「 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章 」の映画情報・評価・感想レビュー

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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章

©デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章

あらすじ

《前章のあらすじ》

東京でハイテンション女子高生ライフを送る、小山門出こやま・かどでと“おんたん”こと中川凰蘭なかがわ・おうらん。

学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、3年前の8月31日、突如宇宙から出現し未曽有の事態を引き起こした巨大な〈母艦〉が浮かんでいた。

非日常が日常に溶け込んでしまったある夜、仲良しクラスメイトに悲劇が起こる。

衝撃と哀しみに打ちのめされる二人。

そんな中、凰蘭は不思議な少年に出会い「君は誰?」と問いかけられる。

その途端、凰蘭の脳裏に、すっかり忘れていた門出との過去が一瞬にして蘇る――!

公式サイトより引用

《後章のあらすじ》

入試に合格し、亜衣や凛と同じ大学に通うことになった門出と凰蘭。

大学では竹本ふたば、田井沼マコトと意気投合、会長の尾城先輩がいるオカルト研究会に入部してキャンパスライフが始まった。

一方、宇宙からの〈侵略者〉は東京のそこかしこで目撃され、自衛隊は無慈悲な駆除活動を粛々と実行していた。

上空には、傾いて煙が立ち上る母艦。

政府転覆を狙い〈侵略者〉狩りを続ける過激派グループ・青共闘の暗躍。

世界の終わりに向かうカウントダウンが刻まれる中、凰蘭は、またもあの不思議な少年・大葉に遭遇する…。

公式サイトより引用

公開日

2024年5月24日

上映時間

120分

予告編

キャスト

  • 浅野いにお(原作)
  • 黒川智之(アニメーションディレクター)
  • 吉田玲子(脚本)
  • 幾田りら
  • あの
  • 種崎敦美
  • 島袋美由利
  • 大木咲絵子
  • 和氣あず未
  • 白石涼子
  • 入野自由
  • 内山昂輝
  • 坂泰斗
  • 諏訪部順一
  • 津田健次郎
  • 竹中直人
  • 沢城千春
  • 大西沙織
  • 松田健一郎
  • 河西健吾
  • こばたけまさふみ

公式サイト

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章

原作漫画を離れ「 吉田玲子作品 」として着地

©デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章

さしたる予備知識もなしに見て、大きな衝撃を受けた「 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 」

前章のレビューはこちら

2か月のスパンで公開された後章を公開初日に見てきた。

強引な部分も目立つが、前章で広げた大風呂敷を、ともあれ畳みきった手腕には脱帽する。

実は前章を見たあと、我慢しきれず原作漫画のあらすじ紹介的なものを読んでしまい、謎めいた設定や結末をざっくり知った上で見ることになった。

そこで驚かされたのは、映画版が原作とは違う展開を辿り、ついには全く違うラストになったことだ。

実際の漫画を読んでいないので比較はできないが、予定調和のようでいて予定調和に収まらない見事な結末だ。

そもそも前章を見ようと思った大きな理由は、脚本が「 映画 聲の形 」(2016年)「 若おかみは小学生! 」(2018年)などの吉田玲子だったから。

原作に比較的忠実だった前章から、後章では大きく舵を切り、ディストピアSFとしてのテイストは崩さぬまま、作品のベクトルを友情と信頼の物語へとシフト。

最終的には紛う方なき「 吉田玲子作品 」として着地する様は奇跡的ですらある。

吉田玲子のフィルモグラフィにまた1本(前章後章だから2本か)傑作が加わった。

非セカイ系とセカイ系の間で

筆者は前章を「 非セカイ系 」という言葉で読み解いた。

だが後半に出現した予想もしない回想シーンから、「 非セカイ系だと思っていた作品が、一挙にセカイ系作品に変貌する可能性もある 」とも書いた。

まだ公開されたばかりなので、具体的な内容に一切触れるつもりはないが、この点について言えば、見事に予想は的中。

非セカイ系からセカイ系への気持ちいいほど大胆な転換。

だが、そのまま単なるセカイ系としては終わらない。

むしろセカイ系の定型から外れる展開によって、思いきりセカイ系に振れた物語がまた逆方向に揺り戻し、最終的には吉田玲子らしい感動的な青春物語へと到達する。

その振れ幅の大きさも凄まじい。

改めて前章と後章を続けて見たくなる。

駆け足すぎる欠点も目立つと思ったら…

原作の大胆な改変、その方向性やテーマに関しては文句なしに支持できる。

しかし全てを絶賛できるかというと、そうもいかないのが残念なところ。

何が問題かというと、駆け足でダイジェスト的なところが目立つのだ。

SFとして壮大な設定を持っている上に、いくつかの時間軸や世界線が交錯するため、1回見ただけでは簡単に咀嚼しきれない。

そこを丁寧に説明するようなことはせず、どんどん話が進んでいく。

そして門出と凰蘭と大葉に焦点を絞ったのはいいが、その分、消化不良のままどうなったのかよく分からないキャラも少なくない。

そもそも本作は前章と全く同じ120分だが、これは何らかの事情があったのだろうか?

内容から言えば、せめてあと20分は伸ばしてほしかったところだ。

そして公開直前に流れてきた驚くべきニュース。

実は「 デデデデ 」は、外国では前章と後章に未公開映像も加えて、全18話のテレビシリーズとして放送されるらしい。

内容的に言えばそちらが完全版ということなのだろう。

日本ではおそらく劇場公開が終わってしばらくしてからだろうが、どのメディアでどんな風に放送されるのだろう。

製作にテレビ東京も噛んでいるので、やはりテレビ東京での放送だろうか。

駆け足になってしまった部分を補った映像が見られるのはもちろん嬉しい。

だがそうなると2本の劇場映画は、テレビシリーズの予告編的な位置づけなのか? と微妙に喜べない、複雑な気分だ。

とはいえ、映画版の前章/後章だけでも圧倒的に面白いことは間違いないので、ぜひご覧になることをオススメする。

もちろん前章→後章の順番で見ないと、全くのチンプンカンプンになるので、お気を付けて。

執筆者

文・ライター:ぼのぼの

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