ウェンズデー (シーズン1)

公開日
2022年11月23日
原題
Wednesday
キャスト
- ティム・バートン(監督)
- ジェナ・オルテガ
- グウェンドリン・クリスティー
- リキ・リンドホーム
予告編
公式サイト
第1話
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先ずは導入部たる第1話。
過去の名声を掲げた、名門の高校ナンシー・レーガン高校に通ってるアダムス姉弟。(このティム特有の揶揄が素敵すぎる)
ムムム…、僕はアダムス家の子供は通学でなく、家庭教師による隔離された英才教育のイメージだった。
だからこそ、一般校からスタートするのが面白い。
有象無象は一般人だからね、そりゃ馴染む訳もなく、とんでもない事件が起こるのは必然!
弟くんが弱っちいのも想定外だけど…。
ウェンズデーは反抗期ガチガチもあり、両親の敷くレールを拒絶していたけれど、結局は問題行動から両親と同じネヴァーモア高校(のけ者たちの高校)へ転入する。
早速、隣接する森では凄惨な事件が発生する不穏な気配。
街には一般人が通うピルグリム・ワールド。(制服からピューリタン系)
この学校同士の確執は、貴族的な富裕層かつ怪しげな特異な子供たちと、絶対君主制と対立した民衆運動(民主主義や資本主義等)の社会構図を表している。
つまり、ウェンズデーは、スクール・カーストの小社会 → 人間社会の相反する人類と異端の構図に触れていくことになる。
ウェンズデーが望むと望まずとも「 のけ者たち 」と呼ばれる者同士の関係性が、子供たちを成長させていく。
まだまだ予兆に過ぎないのは言うまでもない。
第2話
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主演 – ジェナ・オルテガのInstagramフォロワーがえらいことになっています。
最後のまとめに公式Instagramのリンクを記載しました。
シーズン2に備えておきましょう。
前回、学園の在る街 – ジェリコの保安官ドノバンの息子で、風見鶏カフェの店員のタイラーと移動遊園地のデートの際に、クラスメートのローワンの死を幻視し救出に向かう。
ローワンはウェンズデーを『 学園を破壊する 』と襲ってきた。
しかし突如、現れた森のモンスターがローワンを殺して去ってしまう。
ウェンズデーは学園と保安官に報告するも痕跡はなく、ローワンは学園に現れた。
ローワンはウェンズデーに対する暴力行為で退学になる。
ウェンズデーは自身の体験を疑い、更に保安官から先の事件の容疑者として裏がわれ、学園内でも孤立していく。
ウェンズデーの言葉からハンドの関係に溝ができてしまう。
そんな最中、学園では有名卒業生のエドガー・アラン・ポーをたたえる『 ポーカップ 』開催で沸き立っていた。
各寄宿ホール対抗≒種族対抗の様相の競技。
ルームメイトの人狼少女イーニッドは、キャプテンとして躍起になっていた。
ウェンズデーは自分だけで調査が難しくなり、イーニッド他、自分に友好的な生徒に協力を頼む。
結果としてイーニッドのチームとして競技に参加する。
ウェンズデーは、折り返し地点の霊廟でホール旗を手にした際に幻視に襲われる。
自分と瓜二つの白い少女は「 鍵はアナタ 」と伝える。
激戦の末『 ポーカップ 』で勝利したウェンズデーは、校長から生徒同士の交流が深まっていると言われるが、相変わらず否定する。
校長からウェンズデー達の寄宿ホールが最後に勝利した時のキャプテンが母のモーティシアであり、校長が副キャプテンだったと教えられ、忌嫌っている母と同じだと言われてしまう。
第3話
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またも襲われたウェンズデーの命運は!?
ウェンズデーを襲ったのはネヴァーモア学園の秘密組織『 ベラドンナ・クラブ 』の面々。
メンバーは学園の女王と仲間たち。
要するにウェンズデーをノケモノにしたいメンバーだ。
それでも、男子2名はそこまで目の敵にはしていない。
特に女王の元カレのセイヴィアは、ウェンズデーに恋心を抱いている様子。
ウェンズデーは『 ローワン事件 』について更に追求していく中で、ジェリコの街の創始者と称えられる400年前のピルグリムの指導者:ジョセフ・クラックストーンの存在を知ることになる。
良きか、悪しきタイミングか、ジェリコの街と学園との恒例の交流祭が催される。
街には学園から開祖ジョセフ・クラックストーン記念像の寄贈と生徒達の街へのボランティア活動が施される。
この状況を利用してウェンズデーは街に隠された秘密に迫っていく。
そして知ることになる。
幻視で出会った自分と瓜二つの白い少女の生い立ち。
ジョセフ・クラックストーンが400年前に行ってきた所業。
森の中のピルグリム集会所跡地に住み着いたホームレスを襲うモンスター。
保安官はモンスターの存在を知ることになる。
各自それぞれが抱え悩み隠し、思惑を持って生活をしている。
その思惑の行方の先は?
