米軍兵士の父親(シングルファーザー)と2人の息子を約9年間に渡って追ったドキュメンタリー作品。
見終わった後の「 切なさ、やるせなさ 」が何日も尾を引きました。
これまで多くの「 戦争映画 」を見てきましたが、「 戦争、自分が生きてきた環境、世界、日本 」について、これほど考えさせられた作品はあっただろうか。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
父、兵士、その息子
公開日
2020年7月17日
原題
Father Soldier Son
上映時間
100分
キャスト
- レスリー・デイヴィス(監督)
- カトリン・アインホーン(監督)
予告編
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー
好きだった点
息子たちの笑顔が可愛かった。
そんなシーンは冒頭に少し描写される程度です。
ずっと笑顔でいてほしかったのになと思いました。
あの可愛くて純粋な笑顔が、後に悲しみを大きくさせていたような気がします。
嫌いだった点
ドキュメンタリー作品に対して、ここが嫌だったというのもおかしいと思いますが、
「 あれがしたい、これがしたい 」と言う息子の夢に対して「 無理だよ 」と言い、応援の言葉をかけてあげられない父親に悲しさと少しの怒りを感じました。
父親の気持ちも理解はできます。
今まで生きてきた環境がそうさせるのだと思うし、目を向けるべき部分は父親ではなく、父親が生きてきた環境だと。
でも、私は肯定できません。
父親にはもっと視野を、世界を広げて多くのことに気付いてほしかったです。
どうか息子が親世代になったときは、色々なことに気付いてほしいし、親の親の親世代から続く負の連鎖を断ち切る勇気を持ってほしいです。
見どころ
「 戦争が起きているのは戦場だけではない 」というシーン。
最初は父も自分が置かれている環境について「 本当にこれでいいのか? 国に貢献したいけれど、息子たちに負担がかかってしまう 」と言い、
長男も「軍人になりたいとは思わない」「(戦地へ向かう父に)無事に帰ってきてほしい 」という風に言います。
9年が経ち、様々なことを経験し、背負い、軍人になりたくないと言っていた長男は入隊し、「 いつか戦場に行きたい、そのために成長した 」と言うまでになります。
なぜそうなったのか?
そのグラデーションを見てほしいです。
すごく切なくてやるせない気持ちになりました。
まとめ
私が平和ボケしているからかもしれませんが、共感できない部分が多くありました。
私も生まれ育った日本が大好きだから、愛国心があるのも愛する国を守ることに誇りを持つのも分かります。
父親は、再婚相手との間にできた子供にまで入隊してほしいと言っていました。
でも足を切断するまでの怪我をして、目を逸らしたくなる光景を数多く見てきたはずなのに、父親が息子に入隊してほしいと思う心理は?
次男のことは本当に辛く、結果的に長男が負の連鎖から抜け出せず、多くのことを背負わされてしまったように見えました。
長男が不憫に思えたし、葛藤している姿も辛く感じました。
幸せの形は人それぞれですが、どんな形であれ幸せになってほしいです。