光をくれた人(2016)

原題(英題)
The Light Between Oceans
公開日
2017年5月26日
上映時間
133分
キャスト
- デレク・シアンフランス(監督)
- マイケル・ファスベンダー
- アリシア・ヴィキャンデル
- レイチェル・ワイズ
- ブライアン・ブラウン
- ジャック・トンプソン
コメント
M・L・ステッドマンの小説「 海を照らす光 」を映画化した本作。
アリシア・ヴィキャンデルは、流産と死産を経験する美しい妻・イザベルを演じ、マイケル・ファスベンダーは灯台守の夫・トムを演じた。
物語は非常に難しい題材を取り扱っている。
流産と死産により赤ん坊を失った妻・イザベルが、ある日島に流れ着いたボートを発見する。
そのボートの中には、亡くなった一人の男性と生きた赤ん坊が乗っていた。
イザベルは生きていた赤ん坊を抱き上げ、自分が母になり育てることにしたが、やがて本当の母親だと名乗る女性が現れる。
育ての親と生みの親では、果たしてどちらが子どもにとっての本当の親になりうるのか。
2つの視点から見る究極の問いと、子ども側の感情に心が締め付けられる。
筆者が本作を観賞したのはまだ高校生の頃だったが、子どもができた今、改めて作品を見たときには体中の水分が目と鼻からドバドバと放出されてしまった。
アリシア・ヴィキャンデルは難しい役どころをセンシティブに演じ切り、作品への理解度と解像度を高めてくれている。
ちなみに共演したアリシア・ヴィキャンデルとマイケル・ファスベンダーの2人は本作をきっかけに交際をスタートさせ、やがて本当の夫婦となった。
世界の涯ての鼓動(2017)

原題(英題)
Submergence
公開日
2019年8月2日
上映時間
112分
キャスト
- ビム・ベンダース(監督)
- ジェームズ・マカボイ
- アリシア・ヴィキャンデル
- アレクサンダー・シディグ
- レダ・カティブ
- アキームシェイディ・モハメド
- ケリン・ジョーンズ
コメント
本作は、ビム・ベンダース監督による恋愛サスペンスの映画である。
海辺のホテルで偶然出会った男女の数奇な運命を、ロマンチックかつスリリングに描いた作品。
アリシア・ヴィキャンデルは知的で好奇心の塊のような生物数学者・ダニーを演じ、ジェームズ・マカボイは諜報員のジェームズを演じた。
本作の彼女は、作風も相まってなのかアリシア・ヴィキャンデルという同じ女優を見ているはずなのに、全く異なる印象を受けるほど今までと雰囲気が違う。
別格に自然というか、没入感があるというか、とにかくダニーというキャラクターが台本から直接出てきたかのような“ まんま感 ”があるのだ。
持ち前の色香を自在にコントロールし、身に纏っている空気感を操る技術は、まさしく彼女特有の個性だろう。
ぜひ本作で、他の作品の彼女との違いを楽しんでほしくてこの映画をチョイスしてみた。
アリシア・ヴィキャンデルが好きだという方は、一度観賞してみてほしい。
トゥームレイダー ファースト・ミッション(2018)

原題(英題)
Tomb Raider
公開日
2018年3月21日
上映時間
118分
キャスト
- ローアル・ユートハウグ(監督)
- アリシア・ヴィキャンデル
- ドミニク・ウェスト
- ウォルトン・ゴギンズ
- ダニエル・ウー
- クリスティン・スコット・トーマス
- ハンナ・ジョン=カーメン
- デレク・ジャコビ
コメント
本作でアリシア・ヴィキャンデルは、3ヶ月前からトレーニングを開始。
憧れのアクション映画であり、かつアンジェリーナ・ジョリーの出世作ともなった大ヒット映画「 トゥームレイダー 」(2001)のリメイク版とあって、彼女の気合は十二分だったと推測される。
早朝の6時からトレーニングを始め、徹底した食事管理のもとララ・クロフトの体へと進化を遂げていった。
その甲斐あって、劇中では腹筋バキバキの美しくもかっこいいアリシア・ヴィキャンデルを拝むことができる。
彼女の演技は真に迫るものがあり、疾走感と力強さが胸を熱くした。
これまでの役柄では決して見られなかった、走って飛んで、戦うといった新たな一面が見られる作品である。
壮大なスケールで描かれるトゥームレイダーの世界と、完璧なアクションを披露する彼女の逞しい姿は、まさに“ 必見の価値あり ”だ。
↓レビュー記事はこちら
「 トゥームレイダー ファースト・ミッション 」邪馬台国の卑弥呼は病原菌に感染していた
まとめ
余談ではあるが、アリシア・ヴィキャンデルは「 アースクエイクバード 」(2019)の撮影で日本に滞在していたことがある。
その際に日本語を学び、まちに繰り出して地元の人と会話を楽しんだとか。
彼女と話せた人々を思うと非常に羨ましい限りだが、このような好奇心とアクティブな精神を持っているところも彼女の魅力であり、役者としての幅が広がる要因なのかもしれない。
タイムレスに美しい容姿と新鮮な表現力で、これからも我々を未知の体験へと誘ってくれるだろう。

文・ライター:小石海玄人