「 アメイジング・グレイス 」考察レビュー、必見・必聴・感涙必至の音楽体験
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム@ayahhiさんからの投稿レビューです。
アレサ・フランクリンの歌声をはじめ教会の熱気が奇跡としか言いようのない必見・必聴・感涙必至の音楽体験。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
アメイジング・グレイス
公開日
2021年5月28日
原題
Amazing Grace
上映時間
87分
キャスト
- シドニー・ポラック(監督)
- アラン・エリオット(監督)
- アレサ・フランクリン
- ジェームス・クリーヴランド
- ミック・ジャガー
予告編
公式サイト
作品評価
[rate title=”5つ星”]
[value 5]映像[/value]
[value 5]脚本[/value]
[value 5]キャスト[/value]
[value 5]音楽(BGM)[/value]
[value 5]リピート度[/value]
[value 1]グロ度[/value]
[value 5 end]総合評価[/value]
[/rate]
感想レビュー
好きだった点
とにかく熱量の高い教会の模様が素晴らしいです。
もちろんアレサの歌が神々しいレベルで素晴らしいのは言うまでもないけれど、教会での収録だったからこそ、そこに集う人々の熱い思いや、音楽への情熱がほとばしる名作となったに違いありません。
「 ステージ上の演者と客 」というようなこととは全く違う、その場にいる人全員がその熱狂を作り出している当事者そのものなのです。
もともとこの録音は音源のみでずっと前から聴いていましたが、今回初めて映像がそれに乗っかり、当時の熱狂をより臨場感たっぷりに感じることができ、感涙ものでした。
嫌いだった点
全く見当たりません。始めから終わりまでずっと感動していました。
見どころ
始まりから終わりまでずっとくぎ付けになる音楽体験です。
なんとこのとんでもないライブは、監督のドキュメンタリー映画撮影の不慣れにより「 カットの始めと終わりのカチンコがなかった 」という理由のために、
音と映像をシンクロさせることができず完成することなくお蔵入りとなっていたのです。
それを、49年を経て、さまざまな技術により、今ここ日本で私たちは初めて映像として触れることができる奇跡。
やはり本当に優れたものは、こうして世代を超えて語り継がれる宿命を負っていると言わざるを得ません。
アレサ・フランクリンも監督も亡き今、こんなお披露目があるとは。
やはり、そこまでの過程も含めて、この作品は本当に特別なものだと感じます。
半世紀も昔の映像ですが、そこに古臭さなんてものは一切なく、恐らくこの先もずっと、見る人に強烈な音楽のパワーと衝撃をもたらすに違いありません。
こうしたアレサ・フランクリンのように、ソウルクラシックと呼ばれるミュージシャンは、主に中高年以降の男性から熱い支持を受けるものですが、
この映像作品に関しては、老若男女「 人は音楽でここまでの高みに行けるのだ 」という事実に衝撃を受けると思います。
考察レビュー
アレサ自身が最初に歌う、マーヴィン・ゲイのカバー「 Wholy Wholy 」の歌詞が突き刺さります。
様々な差別や分断と闘うこと、信念を持つこと、団結して、世界を揺さぶること。
図らずもタイムカプセルを開ける形となった今作ですが、49年前にマーヴィン・ゲイが叫んだことは、そのまま2021年の私たちが直面する世界への強いメッセージになっているなと感じました。
ここまで現代への直接的なメッセージ性を感じると、監督や関係者たちは、あえてこの映像をすぐには世に出さず、より先の世代へ届けられるように秘蔵していたのでは?
なんてことを勘ぐってしまいました。
若き日のミック・ジャガーも会場にいます。
どうやらレコーディングのために、たまたまLAに寄ったついでのようですが、最初から「 意識の高い白人ミュージシャン 」というイメージを確固なものにするため、
(実際に彼はそうした活動をしていますが)あらかじめ「 この作品に映りこんでおけば間違いないから 」のような耳打ちがあったのではないかとも勘ぐってしまいました。
それほどに黒人の彼らのパワーは圧倒的で、白人がひとりで入るにはあまりに気圧される環境だったと察します。
まとめ
とんでもない音楽体験を約束します。
汗だくになって驚異的な歌声を響かせるアレサ、支えるバンドや牧師たち、教会でこのライブに参加している人たちの熱気に音楽や踊ること、魂を解放することの凄まじさ、人間の底力を見て度肝を抜かれること間違いなしです。
一生に一度は見るべき作品。