文・ライター:UK
極限の地で、蜂蜜を採る選ばれしハンターの日常を追った作品。
最後の蜂蜜ハンター
あらすじ
ネパールの奥地ホング渓谷で、世界最大の蜂がつくる蜂蜜は、薬用として重宝され高値で取引されている。山の斜面に棚田を作り農業で生計を立てるクルン族にとって、蜂蜜は貴重な収入源。採集を許されるのは、特別な夢を見た者だけとされる。その夢を見た男、マウリの「蜂蜜ハンター」としての人生を追った。素足にサンダル履きで、激流の川を渡り、ヒルがうごめく断崖絶壁を登る。崖の上から下ろした縄ばしご伝いに蜂の巣に近づき、力ずくで巣をはぎ取る。無数の蜂が襲い掛かり、体中を刺してくる。はしごから手を離せば命はない。精霊の加護を信じて蜂蜜採集を続けるマウリと助手たち。自然と共存する人間の、極限の姿がここにある。
(公式サイトより引用)
原題
The Last Honey Hunter
上映時間
36分
予告編
なし
キャスト(制作スタッフ)
- 監督・編集:ベン・ナイト
- 製作:ベン・アイヤース
- 撮影:ベン・ナイト、レナン・オズターク
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー
本作の見どころは何といっても、命を懸けて極地で蜂蜜を採る選ばれし蜂蜜ハンターの日常を垣間見ることができるところ。
ネパールの奥地の渓谷が舞台ですが、険しい山々に囲まれた中で大自然と共生し、逞しく生きる住民のリアルを覗くことができました。
しかし一部では、蜂蜜を採るために大量のヒマラヤオオミツバチにほぼ無防備に近い姿で手や足など体の至る所を刺されたり、
あるときは道中で多数のヒルに血を吸われる生々しいショッキングな描写もありました。
そうした中でも懸命に養蜂を続ける主人公ですが、そんな本人も本当は自分もやりたくなかった、と本音を覗かせる場面もありました。
しかも何人も妻を亡くしており、普通ならそれで心が折れますが、喪失感を抱えながらも神に選ばれた
神聖なる正式な蜂蜜ハンターとして活躍する主人公には、画面を通して胸を打たれました。
仕事仲間の業者からも信頼を得ており、仕事ぶりもさることながら、神に選ばれし神聖なる蜂蜜ハンターとしてのステータスの高さを伺えました。
まとめ
蜂蜜というと食べるために使われるイメージが大きいですが、本作で登場するのは薬としての価値のある蜂蜜。
その蜂蜜を採るために、断崖絶壁に今にも切れそうな拙いロープを使ってのぼっていく主人公たち。
頭の下がる思いで、国内でちょっとした山に登って悦に浸っていた自分はまだまだだとも思いましたが、
遠い異国の地で、自然が与えてくれる恵みを命を賭して拾い、恩恵を与えてくれる蜂蜜ハンターに感謝の意を表したいと思います。