
最新版「 ザ・バットマン 」脚本家が描くオリジナル作品。
SFというだけでも原作がないと難しそうなテーマなのに、人間ドラマ・リアルなSF・潔いラスト、それぞれ面白い。
ネットの酷評に踊らされることなかれ、百聞は一見に如かず。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
マザー アンドロイド


公開日
2022年1月7日
原題
Mother Android
上映時間
111分
キャスト
- マットソン・トムリン(監督)
- クロエ・グレース・モレッツ
- アルジー・スミスアルジー・スミス
- ラウル・カスティーロラウル・カスティーロ
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
現実が追いついてしまったSF世界。
各家庭に人型AIが執事としている世界。
もう人型AIは存在するし、今作で起こるAIの暴走は、ちょっとした通信障害やハッキングで起こってしまいそうな点が、リアルでぞっとした。
禁止コードを叫ぶのではなく、本能に従いさっさと逃げたサム、Good Job!
進化や利便性の追求をやめられない人間の愚かさは、本当にいつかそれをAIに逆手に取られてしまうのでは?と危惧してしまった。
ディストピアでも男女は、価値観の違いでモメる大学生カップルが予期せぬ妊娠で「 人生狂った 」と思っているところに、
それでは済まないレベルの「 人生狂った 」が到来する展開は、皮肉が効いていて好み。
SFって相当作り込んでいないと薄っぺらになりがちだが、結婚・出産なんて想定もしていなかったティーンカップルの「 こんなはずでは・・・ 」やり取りや、
1つの出来事に対する言動に埋められない価値観の男女差が出ていて飽きさせない。
その差をAll you need is loveで埋めようとする2人のピュアさに心が洗われた。
予定日を過ぎた妊婦にとって、10キロ徒歩移動は無理だと、サムには気付いて欲しかった。
潔いラストとクロエの表情に注目。
アーサーの正体は予想できず「 なんてこった!」と叫んでしまった。
冒頭のネタバレは止めて欲しかったけど、それ以外はどう転ぶか読めなかったし、何1つ思い通りにいかない展開も現実の厳しさに即している。
下手に希望を持たせ、続くのか終わるのか曖昧なラストより、潔いエンディングで好感が持てる。
だからこそ、現実の厳しさが増すにつれ、変化していくクロエ・グレース・モレッツの表情と、ラストカットに「 彼女たちの未来を見てみたい 」と余韻に浸ることができた。
まとめ


AIがアメリカ全土を壊滅させているのに、アジアだけ安全という設定。
「 アジア、どんなシールド持ってるの?」とツッコミたくなってしまった。
最先端技術の暴走であれば、中国は真っ先に殺られるだろうし、なぜか日本だけリストに入っておらず無念。