硫黄島からの手紙(2006)

原題(英題)
Letters from Iwo Jima
公開日
2006年12月9日
上映時間
141分
キャスト
- クリント・イーストウッド(監督)
- 渡辺謙
- 二宮和也
- 伊原剛志
- 加瀬亮
- 中村獅童
- 裕木奈江
- 尾崎英二郎
- 坂東工
コメント
「 父親たちの星条旗 」の続編であり、硫黄島の戦いを日本視点から描いた作品。
戦地の地中から発見された数百通もの手紙をもとに、イーストウッドが人間ドラマを創造した。
渡辺謙が栗林忠道中将を、二宮和也が兵士の西郷を演じ、高い表現力で作品のクオリティを押し上げたことも特筆すべき点だろう。
西郷を視点に描かれる日本軍は、戦争という枠を超え、当時の国の様子や個々の感情を浮き彫りにする。
史実を軸に映画を撮ってもフィクションになる作品は多々あるだろう。
だが、イーストウッドが監督する作品は、常にリアルになるから不思議だ。
チェンジリング(2008)

原題(英題)
Changeling
公開日
2009年2月20日
上映時間
142分
キャスト
- クリント・イーストウッド(監督)
- アンジェリーナ・ジョリー
- ガトリン・グリフィス
- ジョン・マルコビッチ
- コルム・フィオール
- デボン・コンティ
- ジェフリー・ドノバン
- マイケル・ケリー
- ジェイソン・バトラー・ハーナー
- エイミー・ライアン
- ジェフリー・ピアソン
- エディ・オルダーソン
コメント
女優業を引退しようと考えていたアンジェリーナ・ジョリーだったが、
あまりの衝撃的な事実に、脚本を受け取るや否や仕事を引き受けることにした一作。
それが、イーストウッド29作品目の「 チェンジリング 」だ。
異様な空気感をまとった奇妙な事実に、イーストウッド自身もフィクションだと思うほど唖然としたという。
息子が行方不明となってしまった一人のシングルマザー。
5ヶ月後に警察から発見の報せを受けるも、会いに行くと息子ではない謎の子どもが立っていた。
リハーサルをあまりしないイーストウッドの真実味のある演出が、物語をことごとく奇怪なベールで包み込んでゆく。
実際に起こった事件だということを、僕らも信じられなくなるほどに。
グラン・トリノ(2008)

原題(英題)
Gran Torino
公開日
2009年4月25日
上映時間
117分
キャスト
- クリント・イーストウッド(監督・出演ともに)
- ビー・バン
- アーニー・ハー
- クリストファー・カーレイ
- ジョン・キャロル・リンチ
コメント
30作品目となるイーストウッドの映画は、元軍人と移民との交流を描いたヒューマン・ドラマだ。
イーストウッドが主演を務め、主人公のウォルト・コワルスキーを完全に憑依させて見事な演技を魅せた。
物語も退屈することのない秀逸な構成でありながら、メッセージ性も強い。
無駄をそぎ落とし、リアリティを追求したイーストウッドらしい良質な映画だ。
また、「 ミリオンダラー・ベイビー 」とは異なる作風ではあるものの、伝えたいメッセージは重なる。
無下にする親族よりも、本当に自分を思ってくれる近くの他人の方が大切だったりするのだ。
映画としての評価は非常に高く、数々のレビューサイトで高評価を記録しているのも特徴といえる。
インビクタス 負けざる者たち(2009)

原題(英題)
Invictus
公開日
2010年2月5日
上映時間
134分
キャスト
- クリント・イーストウッド(監督)
- モーガン・フリーマン
- マット・デイモン
- トニー・キゴロギ
- スコット・イーストウッド
コメント
主演を務めたモーガン・フリーマンが、イーストウッドに企画を持ち込み実現した31作品目。
この物語は、実話に基づいたネルソン・マンデラ大統領のストーリーだ。
モーガン・フリーマン演じるネルソン・マンデラ大統領が、人種差別が横行していた時代に、黒人と白人とをラグビーで繋いでいく。
誰もが胸に刻むべき“ 許し ”の尊さを描いた作品である。
なお、今回の作品でイーストウッドとモーガン・フリーマンは、3度目の共演を果たしている。
また、ラグビーチームのキャプテンであるピナール選手を、「 ジェイソン・ボーン 」(2016)のマット・デイモンが演じた。