文・ライター:@miyako
前作の「ホーム・アローン」で歴史的な大ヒットをとばし、コメディ映画界でも大注目を浴びた2年後。少し成長したケビンがスクリーンに帰ってきました。
当時、続編の公開を待ちわびたファンの方も多かったのではないでしょうか?
「 ホーム・アローン2 」は、前作ほどではないものの、1992年に全米で公開された映画の中で第2位の興行収入を誇るほどヒット。
今回は、「 ホーム・アローン2 」の考察レビューや、新たな舞台に登場した新キャストなども紹介します。
ホーム・アローン2

あらすじ
クリスマス旅行に向かうため、大慌てで空港に向かうマカリスター家族の今年の行き先は、マイアミ。去年と同じ失敗を繰り返さないよう入念に確認したはずが、またもケビンは家族と離ればなれになってしまう。たった一人で大都会ニューヨークに降り立ちます。なんとそこには、去年のクリスマス事件で逮捕されたはずの泥棒二人組の姿がありました。何やら新たな強盗を企てているらしい二人組に、再びケビンは立ち向かいます。
原題
Home Alone 2: Lost in New York
公開日
1992年12月19日
上映時間
120分
予告編
キャスト
- クリス・コロンバス(監督)
- マコーレー・カルキン(主人公:ケビン・マカリスター)
- ジョー・ペシ(泥棒:ハリー)
- ダニエル・スターン(泥棒:マーブ)
- キャサリン・オハラ(ケビンの母親:ケイト)
- ジョン・ハード(ケビンの父親:ピーター)
- ブレンダ・フリッカー(ホームレスの女性)
公式サイト
なし
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
ホーム・アローン2(考察レビュー)

前作「 ホーム・アローン 」では、兄のバズや他兄弟からの馬鹿にされた態度に腹をたてていたケビン。
本作では、少しだけ成長したケビンが登場しますが、相変わらず兄のバズからはちょっかいを出されています。
冒頭の合唱会のシーンでは、ケビンの怒りを発端に舞台がめちゃくちゃになり、ヒヤヒヤしてしまいますよね。
兄にちょっかいを出される弟、という構図に、「 あるある 」と頷いた方も多かったのでは?
またもやお仕置きとして、ケビンは屋根裏部屋で寝ることになりますが、今回は置いてけぼりをくらうことなく家族全員でクリスマス旅行に出発します。
しかし、空港ではぐれることとなり、ケビンだけニューヨークに向かう便に乗ってしまうのです。
もはや「 ホーム・アローン 」ではお決まりのパターンですよね。
前作では、自宅での一人暮らしを満喫するケビンでしたが、本作ではニューヨークでも人気の「 プラザホテル 」に一人で泊まり、優雅なホテル時間を過ごすことに。
前作よりも贅沢具合がパワーアップしています。
こちらのホテルでのシーンですが、トランプ前大統領がカメオ出演していることでも話題となりました。
当時、プラダホテルのオーナーはトランプ前大統領であり、撮影場所を提供する条件としてカメオ出演を要求したようです。
ホテルでの滞在中に、ケビンはダンカン・トイ・ストアというおもちゃ屋へ出かけます。
そして、偶然にも脱獄したハリーとマーブ(泥棒二人組)に遭遇してしまいます。
なんと、二人組はおもちゃ屋への強盗を計画していたのです。
ダンカン・トイ・ストアのクリスマスの売り上げが小児病院に寄附されることをダンカンから直接聞いていたケビン。
「 大切なお金を泥棒に渡すものか 」と強く感じ、強盗計画の阻止を心に決めます。
前作では「 大切な家を守ること 」がケビンの中でのテーマでしたが、本作では「小児病院への寄附金を守ること」がテーマになっており、ケビンの心の成長ぶりも感じられました。
「 ホーム・アローン2 」でも泥棒の間抜けぶりや、アイディアが光るケビンの攻撃方法が主体となって物語は進んでいきます。
しかし、物語を語る上で欠かせないのは「 鳩と暮らすホームレスの女性 」との関わり合いではないでしょうか。
シリーズ1作目での「 隣人マーリー 」のポジションが、本作では「 鳩と暮らすホームレスの女性 」となっています。
ホームレスの女性は、過去に好きだった人に裏切られ、人間不信になってしまったと語ります。
それに対して、ケビンは“大切にとっておいたローラースケートのサイズがいつの間にか合わなくなり、使えなくなってしまった”という話をするのです。
そして、“ハート(心)も同じ。使わなきゃ意味がない。しまったままでは、使いたくなった時にもう役に立たない”と。
人を信じることを怖がってばかりいては、誰にも愛を向けることはできないし、受け取ることもできない。
一歩を踏み出して、人に心を開くことの大切さを教えてくれる心温まるシーンです。
本作でも、ケビンは無事に泥棒を撃退し、最後には家族と再会することができます。
しかし、今回の大冒険の幸せな結末はそこではなく、「ホームレスの女性との消えない絆」がハッピーエンドをもたらしていると私は思います。
「 ホーム・アローン2 」は、見た目だけでなく、心も成長したケビンの姿が見どころの深みのあるコメディ映画です。
ホーム・アローン2(トリビア)
マコーレー・カルキンはこの映画の主演料として450万ドルを支払われたが、これは11歳の俳優としては史上最高額。
プラザ ホテルには敷地内にプールがないため、プールのシーンはイリノイ州シカゴのフォーシーズンズで撮影された。
マコーレー・カルキンが床の上を滑れるよう、ザ・プラザのロビーではあるシーンでカーペットが取り外された。当時ザ・プラザの所有者であったドナルド・トランプは、それをとても気に入ったので、決して取り替えることはなかった。
1992年のケビンのルームサービス請求額967 ドルは、2022年の約2,054ドルに相当する。
撮影は1991年12月9日に行われ、149日間の撮影を経て1992年5月6日に終了した。
マイケル・ジャクソンはセットでマコーレー・カルキンを訪問した。
ケビンがオーケストラコンサートを鑑賞しているコンサートホールはカーネギーホール。

