誕生から80年以上愛され続けてきた、アダムス・ファミリー初の長編3DCGアニメ。
子ども向けかと思いきや、根底にあるテーマは意外と難しい!?
従来のファン、アダムス・ファミリーは初見という人も、是非みて欲しい作品です。
アダムス・ファミリー

公開日
2020年9月25日
原題
The Addams Family
上映時間
86分
キャスト
- コンラッド・ヴァーノン(監督)
- グレッグ・ティアナン(監督)
- オスカー・アイザック(ゴメズ)
- シャーリーズ・セロン(モーティシア)
- クロエ・グレース・モレッツ(ウェンズデー)
- フィン・ウォルフハード(パグズリー)
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー

アダムス・ファミリーとは?
1937年にザ・ニューヨーカー誌に掲載されたチャールズ・アダムス原作の1コマ漫画から始まった「 アダムス・ファミリー 」
その後、ドラマ / アニメ / 映画 / 舞台など、様々な媒体で、形を変えながら「 アダムス・ファミリー 」は今ある形へと描かれてきました。
今回、3DCG長編アニメとしてスクリーンに帰ってきたアダムス・ファミリーは、原作に近いキャラクターデザインになっています。
そういった点も、今までのシリーズファンとして楽しめるのではないでしょうか。
魅力的なキャラクターに出会えると思います。
好きだった点
ウェンズデーがとにかく可愛らしい。
ウェンズデーが好きという人も多いのでは?
顔色は常に青白く、怪しげなことを考えているウェンズデー。
こだわりのヘアスタイルは、首吊り縄を思わせるおさげ、口にすることは鬱々としたことや、時には弟パグズリーへのブラックな発言。
今回のストーリーでは、そんな彼女が「 門の外には何があるの 」と、アダムス家の外の世界へと興味を持ちます。
それを隠したり、敢えてモーティシアを怒らせるような素振りを見せたり、彼女の反抗期のようなシーンが垣間見られました。
一見、表情が変わらないようなウェンズデー。
注目すると、ストーリーの中で彼女の表情がコロコロと変わっていくのが素敵です。
嫌いだった点
強いてあげるとするならば、テンポが少し悪くなるシーン。
嫌いな点ではないですが、もしかすると、小さなお子さんには少し話が難しいのかもしれません。
お子さんと見るなら、親の副音声付きがいいのではないでしょうか。
見どころ
ヴィジュアルや雰囲気だけでも、楽しめる作品だと思います。
ストーリーを追っていくと、ただの子ども向けホラーコメディではなく、実は難しいテーマが根底にあるのではないかと考えさせられました。
考察・疑問点

アダムス家を通して見る 「 普通 」 とは何か?
街の人々は、アダムス家が自分たちとは違う 「 普通 」ではないことに恐怖します。
SNSでアダムス家の誤情報が拡散されると、街の人々は、それを鵜呑みにしてアダムス家を追い出そうとします。
とても怖いことですが、実際にこういった事例は日常で頻繁に見かけますよね。
アダムス家もおかしな自分たちの方が 「 普通 」で、他の人たちは「 普通 」ではないと思い、あまり受け入れようとしません。
一方的な拒絶ではなく、アダムス家も相手を受け入れないのです。
ここが個人的には、リアルさを感じたところです。
そんな中、ウェンズデーが外の世界に興味を持ち、パグズリーがアダムス家の伝統にプレッシャーを感じていきます。
街の子どもの中には、ウェンズデーに影響を受ける子もいます。
まだ自分たちの 「 個性 」 というのを模索している彼らには、押しつけられる「 普通 」 というものが辛くなってくるのです。
最終的には、街の人たちのちょっとおかしな行動が暴露され「 普通 」なんてモノは存在しないのかもしれない。
真実を知らないで、嘘の情報に振り回され、アダムス家を追い払おうとした自分たちの行動が残酷だったと気付きます。
アダムス家も、それぞれの個性を持っていることに気付き、過去の経験に囚われず街の人たちに歩み寄る。
ここでウェンズデーが皆どこか変なのよと「 FREAK(フリーク)」という言葉を使います。
私は日本人ですが「 フリーク 」という単語はかなり強い意味を持っているものだと思っていました。
それをサラっと使うのも、アダムス・ファミリーの魅力の1つなのではないでしょうか?
「 みんなちがって、みんないい 」
アダムス・ファミリーを通して “ 普通 ” とは “ 個性 ” とは何かを考えさせられました。
まとめ

当たり前なようでいて意外と気付けない、目を背けてしまう事象にフォーカスした作品でした。
関連するおすすめ映画としては、
1992年公開の実写版「 アダムス・ファミリー 」
1993年公開の実写版「アダムス・ファミリー2 」
これを機に、アダムス・ファミリーファンが増えてくれたらと思います。
