本作は2014年にイ・ソンギュン(『パラサイト 半地下の家族』など)主演で公開されたアクション映画の日本版リメイク。
「 ファブル 」「 燃えよ剣 」「 ヘルドックス 」など近年アクションスターとしての活躍が目覚ましい岡田准一と、長編映画では、
「 ヤクザと家族 The family 」以来の藤井組参加となる綾野剛のW主演に加えて、脇を固める役者の顔ぶれも超豪華。
「 アバランチ 」や「 インフォーマ 」などドラマでは勢いのあるクライムアクションを撮ってきた藤井道人監督の本領を、早速劇場にて堪能してきた。
最後まで行く

あらすじ
危篤の母のもとへ向かう道中に男性を車ではねてしまった刑事。証拠隠滅を試みるも監察官に追い詰められていく96時間が描かれる。
公開日
2023年5月19日
上映時間
118分
予告編
キャスト
- 藤井道人(監督)
- 岡田准一
- 綾野剛
- 広末涼子
- 磯村勇人
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー

顔芸ありのろくでもない岡田准一も、サイコでエリートで不死身な綾野剛も、キャラの立ち方は抜群。
視点を変えて時系列を巻き戻していく脚本の構成もテンポがよく、どうしようもなく殺伐とした話ではあるのだが、俳優陣の好演もあって2時間はあっという間だった。
トカゲを連想させるクライマックスのアクションもスリルがあり、終幕かと思いきや「 最後まで行くんかい!」と突っ込みたくなるような二転三転するラストの後味もよかった。
小難しいことは考えず、ただただ作品に没入しながら楽しめるエンタメらしい1作だった。
とはいえ、ところどころに藤井監督がこれまで作り上げてきた長編映画・ドラマなど最近の作品のエッセンスを感じることもできるのだから、監督の手腕たるやと唸らされる。
たとえば「 新聞記者 」や「 アバランチ 」で描かれたような、政治家や警察などの公的機関の汚職だったり、あるいは直近の傑作「ヴィレッジ」で印象的だった、砂漠のトカゲに象徴される日本の地方社会に蔓延する閉塞感だったり。
オリジナルの藤井作品ではないにしても、過去の作品と通ずる芯のようなものがしっかりと盛り込まれていた。
そういった意味で、アクション映画ファンはもちろんのこと、藤井作品ファンも十二分に楽しむことができる良作だった。
まとめ
オリジナルは韓国の同名作品だが、実はこの「 最後まで行く 」は、「 レストレス 」というタイトルのフランス版リメイクも存在する。
また、オリジナルの韓国版、フランス版リメイク「 レストレス 」ともに、Netflixで観ることができる。
もちろん本作だけを楽しむのもいい。
でもせっかくだから、韓仏日のエンタメ感性を観て比べてみるのも面白いに違いないと筆者は思う。