映画を超える波乱万丈ぶりが愛おしくも哀しい稀代のエンターテイナー、ジョン・ベル―シの人間的側面に迫ったドキュメンタリー。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
BELUSHI ベルーシ
公開日
2021年12月17日
原題
Belushi
上映時間
108分
キャスト
- R・J・カトラー(監督)
- ジョン・ベルーシ
- ダン・エイクロイド
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
好きだった点
ジョン・べルーシの豊かな表情、巧みな演技、演奏、猪突猛進さ、そして、愛する妻への繊細な心をあらわにした手紙に強く引き込まれます。
人を笑わせる陽気なエンターテイナーでありながら、その心のうちは対照的。
エゴや劣等感、自分をすり減らす向上心などの闇が丁寧に描写されていました。
それでも、深く愛しあう妻や、美しい友情を築いたダン・エイクロイドがいてくれたことが救いです。
考察レビュー
ジョン・ベル―シはドラッグの過剰摂取により33歳という若さでこの世を去っています。
彼の自制心に乏しい生きざまからすれば仕方ないのかもしれません。
アルバニア系という珍しいルーツや、家族への絶望感などから健全な精神をはぐくむには、やや難しい環境だったと推察します。
しかし、一度はドラッグをやめ、大切な人や健康を守る人生を手に入れようと努力していたので、なんとも残念でなりません。
彼自身、自分を責める気持ちや、どうしようもないという無力感は、想像を絶する辛さだったのではないかと思います。
「 薬物依存は病気であり、個人の意思とは関係ない 」と妻が語るように、彼自身は本当によくやったと思います。
しかし、危険な人脈や強い孤独心などが災いし、逃げ切れなかったんだな、かわいそうに。と涙が溢れました。
夫婦の未来のために離れる選択をした妻に、見捨てられたと思ったまま孤独死したのかと思うと、妻もどれだけ辛かったかと思います。
彼女はもう自分を責めるのはやめたと語ります。
彼らにしか分からない絆があり、彼らにしか成し遂げられない成功と挫折があったのでしょう。
まとめ
「 ブルース・ブラザーズ 」のジェイクがおなじみですが、それを地でいきながら、はるかに奇抜で複雑で、波乱万丈な人生を歩んだジョン・ベル―シ。
彼がは目立ってそうだっただけで、人間は多面的で複雑で、いろんな面を見せたり、見せなかったり、傷つけたり、傷つけられたりしているんだろうなと感じました。
音楽好き必見の、彼の音楽的才能もいかんなく発揮されている良作です。