DUNE / デューン 砂の惑星(2021)

原題(英題)
Dune
公開日
2021年10月15日
上映時間
155分
キャスト
- ドゥニ・ビルヌーブ(監督)
- ティモシー・シャラメ
- レベッカ・ファーガソン
- オスカー・アイザック
- ジョシュ・ブローリン
- ステラン・スカルスガルド
- デイブ・バウティスタ
- シャロン・ダンカン=ブルースター
- スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン
- ゼンデイヤ
- チャン・チェン
- シャーロット・ランプリング
- ジェイソン・モモア
- ハビエル・バルデム
- デビッド・ダストマルチャン
- バブス・オルサンモクン
- ゴルダ・ロシューベル
- ロジャー・ユアン
コメント
主人公が救世主として覚醒していく様を、物語の世界観にどっぷりと浸りながら表現していくティモシー。
その圧倒的な“ 入り込み方 ”が、ティモシーを認識する私たちでさえ映画の世界に引きずり込んでくれるほど凄まじい。
演者としてではなく、物語の登場人物としてこれほどまでに溶け込めるのは、やはり彼の圧倒的な表現力の高さ故か。
表情の作り方だけでなく姿勢や語調、劇中で起きる物事に反応する感情の表し方、その全てが物語の中にある。
これまでの繊細な青年の役柄と似たところはあるが、難しい世界観に溶け込みながらも個性を放てる点では、一つ、演者としての力量を見せつけられたのではないだろうか。
ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023)

原題(英題)
Wonka
公開日
2023年12月8日
上映時間
116分
キャスト
- ポール・キング(監督)
- ティモシー・シャラメ
- ヒュー・グラント
- キャラー・レイン
- キーガン=マイケル・キー
- パターソン・ジョセフ
- マット・ルーカス
- マシュー・ベイントン
- サリー・ホーキンス
- ローワン・アトキンソン
- ジム・カーター
- オリビア・コールマン
- ナターシャ・ロスウェル
- リッチ・フルチャー
- ラキー・ザクラル
- トム・デイビス
- コブナ・ホルドブルック=スミス
- サイモン・ファーナビー
コメント
本作は、ジョニー・デップが主演した「 チャーリーとチョコレート工場 」(2005)に出てくるウィリー・ウィンカの前日譚である。
本作でティモシーは、チョコレートに取り憑かれた工場長・ウォンカの若かりし頃を演じた。
ただ、ここで一つ懸念した映画ファンも多いはず。
コミカルで茶目っ気たっぷりのウォンカと、繊細で美しいティモシーは合わないのでは?と。
実際、筆者も少し心配した。
だが、その心配は一瞬にして吹き飛ぶ。
映画館で本作を観賞したとき、私はティモシーを“ ウィリー・ウォンカ “として認識し、繊細さを残しつつも楽しげに踊って歌うチョコレート好きの青年を見たのだ。
コミカルな役柄をも見事に“ ものにした ”ティモシーは、本作でさらに役の幅を広げたに違いない。
DUNE / デューン 砂の惑星 PART2(2024)

原題(英題)
Dune: Part Two
公開日
上映時間
166分
キャスト
- ドゥニ・ビルヌーブ(監督)
- ティモシー・シャラメ
- ゼンデイヤ
- レベッカ・ファーガソン
- ジョシュ・ブローリン
- オースティン・バトラー
- フローレンス・ピュー
- デイブ・バウティスタ
- クリストファー・ウォーケン
- レア・セドゥ
- スエイラ・ヤクーブ
- ステラン・スカルスガルド
- シャーロット・ランプリング
- ハビエル・バルデム
- アニヤ・テイラー=ジョイ
コメント
引力!引力!引力!とにかく観客を惹きつけて止まないティモシーの名演が光る本作で、彼は演者として大きな“ 何か ”を掴み取った印象がある。
Netflix映画「 キング 」(2019)の際に垣間見えた狂気と力強さが本作で解き放たれ、観客を深淵なる映画の世界に引きずり込む。
繊細な演技と美しい容姿から“ 狂気 ”を演出するのは至難の業だと感じていた人も多いだろう。
実際に筆者もその節はあったが、本作でその思い込みを一瞬で拭い去ってくれた。
特に作中で主人公が演説をするシーンでは、ティモシーの繊細で美しい好青年のイメージは1ミリも感じられず、驚異的な迫力に怖気まで立った。
本作でまた違ったギアの入れ方を魅せてくれるティモシー。
デューンの難しい世界観を手中に収め、主人公の光と影を完璧に投影させた彼は、本作で劇的な躍進を見せたに違いない。
ぜひとも大画面で高品質な音響とともに観賞してほしい作品だ。
まとめ
「 名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN 」(2024)の公開を控え、世界だけでなく日本での人気もさらに高まることが予想されるティモシー。
ボブ・ディランの半生を描く本作は、1960年代を生きた人々にとっても非常に大きな意味を持つ作品となるだろう。
老若男女全ての観客が彼の演技に引き込まれ、やがては熱狂する。
それほどの魅力を秘めた俳優こそが、ティモシー・シャラメという男なのかもしれない。
今後の活躍も、ぜひ期待して待っていよう。

文・ライター:みくと