“一度の偶然はただの偶然。二度の偶然は手がかり。
三度目は真実。”By アガサ•クリスティー”
悲劇の始まりから、何世紀も根付く因縁。
真実に近づいた若者は解決を望む。
真実を知る大人は隠蔽の平和を望む。
白と黒が良いのか?グレーで良いのか?
第4話
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始まりは不自然な程のアクティブな装いのウェンズデー。
ここは警察署の霊安室。
ウェンズデーは襲われたホームレスの遺体を調査解剖しようと…しかし。
突然やって来た保安官と監察医との会話で、左足から指2本を切り取られていると知る。
学園はプロム(正装で集う夜のダンス・パーティー)『 レイブン・パーティー 』に向けて、女子も男子もパートナー探しでソワソワと興奮の空気に支配されている。
今回のテーマは“ 雪=白 ”
もちろん、我らがウェンズデーは我関せずで謎の解明を求めている。
モンスター疑惑のクラスメートでウェンズデーに好意をよせるセイヴィアを調査。
彼がアトリエにしている小屋に入るため、パーティーのパートナーを申し込むが…。
調査目的と知られ、断られ罵倒されるウェンズデー。
鉄面皮のウェンズデーの狼狽えは新鮮。
集めた検死資料を部屋に持込むのはルームメイトのイーニッドかNGとされ、養蜂小屋に移動させる。
養蜂担当ユージーンと協力して調査を始める。
ある洞窟に行き着き、モンスターの折れた爪、捕食された動物の残骸を見つける。
物証を保安官に提出するも確証はまだない。
そんな最中に風見鶏カフェのタイラーから、パーティーの同伴を求められ淡い想いに揺れるウェンズデー。
ウェンズデーとユージーンはレイブン・パーティーに乗じて、夜の洞窟調査を計画するが…。
エスコートに来たタイラー。
失念していたウェンズデーはパーティー出席を選び、調査を後日にするとユージーンに伝える。
ドレスはこっそりとハンドが準備をしていた。
盛上がるパティーはそれぞれの誤解や誤認、恋の揺らめきを刺激しつつ、ウェンズデーの個性的なダンスで一気に盛上がる。(作品全体でも最高の見どころ)
そして第1の事件が起きる。
更に第2の事件。
夜の洞窟に単独で向かったユージーン。
彼の運命やいかに?
第1の事件は往年のホラー好きなら即座に気付くだろう。
1976年ブライアン・デ・パルマ監督 / スティーブン・キング原作《 キャリー 》のプロムシーン。
流石に豚の血でなないとウェンズデーの言及もあるのだけれど。
被害と確執と愛が身悶える夜の憂鬱。
第5話
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ネヴァーモア学園ではレイヴン・パーティーに続いて、寄宿舎生活をしている生徒たちが、家族と過ごす週末「 保護者の日 」が開かれた。
学園長は父兄に対し、過日の事故(モンスターに襲われた)にあったユージーンは、無事に回復に向かっていると虚偽の報告をする。
彼は現在も昏睡状態でベッドの上だ。
そして、ジェリコの町には、30年前の事件に関係する因縁浅からぬ者たちが一気に集うことになった。
同時にウェンズデー、イーニッド、ビアンカたちの複雑な家族関係が浮彫りになっていく。
思春期時代の確執はどんな家族でも抱えている。
特に多感な時期の女子には顕著に態度に出る。
保安官はウェンズデーから渡されたモンスターの爪のDNA検査や、洞窟の調査等を進める中で、監察医が頭を吹き飛ばされ死亡との連絡が舞い込む。
監察医の元には、30年前の事件の死因について虚偽の診断書を作成していたとの遺書があった。
ウェンズデーの父(ゴメス)をギャレット・ゲイツの殺人犯と疑わない保安官は、この告発遺書からゴメスを再逮捕する。
逮捕直前に父に殺人容疑がかかっていたことを知り、今まで黙っていたことを詰め寄るウェンズデー。
止める母(モーティシア)との間で確執は深まる。
真実を追究するウェンズデーは、父との留置所面会で事件の経緯を聴かされるが半信半疑だった。
逮捕されたゴメスの無事を祈り、ベラドンナ・クラブの集会所で祈りを捧げる母(モーティシア)。
ウェンズデーは、母の元に出向き、事件についての父の証言と、性格的な甘さを見極めて母に真実を追求する。
