実写化決定が発表されたときは賛否両論だったが、公開後高評価を得続けている実写版「 幽遊白書 」
主役勢の活躍もさることながら、個人的には敵キャラクターたちの活躍も必見でした。
今回は、全5話を見た感想のまとめと、注目すべき敵キャラクターたちをご紹介します。
幽遊白書
あらすじ
子供を助け命を落とした不良少年の浦飯幽助は、”霊界探偵”という役目を与えられ、人間界で妖怪が関わる事件の解決に挑むことになる。
公開日
2023年12月14日
予告編
キャスト
- 月川翔(監督)
- 浦飯幽助:北村匠海
- 蔵馬:志尊淳
- 飛影:本郷奏多
- 桑原和真:上杉柊平
- 雪村螢子:白石聖
- ぼたん:古川琴音
- 雪菜:見上愛
- 鴉:清水尋也
- コエンマ:町田啓太
- 幻海:梶芽衣子
- 左京:稲垣吾郎
- 戸愚呂兄:滝藤賢一
- 戸愚呂弟:綾野剛
- 武威:荒井敦史
- 温子:伊藤歩
- 桐野:佐久本宝
- 剛鬼:勝矢
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
実写版 – 幽遊白書全話考察レビュー
実写版「 幽遊白書 」を観て、これまでにご紹介した1話ごとのレビューまとめです。
第1話のレビューを見る
< 最新のVFX技術 >
第1話を見て一気に引き込まれたのは、主人公の浦飯幽助がトラックに轢かれて死亡するシーン。
子供を助けてトラックに轢かれるシーンは「 どうやって撮影されたんだ? 」と目を疑うような映像に仕上がっています。
本作は、最新のVFX技術を駆使し撮影されたようです。
その他にも、魔界虫に寄生された生徒の顔面の変化や、アクションシーンが迫力満点で、何度も思わず声を上げながら鑑賞しました。
冒頭の「 雑魚キャラ 」のように見える相手とのアクションシーンに、ここまで魅了されるとは思いませんでした。
第1話から「 幽遊白書実写化 」に対するNetfrixの本気度を感じさせられるクオリティです。
< 浦飯幽助 / 北村匠海 >
北村匠海演じる浦飯幽助が素晴らしい。
アニメ作品の実写化は賛否両論あるものですが、原作のキャラに似ている似ていないが気にならない程、北村匠海の役に対する本気度を感じます。
激しいアクションシーンでの身のこなし、揺るぎない目力。
北村匠海は本作を通して、アニメキャラの実写化がハマる唯一無二の俳優へと成長したように感じました。
< 桑原和真 / 上杉柊平 >
上杉柊平が演じる桑原和真もいい味を出しています。
原作と比べるとイケメン過ぎると思う部分もありますが、仲間想いで一生懸命な姿勢が、シリアスな物語の中で笑いというスパイスを効かせてくれています。
ただの人間なのに、浦飯幽助に負けたくないという思いで食らいついてくる。
桑原の今後の成長が楽しみです。
第1話から期待をはるかに上回るクオリティで、一気に引き込まれた作品でした。
第2話のレビューを見る
< 剛鬼とのアクションシーン >
第2話で注目なのは、子供の魂を食べる妖怪剛鬼とのアクションシーン。
主人公、浦飯幽助に比べて、剛鬼は身体の人並みじゃありません。
そんな体格さがある2人のアクションシーンは、本当に体の大きい剛鬼が実在し、浦飯幽助と戦っているように見えます。
しかし、実際のところ剛鬼は完全にCG。
実際に浦飯幽助演じる北村匠海と戦っているのは、グレーの衣装を着たスタントマンです。
スタントマンの動きに剛鬼のCGを当てて、2人が戦っている姿を見事に再現しています。
< 蔵馬と母親と幽助 >
第2話には、志賀淳演じる妖怪、蔵馬のエピソードが含まれています。
蔵馬には、人間界で生きていくために、魂の転生先として人間の子供の体を選びました。
子供の精神が蔵馬だと知らずに、育ててくれた病気がちの母親がいます。
