
孤高の天才ジャズ・ピアニストのチャーミングな素顔を垣間見る貴重な記録。
演奏中の迫力はもちろん、彼の人間性を知ることで、より彼の音楽が興味深くなる良作。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
モンク・イン・ヨーロッパ


公開日
2022年1月14日
原題
Monk in Europe
上映時間
59分
キャスト
- マイケル・ブラックウッド (監督)
- クリスチャン・ブラックウッド(監督)
- セロニアス・モンク
- レイ・コープランド
- クラーク・テリー
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
ジャズ・ミュージシャンの中でも、独特の音楽性とユニークなルックスから、付き合いづらい人と思われがちなセロニアス・モンク。
舞台裏での彼の意外な一面が垣間見られたのは貴重でした。
ステージ裏では仲間とにジョークを交わし談笑する彼の姿は、愉快でおおらかに感じられます。
いかに勝手なイメージが作られてしまうか、ということにも気付かされ興味深い。
ひとたび鍵盤の前に座ると、もの凄い集中力と即興力で、魔法のような音楽を生み出す。
期待を裏切りません。
モノクロで描かれる、モダン・ジャズの全盛期(1950〜60年代)。
ニューヨークの街並みも価値のある記録です。
鍵盤の前に座る前、恐らくは彼なりの精神統一の方法と思われる「 ぐるぐる回る 」という奇行や、リズムの表現でもあるコミカルな動きは、まるでコメディアンのよう。
その姿は、2006年制作の傑作音楽ドキュメンタリー「 BlockParty 」で、
進行役のコメディアン(デイブ・シャペル)が、「 ミュージシャンはコメディアンに、コメディアンはミュージシャンに憧れる 」と話していたのを思い出します。
デイブ氏自身もセロニアス・モンクの楽曲をピアノで弾くなど、音楽への造詣が深い人物です。
その曲がとても美しい曲だったので、私はそこからセロニアス・モンクという人物に興味を持ち、今作の鑑賞に至ります。
やはり、音楽とコメディ(笑い)というのは、「 間が肝心 」「 緊張と緩和 」「 リラックス効果 」など、シンクロする部分が多いなと改めて感じました。
まとめ


ジャズは一般的に教養としての色合いが強く、純粋に楽しむよりも知識を競うイメージが強くなりがちです。
こうして偉大なミュージシャンの実録を目にすると、「 音楽で心や体を動かすこと 」が最も大事なことだと感じます。
音楽ファンのみならず、そんな営みを目撃することに価値のある1本。