【 Netflix 】「 40歳の解釈 ラダの場合 」考察レビュー
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@スッポン)さんからの投稿レビューです。
アーティスティックかつ痛快、おばちゃんのサクセスストーリー。
「 不惑 」って知っていますか?
20歳は弱冠、60歳のことは還暦とか、年齢ごとにそれぞれその年代の呼び名ってあるじゃないですか。
40歳の呼び名が「 不惑 」
文字通り、人は40歳を迎えて迷いがなくなるということです。
今作は、不惑の歳を目前にした劇作家ラダの物語。
果たしてラダは「 不惑 」の40歳を迎えることができるのでしょうか?
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
40歳の解釈 ラダの場合
公開日
2020年10月9日
上映時間
124分
キャスト
- ラダ・ブランク(監督・脚本・主演)
- ピーター・キム
- オズウィン・ベンジャミン
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー
劇作家ラダは、40歳目前に迫りながらも作家として結果を残せずに、教員として働いています。
劇作家としての仕事もなく、教師としても生徒との関係に問題を抱えるラダ。
ある日、ラダはそんな日々の不満をラップにしてみるのですが、それが人気DJの「 D 」に気に入られてテープを作ることに。
新たな道が開けたかと思ったそんな折、今度は舞台の話が舞い込みます。
ただし、その内容は自分の気に入らないもの。
ありのままの新しい自分をラッパーとして1から作るか、自分の意見を殺して劇作家としてのキャリアをとるのか?
その選択で悩むさまがリアルに、同時にポップに描かれています。
好きだった点
監督・脚本・主演全てこなすラダ・ブランクが凄い。
上品なメリッサ・マッカーシーの様な印象を受けました。
もともと脚本家とのことですが、むしろ女優として、また他の作品でも見てみたいなと私は思いました。
キャラクターと世界観が◎◎
主人公ラダのキャラクターがとっても愛らしく、親しみやすいのですが、ラダの仕事仲間・ラダの生徒・DJのDなどのキャラクター。
全員が人物像の輪郭を持っていて良い役割でした。
どのキャラも出てすぐどんな人物なのか分かる。
また、キャラが分かりやすいので世界観や流れも伝わりやすい。
ラダを筆頭にそれらキャラクターが作り出す「 問題はあるけど暗さはない 」雰囲気が作品をグッと見やすく、それでも伝えたいことを伝えやすくしています。
見どころ
HIPHOPがリアルを語る。
ラップシーンは必見。
香水で有名な瑛人の曲で「 HIPHOPは歌えない 」って曲があって、「 HIPHOPを歌えない俺はリアルじゃないからさ、現実ばっかを見てたら、きっと涙が出るんだ 」
というサビなんですが、まさにHIPHOPはその通り自分のリアルをさらけ出してこそ評価できるものだと思うんですよね。
黒人だからこうでしょという決めつけ。
年齢を重ねるごとに増していく不自由さ。
そんな不満をラダがHIPHOPにぶつける様子は見ていて気持ちがいいです。
どことなく8mileです(笑)
考察・疑問点
アカデミー賞の選考基準に「 多様性 」が加えられるというニュースが物議をかもしていましたね。
無理にそんな設定をすると表現狭まるのでは?
と思い、最初私は反対だったんです。
「 良い作品は必然的に多様性を含むだろう 」という意見にウソやんって思ってました。
でも、今作を見て改めて考えるとその通りなのかもしれません。
文学的な作品とか強いメッセージ性は、必然的に弱い立場からの叫びから生まれる様な気がします。
まとめ
有名キャストの大型作品ではありませんが、かなり良質。
こういうオリジナル作品があるからNetflixはいい。
モノクロだからと敬遠せず、気楽に再生ボタン押して見てください。
テーマには40歳という年齢がありますが、ラダより若いあなたも、ラダ位の人も、ラダより年上の人も挑戦する勇気をもらえると思いますよ。<