そんな母親を救うために暗黒鏡を使う蔵馬の優しさも見ものですが、そんな蔵馬に協力する浦飯幽助の男気もカッコいい。
さらに第2話では、本郷奏多演じる飛影が登場。
華奢で小柄ながら、ド派手なアクションシーンを見事に演じています。
スピード感のあるアクションで、車を真っ二つにぶった切るシーンは必見。
今後の飛影のアクションシーンにも注目です。
第3話のレビューを見る
< 幻海登場 >
第3話では、幻海師範による浦飯幽助と桑原の修行が始まります。
幻海を演じるのは、ベテラン女優の梶芽衣子さん。
76歳にして、アクションありきの幻海を演じたことは素晴らしい。
実写化することで、アニメのキャラに近づけすぎると、コスプレのようになりがちですが、梶芽衣子さんの演じる幻海は、実在する人物のように自然でありながら、アニメファンから「 似ている 」と高評価を得ています。
幽助と桑原を育てる幻海の、厳しくも温かさを感じる修行シーンは必見。
< 桑原、霊剣取得 >
幻海との修行シーンでの見どころは、桑原の成長です。
霊力が無い人間だったにも関わらず、木刀で岩を切るという修行に何度もチャレンジした結果、霊剣を使えるようになります。
サボりがちな浦飯幽助と対照的で、仲間のためにも強くなりたいと思う一心で、修行に打ち込む姿は印象的で、思わず応援したくなりました。
アニメ版の桑原とは違い、ルックスも良く努力家な上杉柊平さん演じる桑原は意外と良く、今後の活躍が期待されること間違いないでしょう。
<戸愚呂兄弟(兄)登場>
第3話では、戸愚呂兄弟の兄が活躍します。
身長120センチの戸愚呂兄弟の兄をどうやって再現しているのか。
戸愚呂兄弟の兄を演じる滝藤賢一さんは、目の前に他の俳優さんがいる想定で、撮影のほとんどを1人で海外のVFXスタジオで行ったそうです。
つまり、戸愚呂兄弟の兄の姿は、表情意外はすべてCG。
最新のVFX技術によって作られたCGの変幻自在の肉体と、何とも言えぬ気持ち悪さを表現した、滝藤賢一さんの演技力は見ものです。
第4話のレビューを見る
< 蔵馬と鴉 >
バトルシーンがメインの第4話。
まず注目すべきは、蔵馬と鴉の戦いです。
鴉を演じるのは、映画「 東京リベンジャーズ 」でも注目を集め大活躍中の若手俳優、清水尋也。
ロン毛に黒マスクという目を引くビジュアルで、第3話に少しだけ登場した時から、異様な存在感を放っていました。
蔵馬を演じた志尊淳の、リングハーネスを使い「 バク宙三回ひねり 」を披露したアクションは、日本で初となる試みだったそうです。
バトル系アクションゲームの世界が実写化されたような、見ごたえたっぷりの蔵馬と鴉の戦いは、何度でも見たくなるクオリティで必見です。
< 飛影と武威 >
続いて、飛影と武威の戦いも注目です。
大きな斧を使う武威のバトルシーンは、思わず声を上げてしまうほどの大迫力。
体格の差から不利なことが分かる飛影と武威の戦いですが、飛影は最終手段として隠していた右手から、邪王炎殺黒龍波を披露します。
CGで再現された龍をまとう飛影は、アニメから出てきたようなビジュアルで、このシーンを再現できる本郷奏多の唯一無二の存在感が素晴らしい。
<桑原 vs モンスター&戸愚呂兄>
カッコよすぎた蔵馬と飛影のバトルシーンに比べて、いい味を出しているのが桑原の戦いです。
巨大モンスターを前にして、弱いながら螢子と雪菜を守り、男を見せる桑原。
さらに変幻自在の戸愚呂兄を前にして、絶体絶命の状況でも戦い続ける桑原の一生懸命さが人間らしく、本作に良い存在感を出しています。
VFX技術によって変幻自在に変化する戸愚呂兄を演じる、滝藤賢一の表情だけで醸し出す不気味な演技も見ものでした。
第5話のレビューを見る
< 戸愚呂弟との闘い >
第5話の見どころは、なんといっても戸愚呂弟との闘い。
筋肉が肥大し、体が大きくなることが可能な戸愚呂弟は、最新のVFX技術で再現され、顔意外はCGでできています。
