才能、ジェンダー、血縁。
人々が無意識のうちにかけている呪いから、自由に生きることを描く心温まる1本。
青葉家のテーブル
あらすじ
青葉家では、シングルマザーの春⼦と息⼦のリク、春⼦の飲み友達・めいこ、その恋人で小説家のソラオという4人で共同生活を送っていた。そんな中、春子の旧友の娘が、予備校の夏期講習に通うために青葉家へ居候しにやって来る。
公開日
2021年6月18日
上映時間
104分
キャスト
- 松本壮史(監督)
- 西田尚美
- 市川実和子
- 栗林藍希
- 寄川歌太
- 忍成修吾
- 久保陽香
- 上原実矩
- 細田佳央太
- 鎌田らい樹
- 大友一生
- 芦川誠
- 中野周平(蛙亭)
- 片桐仁
予告編
考察・感想レビュー
好きだった点
有名でおしゃれな母親に対する娘の「 何物でもない 」劣等感や「 プロデュース癖のある母親 」というワードは心に残ります。
誰しもそれぞれに事情があり、うらやましく思えることも悩みの種だったりするという世界の単純でなさ。
だからこそ立場や境遇の違う人たちが、分かり合い、支えあうこともできるのだと思います。
大切なのは、「 世間的に見れば 」「 普通に考えれば 」などの固定概念を1回わきに置いておいて、その人自身がその環境で何をどう感じているのかを尊重すること。
そういう態度や接し方と、自分を尊重し、まっとうに大切な存在として扱うということは地つながりだと思います。
シンプルなことのようで簡単ではないですが、本作が描くように、それぞれの事情や立場・悩み、傷。
それらを矯正したり無理に除去させたりせず、その人の感じたままを尊重する行為は、世の中にもっとあっていいのかもしれないなと感じました。
それは自分の感じ方を尊重することとセットであって欲しいし、これらが進めば世の中はもう少し優しく居心地よくなるのではないか?ということを考えました。
嫌いだった点
ロックバンドをやるくだりでのバンドやろうぜ!的な中、メンバー同士がとても純粋で、そのあまりの清らかさにちょっと気恥ずかしくなります。
シングルマザーが前提だったり、男性が料理をすることが当たり前だったり、家父長制を男性が「 おかしい 」と話していたりすることから、
この映画にかかわった人たちの、固定概念や過去の常識からから少しでも自由に生きていこうという姿勢、気持ちが伝わりました。
まとめ
ややいい子ぶりっこという感じも否めなくはないですが、こうした描き方をするかしないかはとても大きなこと。
これからもこうした「 いろんな人の、いろんな事情のもと、いろんな生き方がある 」
ということがさらに当然になっていけばいいなと感じました。