「 ブレイブ 群青戦記 」感想レビュー、原作は面白いが実写はひどいのか?

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文・ライター:@リリヲ

「 ブレイブ 群青戦記 」原作面白いですよね。

トップスポーツ選手 vs 戦国武将。

歴史がどんどん変わっていく。

こんな戦い、こんなSF映画観たことない。

原作との違いも比較しながら、仲間、友情、スポーツ、SF、戦国、アクションてんこ盛りの予測不能エンターテインメントをレビューしていきます。

目次

ブレイブ 群青戦記

あらすじ

スポーツ強豪校の高校生たちが、突如、戦国時代に迷い込む。彼らは現代の運動能力を活かして、戦国時代の武将たちとの戦いに挑む。

公開日

2021年3月12日

上映時間

115分

予告編

キャスト

  • 本広克行(監督)
  • 新田真剣佑
  • 山﨑紘菜
  • 鈴木伸之
  • 三浦春馬
  • 松山ケンイチ

公式サイト

ブレイブ 群青戦記

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

考察レビュー

©︎ブレイブ群青戦記

原作を大幅改編しているのに、主人公・西野蒼の成長と命懸けで戦う高校生という主軸がブレていないので、「 バトルロワイヤル 」級に人が死んでいく中、これまでの部活同様、仲間のため、己のために一生懸命に守り、生きようとする姿が生き生きと描かれている。

人数が多い中でもキャラ立ちがはっきりしていて、一言でその人物の人となりがわかるようになっているので、まだ若い彼らの死に様と残された者との絆に胸を熱くさせられる。

嫌いだった点

原作の見どころである各スポーツ部の全国記録保持者 vs 名だたる武将がただの一武士とのバトルに変わってしまっているので、高校生たちがどのくらい強いのかわかりにくいし、「 こことここ当てるか 」というワクワク感がなくなってしまっている。

見どころ

これはまさにどちらが勝つのか全く予想がつかないスポーツ選手 vs 戦国武士の世紀の対決でしょう。剣道部や弓道部ならまだしも、野球部やアメフト部が真剣を持った武士とどう戦うの?と思う方もいるかも知れませんが、

「 飛球 → 火級 」のギャグにクスリと笑ってしまったり、「 無理でもできるわけないと言われてもこれまでやってきたんだ!」というトップアスリートだからこそ出てくる言動とともに迷いなく、敵陣に突っ込んでいく戦いぶりが激アツ!

共に汗を流し数々の記録を塗り替えてきた仲間との深い絆に青春の尊さを思い出させられます(遠い目)

本作が原作から大きく改編されても面白さをキープできているのは、主人公・西野蒼の挫折と成長がブレずに丁寧に描かれているからだろう。

タイムスリップ前の蒼は、実力があってもその先へ進み見えない景色を得るよりも、歴史という変わることのない過去を好み、邁進し続ける同級生たちをうらやましくも冷めた目で見ていた。

だが、戦国時代で仲間が殺されるという危機に直面し、同級生たちが果敢に戦い始める中、蒼の体は全く動かなかった。

日々、鍛錬を積んでいる者といない者の差は歴然で、そこで初めて蒼は「 やらない 」のではなく「 できない 」自分と向き合い、挫折を経験する。

そして、いつも自分をリードしてくれていた考太がいなくなったことで、初めて自分の意志で動き、松平元康と出会い、大きく成長していく。

ラストの蒼の選択は「 歴史の改変 」を阻止するためであったが、何より、遥の生きる未来を守りたかったからなのではないか。

そんな蒼を新田真剣佑が情感豊かに表現し、兄のように蒼を見守る元康の姿もまた、現実の新田と三浦春馬の関係性にリンクし、とても眩く尊いシーンに仕上がっていた。

疑問点

遥たちが現代に帰った後、蒼たちが過去に残ったり、亡くなったりした事実は変わらないままだったが、あれだけ先生や生徒がたくさん亡くなって、そのまま普通の学校生活がおくれているのは不思議でならない。

遥たちが戻った後、どんな展開があり、日常に戻ったのだろうか?アメフト部主将のお母さんに「 唐揚げありがとう 」と伝えられたのだろうか?

原作の続編として「 真・群青戦記 」があり、現代に戻った不破が登場するため、今度の展開次第では「 群青戦記 」とリンクする可能性があるが、本作劇中で不破が死んでしまうため、映画としての続編の可能性は低いと思われる。

まとめ

本作はともすれば安易な10代虐殺ものになってしまいそうだが、「 踊る大捜査線 」シリーズの本広克行監督の脇役まで輝かせる手腕が見事に発揮されている。

大量に人が死んでいく中でも、「 一所懸命 」「 一生懸命 」な若者って素晴らしい!キラキラしてる!

と感じさせてくれる青春が本作にはあり、観客は光が射す方向へ懸命に走っていく彼らの姿に勇気を貰い、心が洗われることだろう。

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