メイキング動画で戸愚呂弟を演じた綾野剛は、今回顔だけの演技を求められていたことに対して、「 表情だけに集中できるなんて、それは贅沢なことだ 」とコメントされていたそうです。
< 戸愚呂弟の背景 >
最強の宿敵、戸愚呂弟にも人間だった頃があり、第5話では過去のエピソードが描かれています。
人間だった頃の戸愚呂弟は心優しく、仲間にも恵まれていました。
しかし、とある悲しい過去の出来事をきっかけに、強さだけを追い求め、妖怪に魂を売ってしまいます。
強さを求める背景を知ってしまうと、宿敵だったはずの戸愚呂弟に感情移入してしまうようになりました。
戸愚呂弟を演じる綾野剛さんがサングラスを外した後から分かる、悲しみを抱えた優しい目の演技が印象的でした。
< 浦飯幽助たちのその後 >
戸愚呂弟との死闘を終えた浦飯幽助たちは、これから仲間として活動を共にします。
あの世で再会する幻海と、優しい心を持った戸愚呂弟。
雪菜に生き別れの兄であることを伝えない、飛影。
雪菜に恋心を抱く、桑原。
実の妹である雪菜に喋りかける桑原が目障りな、飛影。
シーズン2に繋がる、それぞれのキャラクターとの関係性が面白いです。
注目すべき敵キャラクター
実写版「 幽遊白書 」全話を見て、各エピソードに登場する敵キャラクターの印象が強く、魅力的だったと感じました。
今回の敵キャラクターと演じた俳優を、1人1人ご紹介しようと思います。
桐野:佐久本宝
第一話で魔回虫に取りつかれてしまう学生、桐野を演じたのは、映画「 怒り 」でアカデミー賞新人賞を取り、NHK朝の連続テレビ小説 「 エール 」にて、主人公の弟役を演じていた佐久本宝さんです。
第一話で登場した桐野と浦飯幽助のバトルシーンを見て、「 幽遊白書、面白い! 」と思った人が多いのではないでしょうか。
注目のバトルシーンはこちらです。
顔面の特殊メイクのグロさや、CGで加工された虫のような手にも目を引かれますが、ゾンビのような人間離れした動きを表現しつつ披露した、キレッキレのアクションが凄すぎる。
見た目が弱弱しいのに、アクションのキレが凄いので、「 いじめられっ子なのに寄生虫によって強くなる 」という、視聴者の度肝を抜くギャップを見事に表現しています。
本作品で脇役ながら注目を浴びている、佐久本宝の今後の活躍が楽しみです。
主要キャラ&キャスト(詳細)
ここからは原作ファンの管理人コメント。
全体的に素晴らしいキャスティングだったと思う。
浦飯幽助:北村匠海
うん、似ている。
主人公らしくて良い。
蔵馬:志尊淳
これも似ているな。
妖狐蔵馬は耳つけただけのコスプレに感じた。
飛影:本郷奏多
これも似ている。
桑原和真:上杉柊平
原作よりだいぶイケメンだな。
雪村螢子:白石聖
雰囲気は似ている。
一瞬、浜辺美波かと思ったわ。
ぼたん:古川琴音
原作の方が可愛い。
実写版では喋りに少し訛り(なまり)が入っていた気がする。
気のせいかもしれない。
雪菜:見上愛
原作でもあんまり印象ないけれど、雰囲気は似ている。
コエンマ:町田啓太
これも似ている。
幻海:梶芽衣子
おばちゃん幻海も似ている。
若き頃の幻海は、原作では美人だけれど、実写では登場せず。
回想で出てきてもよかった気はする。
左京:稲垣吾郎
これも似ている。
剛鬼:勝矢
魂を食べる妖怪、剛鬼を演じたのは、映画「 テルマエ・ロマエ 」「 ゴールデン・カムイ 」などに出演されている勝矢です。
浦飯幽助とのバトルシーンでは、CGで作成された剛鬼を、スタントマンの動きに合わせて動かしています。
しかし、剛鬼のビジュアルは勝矢の面影を残して作られたそうです。
実際に観られた人は分かると思いますが、剛鬼はCG加工で作られているとは分からないレベルの、見事な映像技術ですよね。
