ロックンローラ(2008)

原題(英題)
RocknRolla
公開日
2009年2月21日
上映時間
114分
キャスト
- ガイ・リッチー(監督)
- ジェラルド・バトラー
- トム・ウィルキンソン
- タンディ・ニュートン
- マーク・ストロング
- イドリス・エルバ
- トム・ハーディ
- トビー・ケベル
- ジェレミー・ピベン
- クリス・“リュダクリス”・ブリッジス
- ジェマ・アータートン
コメント
裏社会の大物に騙され多額の借金を抱えたチンピラのリーダーが、次第にロシアン・マフィアのトラブルに巻き込まれていくドタバタ群像劇です。
ガイ・リッチー監督が得意とする犯罪ドラマでありながら、スタイリッシュな作家性よりもコメディ色が強い作品となっています。
本作もイギリスで製作されたというだけあって、ブリティッシュ・ロックの名曲が多数使用されています。
チンピラのリーダーを演じるのは、当時「 300 スリーハンドレッド 」(2007)などで脚光を浴びていたジェラルド・バトラーです。
並行するストーリーがラストに向けて集約されていく脚本が、本作でも楽しめます。
登場する悪党の面々が不運に見舞われながら目的を果たそうとする様子は痛快です。
おバカで頼りないキャラが多く、笑えるシーンも結構あります。
おそらく「 スウェプト・アウェイ 」でラジー賞をもらい「 リボルバー 」で難解な映画を撮ったことで、今度は万人向けを狙おうと考えたのかもしれません。
シャーロック・ホームズ(2009)

原題(英題)
Sherlock Holmes
公開日
2010年3月12日
上映時間
129分
キャスト
- ガイ・リッチー(監督)
- ロバート・ダウニー・Jr.
- ジュード・ロウ
- レイチェル・マクアダムス
- マーク・ストロング
- エディ・マーサン
- ケリー・ライリー
- ジェラルディン・ジェームズ
コメント
名探偵シャーロック・ホームズと相棒の医師・ワトソンがベイカー街の連続殺人事件に挑みます。
イギリスの作家コナン・ドイルの有名推理小説を、ガイ・リッチー監督がリメイクした作品です。
ホームズ役は、変わり者を演じさせたらピカイチの俳優ロバート・ダウニー・Jr.。
本作で描写されるホームズの探偵術は、観察眼や推理力だけでなく武術まで多岐に渡ります。
アクション描写は、映像化されたことがほとんどないだけで、原作にもあります。
ホームズがボクシングで事前に相手と自分の動きを推理し、その通りに勝つシーンはかっこいいです。
ジュード・ロウ演じる冷静沈着なワトソンとホームズのコミカルな会話も楽しめます。
対する悪役は、邪悪な組織の頂点に君臨するブラック・ウッド卿です。
ホームズとワトソンは、黒魔術を使ったトリックを解けるのでしょうか。
ウッド卿はオリジナルのキャラクターですが、オカルトめいた事件という題材は、原作「 バスカヴィル家の犬 」を参考にしたとされています。
シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(2011)

原題(英題)
Sherlock Holmes: A Game of Shadows
公開日
2012年3月10日
上映時間
130分
キャスト
- ガイ・リッチー(監督)
- ロバート・ダウニー・Jr.
- ジュード・ロウ
- ノオミ・ラパス
- ジャレッド・ハリス
- レイチェル・マクアダムス
- スティーブン・フライ
- エディ・マーサン
- ケリー・ライリー
- ジェラルディン・ジェームズ
コメント
ロバート・ダウニー・Jr.主演シリーズの第2弾にして、最大の宿敵・モリアーティ教授が登場します。
「 最後の事件 」と題された原作をもとに、ロンドンの連続爆破事件にホームズとワトソンが挑みます。
ホームズが縁を切ったはずのワトソンと、逆に絆を深めてしまう展開がおもしろいです。
ワトソンを結婚式場に送るホームズの、なぜか切ない表情など、2人の掴みどころのない関係が本作でも際立っています。
そして美しい街並みや華やかな衣装など、イギリスらしい気品溢れる雰囲気が漂っています。
全体的にアクションが増えており、特に森の追跡シーンは迫力満点です。
また、本作でもホームズが相手の動きを予想して戦う場面があります。
そのホームズの推理の先を読み、さらにミスリードさせる人物がモリアーティです。
常人には理解できない思考回路と、ガイ・リッチーらしいテンポのよい演出がマッチしています。
ラストの口頭でのチェスはまさに天才同士の駆け引き。
「 ライヘンバッハの滝 」での死闘も見事に再現されています。
コードネーム U.N.C.L.E.(2015)

原題(英題)
The Man from U.N.C.L.E.
公開日
2015年11月14日
上映時間
116分
キャスト
- ガイ・リッチー(監督)
- ヘンリー・カビル
- アーミー・ハマー
- アリシア・ビカンダー
- エリザベス・デビッキ
- ヒュー・グラント
- ジャレッド・ハリス
- ルカ・カルバーニ
- シルベスター・グロート
- クリスチャン・ベルケル
- ミシャ・クズネツォフ
- デビッド・ベッカム
コメント
1960年代のアメリカで大ブームを巻き起こしたドラマ「 0011ナポレオン・ソロ 」を当時の時代背景はそのままに、スタイリッシュなスパイ映画としてリメイクした作品です。
冷戦の最中、敵同士である2人のスパイが大規模テロから世界を救うために手を組みます。
アメリカのナポレオン・ソロは心理学と状況判断に長けたCIA、対する旧ソ連のイリヤ・クリヤキンは大勢をたった一人で薙ぎ倒す武術の達人です。
「 マン・オブ・スティール 」(2013)でスーパーマンを演じたヘンリー・カヴィルと、クリント・イーストウッド監督作「 J・エドガー 」に出演したアーミー・ハマー、華のあるイケメン俳優によるW主演です。
この2人の対比が見どころです。
心を掴まれるオープニング、手に汗握るカーアクションなど、他のスパイ映画では味わえない映像と音楽のセンスを楽しめます。
一風変わったスパイ映画として知られる「 キングスマン 」(2014)とは異なる独自性があり、まさにガイ・リッチー印のスパイ映画と言えます。
キング・アーサー(2017)

原題(英題)
King Arthur: Legend of the Sword
公開日
2017年6月17日
上映時間
126分
キャスト
- ガイ・リッチー(監督)
- チャーリー・ハナム
- ジュード・ロウ
- アストリッド・ベルジェ=フリスベ
- ジャイモン・フンスー
- エイダン・ギレン
- エリック・バナ
- デビッド・ベッカム
コメント
アニメやゲームなど、あらゆるポップカルチャーに影響を与えた中世文学「 アーサー王伝説 」を、ガイ・リッチーのセンスで現代風にリメイクした作品です。
聖剣・エクスカリバーを手にしたスラム育ちのアーサーが、暴虐の王に立ち向かう下剋上ストーリーです。
見たことのない新感覚のソードアクションが楽しめます。
アーサー役にはアメリカの高視聴率ドラマ「 サンズ・オブ・アナーキー 」や「 パシフィック・リム 」(2013)で主演を務めたチャーリー・ハナム、暴君・ヴォーティガン役をリッチー作品と相性のよいジュード・ロウが演じています。
盤石なキャスト陣にも関わらず、本作は公開年当時、最も赤字を出したハリウッド映画になりました。
6部作を想定して作られただけに、製作陣は落胆したことでしょう。
リッチーの得意とするスタイリッシュなカメラワークやテンポのよさは、一風変わった作品にフィットする手法で、本作のような王道のリメイクでは控えめにした方がよかったのかもしれません。