母の証言から状況把握したウェンズデー。
モーティシアの共闘し真実に辿り着く。
真実の背景には、ジェリコの町の因縁の歴史に起因していた。
ことの真相を公にして、一般人とノケモノたちとの確執を拡大させない為の大義名分。
そして、保身と体裁による政治的配慮が動いていた。
無罪放免で釈放されたゴメスとガルビン保安官は和解。
アダムス・ファミリーの関係も和解と信頼が再構築された。
家族はしばしの別れを告げ日常生活に戻っていく。
それぞれの家族の在り方を示しつつ、一見すると平和なメデタシメデタシに思えるが。
謎は謎のままで本筋の「 モンスター 」の正体は、未だ解明されていない。
1つ見えてきたのは、モンスターに襲われたローワンやユージーン、モンスターに対する学園長の姿勢にウェンズデーが迫る。
物語は佳境へと突入していく。
第6話
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ウェンズデーは母からの助言もあり、幻視能力の危険性を回避するために先祖のグッディーを降霊しようとしていた。
その最中にクラックストーンの霊廟に来いとメッセージが届けられる。
しかし、この陰謀はウェンズデーを受容れててる友人たちからのサプライズ。
今日はウェンズデーのバースデー。
しかし、ウェンズデーは喜ぶどころか不機嫌そのもの。
ただ、ウェンズデーがその場で昂ぶったのは、霊廟内に刻印されたクラックストーンのメッセージ。
「 我、蘇りし時、焰の雨が降る 」
その後もウェンズデーに対するバースデーのお祝いは後を絶たず、ウェンズデーを苛つかせていく。
先の霊廟でメッセージ発見時の幻視を元に、謎を追求していく。
その先はギャレット・ゲイツ殺害事件後に一族が途絶え、廃墟になっているゲイツ邸に秘密があると考えた。
ウェンズデーはゲイツ邸に出向く。
突然、邸内から町長が出てきた。
町長は保安官に「 黒幕が解った。会って話そう 」と連絡を。
ウェンズデーは町長の後を付け。
町長が保安官に会う直前に事故に見舞われる。
ウェンズデーはイーニッドとタイラーに都合の良い理由を設けて誘いだし、ゲイツ邸の調査に出向く。
そこにはクラックストーン降霊儀式の痕跡。
死んだはずの末娘ローレル・ゲイツの生活痕跡。
そして、タイラーの悲鳴と共に現れたモンスター。
ウェンズデーとイーニッドは、迫りくるモンスターから逃げまどう。
逃げる途中で、ゲイツ邸の地下に落ちてしまう。
地下室に気ままでの謎の痕跡の数々を発見するウェンズデー。
救出された翌日に保安官達と地下室に出向くと、痕跡は跡形ともなく消滅していた。
学園長は、起きた事件の渦中にいるウェンズデーを糾弾する。
しかし、ウェンズデーは自らが学園と生徒を救うと訴える。
いつしか、ウェンズデーは親しき者を仲間と意識している。
しかし、本来の主義のまま猛進する。
素直に喜びを表現できない姿の本心は狼狽えている。
その、配慮欠落の言動は孤独から孤立へと疎外される代償となった。
第7話
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町長の葬儀が執り行われている墓地に謎の影が…。
ウェンズデーが気付き、追いかける。
現れたのは父ゴメスの弟フェスターだった。
ウェンズデーの倫理観欠如の感性は、フェスターに起因している。
それでも、そんな2人を深く愛し、家族とするアダムス家の凄味も感じとれる。
ウェンズデーはフェスターの協力を得ながら、モンスター特定の調査を深めていき、モンスターはハイドという「 のけ者 」だと特定する。
その根拠は、秘密の金庫にあったネヴァーモア学園の創設者ナサニエル・フォークナーの日記の記録からだった。
ウェンズデーはフォークナーの日記を入手し、ハイドの存在確証を得る。
ハイドは自身を解放した者に服従する。
解放はトラウマを与え、催眠や薬剤で解放させられる。
ただ、現在のウェンズデーはルームメイㇳのイーニッドとの別居や、親しくもなりつつあった学園の皆との乖離も深まり、孤立を強めていく。
ウェンズデーとイーニッドの不仲を心配し助言をする寮母マリリン。
何があっても優しく声をかけてくるタイラー。
タイラーは仕切り直しのデートを申し出る。