「 幽遊白書 」「 ゴールデンカムイ 」と、近年の話題作に連続出演されている勝矢の、今後の活躍にも注目していきたいと思います。
鴉:清水尋也
支配者級(クエストクラス)の妖怪、鴉を演じたのは、映画「 震動 」でデビューし、「 ちはやふる 」「 東京リベンジャーズ 」など、話題作に出演し続けている俳優の清水尋也です。
24歳という若さで、俳優キャリアは10年を超えているそうです。
「 東京リベンジャーズ1 」では、一瞬の登場だったにも関わらず、「 あの俳優は誰? 」と注目を浴びていた印象がありますが、今回「 幽遊白書 」でも、一瞬登場したビジュアルだけで「 再現度がすごい 」と注目を浴びていました。
一瞬で目を引く周囲を逸する魅力を持ちながら、バトルシーンで魅せるアクションの実力も一級品です。
今後はどんなアニメのキャラクターを実写版で演じられるのか、楽しみで仕方がありません。
武威:荒井敦史
巨大な斧で攻撃する寡黙な妖怪、武威を演じたのは、元D-BOYSメンバーの荒井敦史です。
CGを駆使しての映像だと思いますが、武威が振り下ろす斧の迫力が凄まじい。
こちらに何か飛んでくるんじゃないかと危険を感じる迫力で、作品を観ながら終始声を上げて鑑賞していました。
基本的に鎧姿だったので、兜を外し荒井敦史の顔が見えたのが一瞬だけだったのが残念でしたが、迫力満点のバトルシーンは必見です。
戸愚呂兄:滝藤賢一
戸愚呂兄弟、弟の肩に乗る小柄な戸愚呂兄を演じたのは、滝藤賢一です。
「 無名塾 」に所属し、舞台中心で活躍していたところから、映画「 クライマーズ・ハイ 」に出演し知名度を上げ、ドラマ「 あまちゃん 」「 半分、青い。 」「 龍馬伝 」などにも出演されています。
ハリウッドの最先端のVFX技術で作られた変幻自在の体に対し、表情だけで戸愚呂兄の奇妙さを見事に演じ切っていました。
今回「 幽遊白書 」に出演し、一番注目を浴びた俳優と言っても過言ではないと思います。
滝藤賢一演じる戸愚呂兄の、何度でも見たくなる癖がある演技は必見です。
戸愚呂弟:綾野剛
戸愚呂兄弟、筋肉を肥大させ体を大きくできる戸愚呂兄を演じたのは、綾野剛です。
最近では映画「 ヤクザと家族 The Family 」、ドラマ「 アバランチ 」「 オールドルーキー 」など、数々の作品の出演し、誰もが知っている日本を代表する俳優ですね。
しかし、まさか戸愚呂弟を綾野剛が演じるとは、誰も想像できなかったことでしょう。
いざ公開された作品を観ると、最新VFX技術によって作られた体に対し、表情だけで見事に演じられています。
ドラマ「 コウノトリ 」で優しい先生を演じられた時から考えると、同じ俳優が演じたとは思えないくらいギャップが凄いです。
メイキング映像を見ると分かりますが、浦飯幽助のパンチを受けるアクションシーンは、ハリウッドのVFXスタジオで一人で演じられています。
極力体を動かさずに表情だけで演技をしているときは、どのような心境だったのでしょうか。
「 いつもは指先まで意識をしてお芝居をしていますけど、顔だけに集中できるなんて、それは贅沢なことだと思えた 」とコメントされている様子を見ると、俳優としてのプロ意識の高さを感じます。
サングラス越しでも分かる強さと、サングラスを外した後に分かる優しさを、目とだけで表現している綾野剛の演技力は必見です。
今回の「 幽遊白書 」シーズン1の裏の主役は、間違いなく戸愚呂弟でしょう。
まとめ
5年という歳月を掛けて撮影し、大好評で幕を閉じた実写版「 幽遊白書 」シーズン1。
日本初の作品も、VFX技術によってここまで再現可能ということを証明した歴史に残るであろう作品でした。
まだシーズン2の情報は公開されていませんが、続きが楽しみで仕方ないです。
まだ見てないという方は、ぜひご覧になってみてください。
文・ライター:三浦誠大