
「 LGBT 」は皆さんもご存知のようにレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーのことだ。
しかし「 Q 」「+」の意味とは?
その意味がわかればこの「 アンヌ+」というタイトル名にも納得し、より深く物語の中の主人公たちの立場や気持ちに共感できるのではないかと思う。
では、その辺にも少し触れつつ今作の魅力を語っていきたい。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
アンヌ+: THE MOVIE


公開日
2022年1月13日
原題
ANNE+
上映時間
95分
キャスト
- ファレリー・ビッシェルー(監督)
- ハンナ・ファン・フリート
- ヨーマン・ファッタル
- トーン・ド・フリース
- ジェイド・オリバーグ
- エリーネ・ファン・ヒルス
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
まず私の勉強不足をここに報告させていただく。
「 LGBT 」は知っていたが、「 Q 」をいまいち理解していなかったのだ。
そこで今作を観るにあたって調べた結果、「 Q 」とは自身の性自認(自分の性を何と考えるか)や性的指向が定まっていない人、あえてそう定めていない人のことを指すらしい。
ちなみに「+」には、上記以外にも様々なセクシュアリティがあるということを意味している。
1つの枠に縛られず、開放的でいようという前向きな意味が含まれているそう。
これでタイトル「アンヌ+」に納得だ。
今作では、クィア当事者であるアンヌが書く本の出版を目前に、「 あなたが何を言いたいのか分からない。自分自身に問いかけて 」と編集者に指摘され、自分自身を見つめ直していくシーンから始まる。
自らを形成している友情、恋愛、それ以外の愛、クィア、ジェンダーについて書きたいと思ったアンヌは、周囲と自分との関係性や、自分の胸の内を1つ1つを書き留めていく。
異性愛者だろうが、同性愛者だろうが、ジェンダーであろうが、ドラッグクイーンであろうが、みんな自分を探しながら生きている。
自分の生き方に迷わない人など存在しない。
アンヌやアンヌを取り囲む人たちを見ていて改めてそんなことを思った。
一言で言うとそんな彼らがとてもカッコいいのだ。
世間一般で言う「 普通 」に捕らわれない生き方をしているからだろう。
愛する恋人に自分の本当の願いや気持ちを伝えることが出来ない辛さ、悲しさ、自分への不甲斐なさ。
時折みせるアンヌの優しさと幼さに惹かれながら、自分を出せない悶々とした気持ちには深く共感した。
今作は観客に、「 これを伝えたい!」という作り手の明確なメッセージが描写されているわけではない。
しかし、このアンヌと共に、ゆっくり自分の中にある感情を見つめ直していく仲間のような存在になれると思う。
まとめ


「 自分の子どもには愛と開放性があってほしい 」というセリフが出てくるが、この一言で、未だに「 普通 」から飛び出した彼らを苦しめるものや人が多いことにハッと気づく。
いつか「 LGBTQ+ 」といった言葉すらなくなるような世界になったらと心から願う。