第8位「 マッドマックス:フュリオサ 」

原題
Furiosa: A Mad Max Saga
公開日
2024年5月31日
上映時間
148分
予告編
キャスト
- ジョージ・ミラー(監督)
- アニヤ・テイラー=ジョイ
- クリス・ヘムズワース
- トム・バーク
- アリーラ・ブラウン
- チャーリー・フレイザー
- ラッキー・ヒューム
公式サイト
コメント
批評家と観客の双方から絶賛された「 マッドマックス 怒りのデス・ロード 」(2015)。
本作はその前日譚だが、評価は賛否両論で、興行的には事前の予想を大きく下回る結果に終わった。
確かに前作のようなシンプルなストーリー構造故の力強さには欠けるが、これまでのサーガで欠けていたピースを埋め、マッドマックスの世界を一つのユニバースとして完成させた。
この作品が生まれたことで「 怒りのデス・ロード 」のドラマ性にもさらに奥行きが出た。
やはりこれはこれで正当に評価されて然るべきだろう。
↓レビュー記事はこちら
「 マッドマックス:フュリオサ 」の魅力をネタバレなし徹底解説、リピート必須!
第9位「 ソウルの春 」

あらすじ
1979年10月26日、独裁者とも言われた大韓民国大統領が、自らの側近に暗殺された。国中に衝撃が走るとともに、民主化を期待する国民の声は日に日に高まってゆく。しかし、暗殺事件の合同捜査本部長に就任したチョン・ドゥグァン保安司令官(ファン・ジョンミン)は、陸軍内の秘密組織“ハナ会”の将校たちを率い、新たな独裁者として君臨すべく、同年12月12日にクーデターを決行する。一方、高潔な軍人として知られる首都警備司令官イ・テシン(チョン・ウソン)は、部下の中にハナ会のメンバーが潜む圧倒的不利な状況の中、自らの軍人としての信念に基づき“反逆者”チョン・ドゥグァンの暴走を食い止めるべく立ち上がる。
(公式サイトより引用)
原題
12.12: The Day
公開日
2024年8月23日
上映時間
142分
予告編
キャスト
- キム・ソンス(監督)
- ファン・ジョンミン
- チョン・ウソン
- イ・ソンミン
- パク・ヘジュン
- キム・ソンギュン
- チョン・マンシク
- チョン・ヘイン
- イ・ジュニョク
- チョン・ドンファン
- キム・ウィソン
- ユ・ソンジュ
- アン・ネサン
- チェ・ビョンモ
- パク・フン
- キム・ソンオ
- アン・セホ
公式サイト
コメント
1979年に起きた軍事クーデターを真っ向から映画化した政治ドラマ。
重厚なサスペンスに溢れ、結末を知っていてもなお、固唾を呑んで見守ってしまう。
クーデターを起こすチョン・ドゥグァンを演じたファン・ジョンミンが、全盛期のジャック・ニコルソンを思わせる怪演だ。
奇しくも2024年12月には、現実社会ではユン・ソンニョル大統領が非常戒厳を宣布。
それに抗議した市民たちが結集し、国会議員の投票で戒厳令の解除に成功するという事件が起きた。
これは多くの市民が本作の大ヒットに感化され、「 民主主義の転覆は許さない 」という意識を高めていたためだと言われている。
韓国の現代史を描いた重要な作品であると同時に、韓国の新たな歴史を作ってしまった奇跡的な作品だ。
第10位「 異人たち 」

あらすじ
夜になると人の気配が遠のく、ロンドンのタワーマンションに一人暮らす脚本家アダムは、偶然同じマンションの謎めいた住人、ハリーの訪問で、ありふれた日常に変化が訪れる。ハリーとの関係が深まるにつれて、アダムは遠い子供の頃の世界に引き戻され、30年前に死別した両親が、そのままの姿で目の前に現れる。想像もしなかった再会に固く閉ざしていた心が解きほぐされていくのを感じるのだったが、その先には思いもしない世界が広がっていた…
(公式サイトより引用)
公開日
2024年4月19日
原題
All of Us Strangers
上映時間
105分
予告編
キャスト
- アンドリュー・ヘイ(監督・脚本)
- 山田太一(原作)
- アンドリュー・スコット
- ポール・メスカル
- ジェイミー・ベル
- クレア・フォイ
公式サイト
コメント
日本映画「 異人たちとの夏 」(1988)をイギリスでリメイクした作品。
舞台やキャラクター設定に大きなアレンジを加え、オリジナルを凌駕する傑作となった。
孤独と悔恨、その裏返しとしての他者に対する愛と優しさ、そして幻想的な幽霊譚。
テーマ曲として使われたフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「 パワー・オブ・ラブ 」に秘められた慈愛も再発見させられた。
そのPVを引用したラストショットは切なさと愛しさに溢れている。
↓レビュー記事はこちら
「 異人たち 」山田太一の原作を大胆に脚色したイギリス映画【 あらすじ・リメイク版 】
次点の「 枯れ葉 」は、いつも通りのアキ・カウリスマキ・ワールドでありつつ、その集大成とも言える作品。
「 密輸 1970 」は、70年代の東映映画を彷彿とさせるタッチで犯罪に巻き込まれた海女たちの活躍を描く痛快な娯楽作。
どちらも再度鑑賞したくなる作品だ。
【 おまけ 】個人賞
最後に個人賞も選んでおこう。
監督賞
ドゥニ・ヴルヌーヴ「 DUNE / デューン 砂の惑星 PART 2 」
脚本賞
セリーヌ・ソン「 パスト ライブス / 再会 」
主演男優賞
ファン・ジョンミン「 ソウルの春 」
主演女優賞
ジア・リン「 YOLO 百元の恋 」
助演男優賞
オースティン・バトラー「 DUNE / デューン 砂の惑星 PART 2 」
助演女優賞
ケイリー・スピーニー「 シビル・ウォー アメリカ最後の日 」
まとめ
2025年はリブート版「 スーパーマン 」をはじめ、大きな話題を呼びそうなハリウッド大作が並んでいる。
質的にもさらなる盛り上がりを見せることを期待しよう。

文・ライター:ぼのぼの