文・ライター:@小松糸
細田守監督6作目。
バーチャルワールド「 U 」の世界で、絶大な人気を誇る女性シンガーBelle。
世界中が彼女の正体を探っているが、実際の彼女は田舎に住む冴えない女子高生・すずだった。
竜とそばかすの姫
公開日
2021年7月16日
上映時間
121分
予告編
キャスト
- 細田守(監督)
- 中村佳穂
- 成田凌
- 染谷将太
- 玉城ティナ
- 幾田りら
- 森川智之
- 津田健次郎
- 小山茉美
- 宮野真守
- 森山良子
- 清水ミチコ
- 坂本冬美
- 岩崎良美
- 中尾幸世
- 佐藤健
公式サイト
感想レビュー
映像が素晴らしく綺麗。
アニメーションは、口元のアップがあっても口角まで滑らかな動きで、全く不自然さや違和感がなかった。
世界の歌姫にまで成長したBelleだが、実際はそばかすがコンプレックスの田舎の女子高生・すず。
小さい頃は歌うことが大好きだったのに、最愛の母の死がキッケケで歌うことが怖くなってしまう。
顔が見えない世界でなら、歌えるかもしれない。
そんな思いから、彼女はUの中で歌い始め、瞬く間に歌姫として世界中から注目される存在になる。
そんな彼女の前に竜が現れ、物語が動き始める。
細田監督曰く、この物語のテーマは「 現代版の美女と野獣 」だそうだ。
竜の住む城は、美女と野獣に出てきそうなお城だったし、薔薇の花や彼のもとで暮らす妖精たちも、美女と野獣のティーカップたちを連想させた。
竜がUの中で危険な人物とされる原因。
それは彼の並外れた強さにあった。
その強さは、ある種の呪いのようなもの。
決して望んだものではないということ。
劇中でBelleが歌う曲の歌詞に「 歌よ導いて 」というフレーズがある。
竜の弱さ、脆さに直面したとき、2人の中で秘密に近い感情が生まれたように感じた。
彼の弱さを知っているのは私だけ。
その繊細な感情をアニメーションで表現しているのは、本当に凄いことだと思う。
まとめ
竜を救いたい。
その一心でBelleが歌ったとき、彼は本当の意味で導かれるのだと思った。
これから先、竜とすずを取り巻く環境は大きく変わるだろう。
でもお互いがいれば。
歌があれば。
なんだって出来る。
今作で誰かを導いていけるような気がした。