「 犬王 」考察レビュー、世界最古の舞台芸術「 能楽 」は時を超えて現代に大輪の花を咲かせる

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管理人
今回は、ペンネーム@LEDMAXIさんからの投稿レビューです。

趣き甚だしいロックミュージカルアニメ絵巻と評したい。

外国人にとっては、雅なるJAPANと純粋に受容れてくれそうだが、日本人にとっては難しいか?

伝統芸能は高尚な芸術と思われがちだが、そもそもは人々の賞賛から研鑽され、昇華しただけの大衆娯楽に他ならない。

画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)

目次

犬王

犬王
©︎犬王

公開日

2022年5月28日

原題

なし

上映時間

97分

キャスト

  • 湯浅政明(監督)
  • アヴちゃん
  • 森山未來
  • 柄本佑
  • 津田健次郎
  • 松重豊

予告編

公式サイト

犬王

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

考察レビュー

犬王
©︎犬王

猿楽(能)は、そもそも旅芸人による大衆大道芸が民衆を経て、時の朝廷貴族や足利家によって雅な芸術として昇華したものである。

物語は現代から室町時代。

そして、現代で結ばれる。

盲目になった漁師の息子(友魚)は、出会った琵琶法師に師事し演奏力が長けていく中で、自らの世界観を築こうとしていた。

猿楽の比叡座棟梁の家に生まれた犬王は、奇形で在るために親家族から飼い犬のように虐げられ育っていたが、本来の身体能力から舞踊を自己流に昇華させていた。

そんな異端とも言える2人が京の街で出会い、互いの能力を融合させていく。

紡ぎ出される斬新な世界観は、京の人々を魅了し比叡座、観世流(観阿弥、世阿弥)と異なる第3勢力としてのし上がっていく!

このパフォーマンス演出が古典音楽からジャズにロックに、古典バレエがコンテンポラリーバレエにジャズダンスにHIP-HOPに、古典演劇がミュージカルに発展してきた歴史観を絵巻的に魅せてくれる。

琵琶はギターにベースに、鼓や和太鼓はドラムにパーカッションに、篳篥(ひちりき)はブラスホーンに!

篝火は特殊効果ライティングと様変わりの技に創造を見せつけてくれる醍醐味が没入させてくれる。

「 これは能でも狂言でも無い。冒涜だ 」と言う諸兄も居るだろうが、それは動脈硬化した思考と言うもの。

常に斬新は異端であり、時の権力から禁忌とされてしまうもの。

それでも表現者は自己の表現欲求は抑えられない。

そして、その表現は人々の心の中に残存し根付き新しい芽を息吹かせ、時を超えて大輪の花を咲かせる。

それが本物であれば…必ず。

まとめ

犬王
©︎犬王

今作の「 現代 → 室町時代 → 現代 」の演出は、古川日出男の原作小説「 平家物語 犬王の巻 」をアニメ映像化するのにとても秀逸な演出だと言えよう。

「 能 」の能舞台の構成をご存じだろうか?

端的に説明すると、正面正方形の「 本舞台 」で演者が舞う。

演者は揚幕で仕切られた「 鏡の間 」で待機し、「 橋掛かり 」を渡り登壇する。

「 能 」は過去の出来事を語り継ぐ舞台であり、過去の当事者が現世に赴き当時を語る舞台である。

「 鏡の間 」は黄泉の世界であり、「 橋掛かり 」は三途の川を超えるための橋であり、「 本舞台 」の現世への道筋なのである。

だからこそ、今作の演出構成は秀逸だと言えるのだ。




犬王

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