「 アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 」の映画情報・あらすじ・レビュー

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壮大なクリミナル・サスペンスなのか?

不思議と上田慎一郎監督の作風だと壮大さは得られずに、ミニマム・チープな作風に落ち着く。

ゆえに、本作において膨らませ過ぎる期待は失望を誘う。

良い大人で映画好きなら《カメラを止めるな!》の作風から想定範囲だろう。

そのような意味において、推理・予測に思考を回さず、素直にスクリーンを注視して楽しんで欲しい。

目次

アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師

©︎アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師

あらすじ

税務署に務めるマジメな公務員・熊沢二郎(内野聖陽)。ある日、熊沢は天才詐欺師・氷室マコト(岡田将生)が企てた巧妙な詐欺に引っかかり、大金をだまし取られてしまう。親友の刑事の助けで氷室を突きとめた熊沢だったが、観念した氷室から「おじさんが追ってる権力者を詐欺にかけ、脱税した10億円を徴収してあげる。だから見逃して」と持ちかけられる。犯罪の片棒は担げないと葛藤する熊沢だったが、自らが抱える”ある復讐”のためにも氷室と手を組むことを決意。タッグを組んだ2人はクセ者ぞろいのアウトロー達“どんな役にもなれる元役者”“強靭な肉体の当たり屋”“特殊な偽造のプロ”“母と娘の闇金親子”を集め、詐欺師集団《アングリースクワッド》を結成。脱税王から大金を騙し取る方法を、所有者に成りすまして土地を売る地面師詐欺に設定し、綿密&大胆な計画を練り上げ、チームは壮大な税金徴収ミッションに挑むが……その先には「裏」を読み合う壮絶な騙し合いバトルが待ち受けていた。(公式サイトより引用)

公開日

2024年11月22日

上映時間

120分

予告編

キャスト

  • 上田慎一郎(監督)
  • 内野聖陽
  • 岡田将生
  • 川栄李奈
  • 森川葵
  • 後藤剛範
  • 上川周作
  • 鈴木聖奈
  • 真矢ミキ
  • 皆川猿時
  • 神野三鈴
  • 吹越満
  • 小澤征悦

公式サイト

アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師

作品評価

  • 映像 
  • 脚本 
  • キャスト 
  • 音楽(BGM) 
  • リピート度 
  • グロ度 
  • 総合評価 

考察・感想レビュー

クリミナル・エンタメ

本作の評価は難しい。

素直に楽しめば珠玉のエンターテイメント。

上田慎一郎の大逆転ドンデン返しなシナリオに期待し過ぎると物足りなさが否めない。

既視感満載

映画マニアなら、何処かの既視感だらけの展開と結末に思えてしまう。

オーシャンズ・シリーズ 」や邦画なら7人の詐欺師為らず「七人の秘書・シリーズ」、それこそシナリオの転がし方を鑑みると三谷幸喜に及ばない。

地上波でも「 クロサギ 」「 ダブルチート 」等々の『 詐欺喰い詐欺 』が散見される。

そして、Netflixで高評価な「 地面師 」と、多岐に散見されるジャンルに埋没しかねないのではと懸念する。

むむむ…否定論ぽくなってしまう。

本作の不足要素は何か?

鑑賞後にdocomoが始めた配信サービス「 Lemino 」で公開中の全3話の前日譚も交えて深くなることを知る。

そもそものスタートで詐欺師チームのリーダーたる岡田将生が演じる氷室が何故に投獄されていたのか?

この必然性がないままに、すべての物語が税務職公務員目線でスタートしてしまう。

たしかに、上田慎一郎監督のミスリード展開と考えれば納得はするものの、それはあくまでも上田作品を観たい者に対してであって、普通に映画鑑賞したい層へのアプローチとは異なる。

半端な映画通を気取りなら、前述の作品と比較して批判的展開するのだろう。

成熟した大人の矜持

社会人になり大人になると、屈辱も罵倒も理不尽も笑って“無”となり鎮めることを学ぶ。

だが、決して許せない思いがある。断固として許せない瞬間がある。一寸の虫にも五分の魂。貴方の上司は信用できますか?貴方のチームメンバーは信用出来ますか?

2024年後半戦に大活躍の2人

もう1つの上田慎一郎作品の特徴たる軽快なテンポと、足踏みテンポの混在の良いバランスを岡田将生と内野聖陽が担っている。

この辺りは本来の得意とする演技とベテラン俳優の妙と言える。

あなたは全ての仕掛けを見通せるか?

まとめ

前述で展開の既視感と語ったものの、飽き飽きするものではない。

反対に良くぞ飽きさせずに見せてくれたと評価したい。

既視感が、そのまま正解となる心地良さが秀逸だからこそ、楽しめる作品である。

因みに、内野聖陽の役風は“ 不遜8割オネエ2割 ”だと思っている。

今回の配役として、我を抑えに抑えた卑屈な中間管理職公務員の雰囲気。

その姿が「 光石研 」に見えてしまうのは僕だけだろうか?

執筆者

文・ライター:@LEDMAXI

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