世界的なヒットを記録した前作「 アナと雪の女王 」から6年。
「 アナと雪の女王2 」は、エルサが正式に女王となり、アレンデール王国を統べるようになってから3年後の世界です。
私事ですが、4歳の娘も、「 アナ雪 」に夢中になり(将来の夢はエルサになること)、グッズや絵本を揃えエルサのドレスを着飾り、
劇場公開と同時に足を運んだにもかかわらず、開始20分で娘の「 もう帰る 」宣言。
どうやら上映前のスターウォーズ予告編の音量に怖気づいたようでした。
結局、続きは翌年、娘にDVDをプレゼントし、自分はDisney+ (ディズニープラス)で観賞したのでした。
なぜ子ども(娘)が冒頭でリタイアしたのか(スターウォーズはさておき)、続編のターゲットとなる年齢層は?
そのあたりを考えてみたいと思います。
アナと雪の女王2
公開日
2019年11月22日
原題
Frozen II
上映時間
103分
キャスト
- クリス・バック、ジェニファー・リー(監督)
- アナ(神田沙也加)
- エルサ(松たか子)
- オラフ(武内俊輔)
- クリストフ(原慎一郎)
予告編
公式サイト
感想レビュー
好きだった点
ミュージカル仕立てならではの、音楽の素晴らしさは前作と同じく印象に強く残りました。
エルサ(松たか子)の歌声を堪能するためにはヘッドフォンが必須ですね。
併せてグラフィック映像も、これ以上ない程のクオリティーでした。(違和感を覚えたシーンもありますが、これは後述します)
作品を見た子どもたちが何度も歌ったり、覚えていることにも納得がいきますね。
やはり子ども向けの作品なのでしょうか。
嫌いだった点
制作スタッフの顔が見え隠れする点。
エルサが、魔法を駆使しながら駆け回る姿は、日本の某アニメの模倣のように感じました。
それこそスーパーサイヤ人にしか見えない(笑)
もう1つは、先に違和感と述べましたが、クリストフが恋の難しさを歌うシーン。
曲調と演出がどう見ても80年代のロックバラード(クイーンやボン・ジョヴィ)のパロディー。
映画のターゲット層が子どもよりは、30代以上の大人であることを示しているようにも感じられました。
見どころ
見どころは、道化役の雪だるま=オラフの存在。
彼のひょうきんさがうまく作用し、物語が深刻になり過ぎないように、バランスを調整しています。
娘にも、今作の好きだった点を聞くと「 オラフが女の子の声で、おやつ持ってくるねって言うのが、面白かった! 」
と楽しそうに話していました。
ちなみに、このシーンではトロールがアナやエルサたちに、とても重要かつ深刻な話をしています。
考察・疑問点
それでは、今作は、どの年齢層をターゲットとしているのか?
考察する上での重要なポイントは、ストーリーテーマです。
そのテーマとは「 過去の戦争と歴史認識 」です。
エルサは、未知の旅を続ける過程でアレンデール王国の秘密を知ってしまいます。
祖父が友好国を騙し、その国のリーダーの首を斬ることで、自国が栄えたのだという衝撃的な事実でした。
例えば、祖父母の世代が、戦争で隣国に酷いことをして自国が隆盛したことを知ったとして、新しい世代が正しいことをするとは、どういうことでしょうか。
エルサはトロールの長老の助言に従い「 できることからする 」という選択をします。
かつて世界大戦後、ドイツは戦後処理をどのようにしたのか?
日本帝国は何をしなかったか?
現在は、どうなのかな?
そのようなことを、世の大人たちに問うてる気がしました。
まとめ
それでは、今作の対象年齢は、大人ということでまとめられるのでしょうか?
そうとも言えないと思います。
前作をリアルタイムで見ていた子どもたちは、6年という歳月を経て幼児は小学生に、小学生は中高生に、中高生は成人になりました。
おそらく、制作陣がターゲットとした対象は当時(前アナ雪世代)の子どもたちであり、また、大人たちでもあると思います。
では、新アナ雪世代の小さな子どもたちは除外されるのでしょうか?
いいえ、大人たちが、小さな子どもたちの問い(「何でエルサは○○したの?」「アナのお祖父さんはワルモノなの?」)
に答えることで、正しい過去を伝え、子どもたちに今より良い未来を託すことが出来るのでしょうね。
結論、大人〜子ども世代も楽しみながら、考えられる作品でした。