
これは正直驚いた。
COVID-19により自宅隔離になった母娘の関係性を描いた映画ではなかったのか?
コロナ関係なく、途中から彼女たちの本当の問題に気付くと、あまりの衝撃に声を失ってしまった。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
瀑布


公開日
2022年1月29日
原題
瀑布 The Falls
上映時間
129分
キャスト
- チョン・モンホン(監督)
- アリッサ・チア
- ワン・ジンワン・ジン
- チェン・イーウェンチェン・イーウェン
- リー・リーレン
- リウ・リャンツオ
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー


COVID-19によるパンデミックが世界中で広がる中、台北のとあるマンションの一室で自宅隔離中の母娘がいた。
母は思春期の娘に手を焼いており、娘はそんな母親を疎ましく思っている。
そこから彼女たちの物語が描かれるのだろうと思っていたら、ある瞬間からその関係性が、わたしたちの「 錯覚 」であることに気づくのだ。
まるでホラー映画を思わせるような、背筋がゾッとするほどの展開をみせていくのが今作だ。
わたしは途中から、この母親が恐ろしくてたまらなかった。
母親目線での描写では、明らかに娘や周囲の状況の方がおかしかったのに、それが逆の立場からの描写になったとき、全てのエピソードが崩れていく。
これは現実なのか、それとも単なる母親の妄想なのか。
今作は、監督が知り合いから聞いた話を基に製作されているとのこと。
どの程度の割合で脚色されているかはわからないが、実際にあった話として見たら、この娘に同情せざる得ない。
同時に世の中の不条理さに思わず悪態をつきたくなる。
それが劇中での彼女の言葉「 なんで難しいことばかり言うの?」に描写されている気がする。
心の不安定な母親の世話だけで精一杯な受験生でもある彼女に、多くを求めすぎる大人たちに終始憤慨したが、
後半から母親が持ち直してくる部分でようやくホッとした。
のも束の間、ラストで衝撃的な出来事が起こる。
そして、この部分がタイトルに繋がることがわかり「 そうきたかー 」とちょっぴり感動。
とにかく、まるでお化け屋敷の中に設置されたジェットコースターのような展開で気が休まらなかった。
まとめ
ブルーシートに覆われたマンションの一室で起こっている出来事は誰にも分からないものだ。
それなのに周囲は好きなように見て、好きなように言って去っていく。
その世間の冷たさを強烈に感じたが、今作で登場する家政婦のように「 分かってくれる人 」もきちんと存在する。
監督は「 信頼感 」を描きたかったようだが、ちゃんと成し遂げていたと思う。