ構成・脚本)
- 幾田りら
- あの
- 種崎敦美
- 島袋美由利
- 大木咲絵子
- 和氣あず未
- 白石涼子
- 入野自由
- 内山昂輝
- 坂泰斗
- 諏訪部順一
- 津田健次郎
- 竹中直人
- 沢城千春
- 大西沙織
- 松田健一郎
- 河西健吾
- こばたけまさふみ
公式サイト
コメント
今年も数多くのアニメが公開されたが、その中でもとりわけ強い印象を残したのが本作。
ダモクレスの剣のごとく頭上に存在する世界の終わりと、それでも続く凡庸な日常。
時代設定は現代~近未来だが、1990年代に流行った「 終わりなき日常 」の空気感を強烈に思い出させてくれる。
時代批評としても、SFとしても青春ものとしても秀逸。
↓レビュー記事はこちら
映画「 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 」終わりなき日常が終わる日【 あらすじ・キャスト・予告編 】
「 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章 」の映画情報・評価・感想レビュー
第9位「 ぼくが生きてる、ふたつの世界 」

あらすじ
宮城県の小さな港町、五十嵐家に男の子が生まれた。祖父母、両親は、“大”と名付けて誕生を喜ぶ。ほかの家庭と少しだけ違っていたのは、両親の耳がきこえないこと。幼い大にとっては、大好きな母の“通訳”をすることも“ふつう”の楽しい日常だった。しかし次第に、周りから特別視されることに戸惑い、苛立ち、母の明るささえ疎ましくなる。心を持て余したまま20歳になり、逃げるように東京へ旅立つ大だったが・・・。
(公式サイトより引用)
公開日
2024年9月20日
上映時間
105分
予告編
キャスト
- 呉美保(監督)
- 吉沢亮
- 忍足亜希子
- 今井彰人
- ユースケ・サンタマリア
- 烏丸せつこ
- でんでん
- 原扶貴子
- 山本浩司
- 河合祐三子
- 長井恵里
公式サイト
コメント
聴覚障害の両親のもとで生まれ育った青年の物語。
「 なぜ自分はこんな家に生まれたんだ 」という怒りや不満、それを経ての受容という過程は、これほど特別なシチュエーションでなくても、多くの人が経験するものだろう。
過度なドラマ性や感傷を排し、一見地味ながら普遍的な感動を呼ぶ秀作。
第10位「 アイミタガイ 」

あらすじ
ウェディングプランナーとして働く梓(黒木華)のもとに、ある日突然届いたのは、親友の叶海(藤間爽子)が命を落としたという知らせだった。交際相手の澄人(中村蒼)との結婚に踏み出せず、生前の叶海と交わしていたトーク画面に、変わらずメッセージを送り続ける。同じ頃、叶海の両親の朋子(西田尚美)と優作(田口トモロヲ)は、とある児童養護施設から娘宛てのカードを受け取っていた。そして遺品のスマホには、溜まっていたメッセージの存在を知らせる新たな通知も。
一方、金婚式を担当することになった梓は、叔母の紹介でピアノ演奏を頼みに行ったこみち(草笛光子)の家で中学時代の記憶をふいに思い出す。叶海と二人で聴いたピアノの音色。大事なときに背中を押してくれたのはいつも叶海だった。梓は思わず送る。「叶海がいないと前に進めないよ」。その瞬間、読まれるはずのない送信済みのメッセージに一斉に既読がついて……。
(公式サイトより引用)
公開日
2024年11月1日
上映時間
105分
予告編
キャスト
- 草野翔吾(監督)
- 黒木華
- 中村蒼
- 藤間爽子
- 安藤玉恵
- 近藤華
- 白鳥玉季
- 吉岡睦雄
- 松本利夫
- 升毅
- 西田尚美
- 田口トモロヲ
- 風吹ジュン
- 草笛光子
公式サイト
コメント
一人の女性の事故死を起点に、さまざまな人の出会いと別れを丁寧なタッチで描くドラマ。
人が死んでも、その人生の軌跡が新たな人の繋がりを生んでいく展開に感動。
映画話法に何ら奇をてらったところはないが、ウェットになりすぎないよう抑制が効いていて、それがむしろ普遍性に繋がる点は「 ぼくが生きてる、ふたつの世界 」と同様だ。
どうしても10本の中に入れておきたいと思わせる愛着を覚える。
豊作だった2024年度の日本映画
次点の「 Cloud クラウド 」は今年3本の新作が公開された黒沢清の作品で、3本の中では本作がベスト。
それをトップ10から落とすのは苦渋の決断だった。
転売屋が体験する恐怖を描く手法は、これまでの黒沢ホラーの延長線上にありつつ、マンガチックなB級アクション風味もあり、恐怖とユーモアが入り交じった秀作。
「 辰巳 」は現代の日本を舞台にしつつ、マッドマックスを思わせるような暴力的世界で生きる人々の姿を描くノワール。
その鮮烈な描写と、俳優たちの異様なテンションの高さに魅了される。
他にも「 ゴールデンカムイ 」「 からかい上手の高木さん 」「 違国日記 」「 ゴールド・ボーイ 」「 きみの色 」など、見たときは年間トップ10入り確実と思われた作品がボロボロ落ちている。
今年の日本映画がいかに充実していたかという証だ。
【 おまけ 】個人賞
最後に個人賞も。
助演女優賞はあまりの充実ぶりに選出は困難を極め、3人同時受賞というズルをした。
「 【推しの子】 The Final Act 」は作品としては問題だらけだが、アイを演じた齋藤飛鳥の魅力だけは特筆に値する。
監督賞
三宅唱「 夜明けのすべて 」
脚本賞
和田清人/三宅唱「 夜明けのすべて 」
主演男優賞
池松壮亮「 ぼくのお日さま 」
主演女優賞
髙石あかり/伊澤彩織「 ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ 」
助演男優賞
池松壮亮「 ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ 」
助演女優賞
森田想「 辰巳 」
忍足亜希子「 ぼくが生きてる、ふたつの世界 」
齋藤飛鳥「 【推しの子】 The Final Act 」
新人賞
越山敬達/中西希亜良「 ぼくのお日さま 」
まとめ
2024年は、単によい作品が並んだだけでなく、濱口竜介というトップランナーに三宅唱が並び、奥山大史、阪元裕吾、片山慎三などの若手が遺憾なく実力を発揮した年。
つまり「 日本映画の新たな黄金期が始まる 」という予感を抱かせるに十分な年だった。
海外の映画祭での各種受賞も含め、未来への希望が溢れている。

文・ライター:ぼのぼの