映画「 わたしの幸せな結婚 」がひどいという噂は本当か?
文明開化の雰囲気を感じさせる帝都を、異形から守護する異能と呼ばれる特殊能力者。
異能部隊の冷徹な若き隊長と、異能の家系に生まれな異能を持たず虐げられた女子との絆物語。
大正レトロを感じさせる美術と斎森美世の着物の雰囲気は素晴らしく、制作陣の気合いを感じさせる。
原作と映画の脚本や演出に、大人の事情は介入するのか?
単なるアオハル異世界レトロなラノベとは異なる良さはある。
わたしの幸せな結婚
あらすじ
義母と異母の妹に苦しめられて育った名家出身の美世は、権威ある久堂家の長で、27歳の優秀な軍人・清霞と政略結婚を組まされる。久堂家での生活を通じて、美世は厳格で無情な男とされる清霞の真実の姿に魅了されていく。
公開日
2023年3月17日
上映時間
115分
予告編
キャスト
- 塚原あゆ子(監督)
- 久堂清霞:目黒蓮
- 斎森美世:今田美桜
- 斎森真一:高橋努
- 斎森香乃子:山口紗弥加
- 高石あかり
- 花:小林涼子
- 辰石幸次:小越勇輝
- 辰石実:平山祐介
- ゆり江:山本未來
- 桂子:珠城りょう
- 鶴木新:渡邊圭祐
- 鶴木義浪:火野正平
- 五道佳斗:前田旺志郎
- 岡部秀太:西垣匠
- 望月東弥:佐藤新
- 宮田建祐:松島庄汰
- 澤村晋平:高橋大翔
- 須藤嗣治:浜田学
- 帝:石橋蓮司
- 堯人:大西流星
- 枢木忠則:尾上右近
- 賀茂村紀夫:津田健次郎
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
「 基本的に好きな雰囲気の作品 」
特に大正レトロを感じさせる美術と衣装は僕の好みな雰囲気を作り、世界観を確立させている。
主演の2名は、2022年地上波ドラマで演じた配役とは真逆とも言える雰囲気も良かったと。
これからの成長にも期待したい。
斎森美世役の今田美桜は、地味な薄汚れたキャラから輝きだすまでの変化で、彼女を美しく魅せている。
久堂清霞役の目黒蓮は、淡々冷々とした雰囲気が少しづつ綻び、やがて感情が現れる変化が見どころだろう。
さてさて、最初に「 基本的には 」と前置いたのは、部隊における久堂清霞の存在の変化、説得性が緩かったと感じた為だ。
原作は読んでないので、もしかしたら描写とは合っているのかもしれない。
ただ、美世と向き合う心情変化は丁寧なのに描いてるのに、冷酷無比な隊長の設定が、年齢相応の若者表現になってしまっている。
それは目黒蓮だけの問題では無く、共演する部隊員役の若手たちの演技にも起因しているのではないだろうか。
演技として軍隊という組織に対する、序列や指揮系統や規律について無頓着に思える。
ただ、隊長の側近的な存在で、最もフレンドリーに接してくる五道佳斗役の前田旺志郎の演技の妙は秀逸だ。
要するに、もう15分~30分程度の尺を使って部隊内の関係図や清霞が美世と出逢ったことで柔和し、隊員たちが尊敬と信頼の畏怖から、敬愛に変化していく時間軸構成も欲しかった。
これは製作委員会に地上波局があること、ジャニーズ側の意向かとも思えてしまう。
例えば、木村拓哉を「 俳優:木村拓哉 」ではなく「 キムタク 」と位置付ける演出手法と同様の介入と勘繰ってしまう。
ジャニーズは自社商品のブランディングを壊して成長させようとさせないと認識している。
木村拓哉は50歳前後で、恐らく、本人が感じていた「 キムタクを演じないと売れない 」というジレンマと向き合いながら、
キムタクではない木村拓哉としての演技にチャレンジしていると、僕が感じている地上波ドラマ「 教場 」の道場に飾られていた「 守破離 」を実践してるのではないだろうか。
アイドルグループとしても、俳優としても目黒蓮は認知度は高くなっている。
先輩の木村拓哉や岡田准一や二宮和也の様な、座長として後輩たちを牽引できる俳優に育って欲しい。
まとめ
厳し目の指摘はしたものの、本当に良い雰囲気の映画だと思っている。
大人の事情は難しいものだ。
監督に座する者は、ステークホルダーに対してではなく、作品と対峙して欲しいと切に希望している。