
―― 今回2冊目を出版なさいました。忙しい中、ご執筆はどのようにされましたか?
谷口さん: 毎日Instagramに投稿していたものを編集したので、新しく書いたものは全体の20%もありません。5%未満かもしれないです。
―― 前作「 シン・スタンダード 」との違いを一言で言うと?
谷口さん: 「 シン・スタンダード 」は”事実” 、「 自分に嫌われない生き方 」は”価値観 “です。
―― 今回、その価値観を書こうと思ったきっかけは何ですか?
谷口さん: 元々、事実と価値観を区別することに気を付けていて、1冊目は”事実”を書いたので、2冊目は”価値観”と決めていました。
―― 3冊目は考えていらっしゃいますか?
谷口さん: まだ考えがフワフワしていますが、育てられ方についての本にしたいと思っています。講演会やInstagramのダイレクトメッセージを通じて「 (僕が)親にどう育てられたか 」という質問が多いので、母が生きているうちに書こうと思いますね。
――「 自分に嫌われる生き方 」の典型例はどんな生き方だと思いますか?
谷口さん:「 人に嫌われない生き方があるという幻想 」を捨てることだと思います。
何をやっても一定数の人は自分を嫌います。
―― どのような読者にこの本を読んでほしいですか?
谷口さん: 思春期の子とお母さん、お父さんでしょうか。特に思春期の子が読むと面白いと思います。人間関係の悩みは中学生世代が多いと思うので。
―― 執筆後に読者からどのような反響がありましたか?
谷口さん: 生きるのが楽になったという声が多いですね。それが一番嬉しいです。
―― 何歳ぐらいの方が一番読まれていると思いますか?
谷口さん: お母さん世代ですね。本の内容というより、私のフォローをしてくれている人がお母さん世代が多いからです。
インタビューを終えて
いつもご多忙の谷口さん、移動の合間を縫ってのインタビューでした。
質問に対し、明確に簡潔に話す谷口さんは、迷いがないように感じられました。
分からないことは分からないとハッキリ言い、自分が体験したことだけを話し、その後のことは相手が決めればいい。
そのようなスタンスが、先行き不透明で、我が子の将来を心配する保護者世代の支持を受けているのだと思います。
ネットで検索すればすぐに解決方法が見つかる中、谷口さんの切れ味の良い話し方とブレのない考えは、自己決定力を促しているようにも思いました。
谷口さんも仰っていた通り、思春期の子どもたちに必要なのはこの「 自己決定力 」なのかもしれません。
「 自分に嫌われない生き方 」ハウツー本でも啓発本でもない、家族で回し読みしたい本

文・ライター:栗秋美穂