どこにでもいる冴えないパパが、実は最強殺人マシンだった!?
「 ハードコア 」のイリヤ・ナイシュラー監督が放つ新たな名作。
鑑賞後にスカッ!とするバイオレンスおじさんアクションの魅力について語っていきます。
Mr.ノーバディ
あらすじ
郊外にある家と職場をバスで往復するだけの平凡な日々を送る男。人との衝突や暴力を避ける彼は、家に押し入った強盗を見逃したことで家族に呆れられてしまう。理不尽な目に遭い続けることに怒りを募らせていく彼は、ある日、バスで出くわしたチンピラたちのせいでとうとう堪忍袋の緒が切れ、彼らを打ちのめしてしまう。
公開日
2021年6月11日
原題
Nobody
上映時間
92分
キャスト
- イリヤ・ナイシュラー(監督)
- ボブ・オデンカーク
- コニー・ニールセン
- RZA
- アレクセイ・セレブリャコフ
- クリストファー・ロイド
予告編
考察・感想レビュー
「 ナメてた相手が実は殺人マシンでした 」という映画ジャンルが存在します。
これは映画ライターのギンティ小林さんが命名されたもので、最近で言えば「 イコライザー 」「 ジョン・ウィック 」が代表作として挙げられます。
ハイテンションかつテンポが良い。
家族から距離を置かれたパパ主人公ハッチの「 平凡な数週間 」 を、たった1分少々で見せてしまい、
そこからハッチの覚醒・敵ユリアンの紹介・マフィア襲撃シーンと無駄なく進み、ラストの爽快アクションへと雪崩れ込みます。
このテンポの良さに加えて、様々な楽曲がまるで登場人物の脳内BGMのようにかかり、テンションを上げていきます。
本作最大の魅力は、主人公が狂っていること!
この手の作品は「 暴力が生む悲劇 」といった重苦しいテーマに結びつくことが多いですが、本作のハッチは暴力を振るうことを寧ろ楽しむタイプ。
しかも強すぎて敵う相手がいない。
前半の一般人生活では退屈そうにしているのに、後半で敵を蹂躙している彼は嬉しそうに見えるのです。
面白いのは、そのハッチが刺されたり撃たれたりして「 痛み 」を抱える描写が多いのに、傷つけば傷つくほど彼は生き生きとしてきて、「 真の自分 」を取り戻していく。
まさに狂人。
敵の殺し方がホラー映画級の殺人鬼。
敵が可哀想に思えます。
グロい描写もそこそこ多く、ここは人によっては不快になるかもしれません。
ただ、ハッチ演じるボブ・オデンカークさんの演技力もあり、不謹慎にも笑ってしまう場面が多いコメディ作品として仕上げられている。
まとめ
ハッチの活躍以外にも注目ポイントがありました。
なんと「 バック・トゥー・ザ・フューチャー 」のクリストファー・ロイド(ドク役)が、ハッチパパとして出演。
単なるゲスト出演かと思いきや、後半からアクションに参加して、楽しそうに敵を殺していく姿はどこか微笑ましくなりました。
自粛などでストレスが溜まっている人は、スカッ!としてみては?