クライ・マッチョ(2021)

原題(英題)
Cry Macho
公開日
2022年1月14日
上映時間
104分
キャスト
- クリント・イーストウッド(監督・出演ともに)
- エドゥアルド・ミネット
- ナタリア・トラベン
- ドワイト・ヨーカム
- フェルナンダ・ウレホラ
コメント
監督として50周年を迎えたイーストウッドの40作品目は、これまでの集大成のような映画だ。
「 恐怖のメロディ 」で監督デビューを果たし、「 許されざる者 」と「 ミリオンダラー・ベイビー 」で
アカデミー賞を受賞したイーストウッド。
タフで渋めの役柄と娯楽的な要素が強かった初期から、年齢を重ねると共に人生観を反映するような映画へとなっていった。
そして本作では、人の“ 強さ ”を問う。
代名詞である西部劇と、人間的で情緒のある物語を掛け合わせた本作は、まさにイーストウッドらしい映画といえるだろう。
撮影時の年齢は91歳。すでに90歳を超えているとは思えない彼の演技は、異次元の領域に達している。
まとめ
イーストウッドのとてつもない映画作りへの執念を感じられただろうか?
はたまた、監督業を純粋に楽しんでいる姿が垣間見えただろうか。
いずれにしても、一年に一度くらいのペースで新作を公開し、数々の良作を生み出し続けているイーストウッドには、頭が上がらない。
イーストウッドが監督してきた作品を振り返ると、最初は西部劇と娯楽的要素の強い作品が多いが、
年を重ねるごとに実話に基づいたリアルな作風へとシフトしている。
どちらも映画として違ったよさがあり、楽しみがある。
時代を追うごとに進化していくイーストウッドの映画を、ぜひ年代順に楽しんでみてはいかがだろうか。
ちなみに、イーストウッドが「 インビクタス 負けざる者たち 」の際に取材で語っていたが、
彼は自分の作品数を数えていないそうだから、僕らも作品数を気にする必要はないのかもしれない。
常によいものを作り続けるイーストウッドの作品を、一本一本、純粋に楽しみたいものだ。

文・ライター:みくと