映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@nori)さんからの投稿レビューです。
主演のヴァネッサ・カービーは、今作でヴェネチア国際映画祭 最優秀女優賞を受賞。
この映画に出会て良かったなと。
見る前と後で心境に変化が起きる作品でした。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
私というパズル

公開日
2020年9月4日
原題
Pieces of a Woman
上映時間
2時間6分
キャスト
- コルネル・ムンドルツォ(監督)
- カタ・ヴェーベル(脚本)
- ヴァネッサ・カービー
- シャイア・ラブーフ
- エレン・バースティン
- サラ・スヌーク
- モリー・パーカー
- イライザ・シュレシンガー
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー

好きだった点
主演のヴァネッサ・カービーを筆頭に、各キャストのリアルな演技が光ります。
ショーン(マーサの夫役)は「 トランスフォーマー 」シリーズで主演を演じたシャイア・ラブーフ。
以前とあまりにも違う風貌に、最初はまったく彼とは気付きませんでした。
妻の力になりたいのに、うまくサポートできず葛藤する夫役を自然体で表現していました。
マーサ役は「 プリディスティネーション 」で注目を集めたサラ・スヌーク。
マーサの妹役を演じたモ氏は、数々の有名映画に出演しており、コメディアンとしての才能を買われている女優でもあります。
Netflixドラマ「 イライザ・シュレシンガーのコントショー 」では、体当たりなコメディに挑戦。
そのギャップに注目です。
俳優陣を生かす脚本もさすがです。
BGMなどはあまり使わず、終始静かなトーンで進んでいきます。
その分1シーン1シーンが印象的でして、出産事故にあった女性とその家族の視点が痛いほどリアルに描かれています。
今作は出産に立ち会う家族の指南書のような作品でした。
辛く重い内容ですが、だからこそ胸に突き刺さる内容となっています。
嫌いだった点
学ぶことの多い作品でしたが、その分精神的には落ち込むので、出産前の妊婦さんにはあまりオススメしません。
ラストは心の準備をした上での鑑賞であれば大丈夫かと。
私は大学生なのですが、特に同世代、20代男性の方々に見てほしい作品です。
見どころ
冒頭30分近く続く出産シーンは、見るものを映画の世界にグッと引き込みます。
陣痛と戦う妻をただ見守ることしかできない夫。
痛みのあまり、つい言動がきつくなってしまう妻。
子供の呼吸があまり芳しくないと分かるものの、夫婦を心配させたくない助産師。
1人1人の心情がリアルに描かれています。
30分近く長回しされていますが、次のカットに進むまでフィクションであることを忘れていました。
脚本家はカタ・ヴェーベルという人物でして、Filmarksやネット検索では他に携わっている作品は見つかりませんでした。
これから追いかけていきたいです。
考察レビュー

今作は「 自宅出産 」に臨む夫婦を描いています。
見終わってから気になったので少し調べてみました。
データが古いですが、日本産婦人科医会によると、2003年の時点で日本での自宅分娩の割合は0.2%でした。
志望率は妊娠時期から分娩までを指す周産期で5.3%、新生児で1.7%でした。
自宅での出生数は2,300ほどなので、この数値は決して低くないと思われます。
驚いたのは、1960年代の自宅出産の割合が49%だったことです。
医療の発展とともに段々と減ってきたようですね。
自然分娩を望む家族の気持ちは尊重したいですが、そのリスクには十分気を付けなければなりませんね。
まとめ

「 私というパズル 」
総じて見てよかったと思います。
今作は、見終わって時間が経って、心の整理がついてきてから段々と素晴らしさを実感するものだと思います。
少し大袈裟かもしれませんが、長い人生誰しも悲しみや苦しみ経験することが少なからずあると思います。
今作を通して、時には立ち止まりながらでも、現実に向き合うことを忘れずに生きていこうと思いました。