2人は夜のクラックストーンの霊廟でインドアピクニックな時間を過ごす。
近づく心は2人の顔と顔を近づけてく。
そこに現れる保安官たち。
2人の衝動は未遂で終わる。
帰宅した部屋は何者かに荒らされ、日記は盗まれる。
ハンドがナイフで刺され瀕死になるも、フェスターによって一命をとりとめる。
校長は日記の存在を知っていた。
今までの隠蔽的な言動は学園を守る為だと言う。
ウェンズデーは、ハイドがゼイヴィアだと認定し調査している中で、精神カウンセラーのキンボットとの密会を目撃。
ビアンカと町長の息子ルーカスから、ゲイツ家崩壊後の屋敷所有者は介護士を名乗る者だと知らされるウェンズデー。
ある人物が生存している可能性が浮上する。
ウェンズデーは、キンボットが解放者であり、ハイドを操っていると迫る。
だが、キンボットはハイドに襲われ殺される。
ウェンズデーはゼイヴィアに真相を迫り、保安官も突入してくる。
アトリエ小屋から、ハイドが襲った者たちの身体の一部が発見されゼイヴィアは逮捕される。
これで、晴れて町には平和が訪れる。
部屋に戻ってくるイーニッド。
タイラーの元に駆けつけるウェンズデー。
若さゆえの孤独、傲慢で未熟な暴走の先にあるものとは。
第8話
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ハイドの本当の正体を知ってしまったウェンズデー。
その夜、驚愕から逃げてしまったウェンズデーはタイラーを呼び出す。
集めた資料から、母モーティシアと同期だったタイラーの母はハイドと判明。
診療録も父である保安官が保管し、認識していることも明らかになった。
タイラー拘束を手伝ったベラドンナ・クラブのメンバー。
しかし、タイラーのハイド変身を誘発する為の拷問は認められず解散。
彼等は校長に直訴する。
校長は直ぐ保安官に通報しウェンズデーは確保され、タイラーは保護される。
タイラーが被害届を出さなかったことで、ウェンズデーは逮捕されなかった。
保安官に対し「 事実を認識しているはず 」と詰め寄るウェンズデーだが、静止する校長。
署から帰るウェンズデーに話しかけるタイラーは本性を見せつけてくる。
ハイドの行為は自覚しての凶行だったと。
その表情は狂気に満ちている。
校長はウェンズデーに退学を勧告し、翌日に退校を命じる。
校長に真相の全てを話す。
しかし、ウェンズデーの相談もなく暴走し、学園存続の危機を招いたと一蹴されて為すすべなし。
ウェンズデーは、密かに拘留されているゼイヴィアの元に訪れ、自身の誤解を認め協力を申し出るが、全否定され罵倒されてしまう。
退校の荷物を纏めるウェンズデー。
イーニッドは寂しさを隠せない。
当初とは違い、表現は異なるが、お互いの思いは通じてると瞳を潤ませる。
その時、ユージーンの意識が戻ったと連絡が入る。
校長の付き添いで駅に向かう途中ユージーンの元へ立寄る。
ユージーンはハイドに襲われた時に、爪を見つけた洞窟を放火した人物が「 赤いブーツ 」を履いていたと語った。
本当の解放者が判明した。
ウェンズデーは確証を得たと、真犯人の元にタイラーと共に現れる。
しかし、ハイドは解放者に逆らえない。
そして、また1人が殺されてしまう。
ウェンズデーも拉致される。
解放者の真なる目的は先祖ジョセフ・クラックストーンの復活。
その為にはグッディー・ダムスの子孫の「 血 」が必要だった。
ハイドに襲われた者の身体の一部は、復活の儀式に必要な供物だった。
目覚めてウェンズデーを仲間と思うユージーン。
恋愛モード全開のイーニッドには、運命のブラッド・ムーンが待っている。
搬送されるゼイヴィアの行方は。
蘇ったジョセフ・クラックストーンは、ネヴァーモア学園を強襲する。
ことの始まりの予言「 絵の惨劇 」は起こるのか?
ウェンズデーは止められるのか?
学年末を迎え、ネヴァーモア学園はしばしの休息に入る。
彼女のタイプライターは「 THE END?」と打たれ止まった。
しばしの休息と別れは、短期間に起こった衝撃の出来事に対した、自身の未熟さや意固地な自尊心が弱さだったことを反芻すのだろう。
しかしそれは苦しみや苦さではなく、目元が下がり、口許が上がる甘く温かい気持ちなのかもしれない。
「 未解決の謎は、いい苦痛ね 」