文・ライター:@miyako
マコーレー・カルキン演じるケビンが様々なアイディアを駆使し、泥棒を退治するクリスマス映画の代表「 ホーム・アローン 」
シリーズ3作目となる「 ホーム・アローン3 」では、主人公をアレックス・D・リンツ演じるアレックスへと交代し、シリーズの要素を受け継ぎながらも、まったく新しい作品へと変化を遂げています。
さらに、監督も2作目までを務めたクリス・コロンバスから、本作が長編映画デビューとなるラジャ・ゴズネルへとバトンタッチ。
今回は、キャストやスタッフがリニューアルした「 ホーム・アローン3 」の考察レビューを紹介します。
ホーム・アローン3

あらすじ
8歳のアレックスはメカや発明が好きな男の子。ある日、近所に住む老婦人から雪かきのお礼にリモコンカーを受け取る。リモコンカーにはアメリカ国防省の機密が隠されたマイクロチップが入っていた。何も知らないアレックスは、水ぼうそうにかかってしまい一人自宅で留守番をすることに。屋根裏部屋から近所を観察していたアレックスは、近隣の家に侵入している怪しい人物を目撃。彼らの目的は、リモコンカーに隠されたマイクロチップだった。泥棒の証拠を掴むため、アレックスはあらゆる手を使い国際的な犯罪集団に挑む。
原題
Home Alone 3
公開日
1998年7月25日
上映時間
102分
予告編
キャスト
- ラジャ・ゴズネル(監督)
- アレックス・D・リンツ(主人公:アレックス)
- オレック・クルパ(犯罪集団の一員:ペーター・オープリ)
- リヤ・キルステッド(犯罪集団の一員:アリス)
- デヴィッド・ソーントン(犯罪集団の一員:アンガー)
- レニー・フォン・ドーレン(犯罪集団の一員:ジャーニガン)
- ハヴィランド・モリス(アレックスの母親:カレン)
- スカーレット・ヨハンソン(アレックスの姉:モリー)
公式サイト
なし
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
ホーム・アローン3(考察レビュー)

「 ホーム・アローン 」といえば、天才子役として一世を風靡したマコーレー・カルキン演じるケビンのイメージが強いため、本作の公開時には驚いた方も多いかもしれません。
しかし、新たな主人公であるアレックス・D・リンツ演じるアレックスも、ケビンに負けず劣らずチャーミングで魅力的なキャラクターです。
幼さの残る見た目に反して、メカ好きで頭脳派という中身がいいギャップになっています。
また、前2作では、兄のバズなど主人公を馬鹿にする兄弟たちが登場していましたが、本作では姉と兄の2人が登場しています。
意地悪な笑みが特徴的な姉のモリー役を、若かりし頃のスカーレット・ヨハンソンが演じているのも本作の見どころでしょう。
「 ホーム・アローン3 」は、前2作よりも少し大人向けのストーリー。
国家機密の情報が収められたマイクロチップを巡って、ハイテク機器を駆使した犯罪集団と8歳のアレックスが対決する構図は、これまでのホーム・アローンシリーズにはない要素です。
前作まではお馬鹿な泥棒二人組が相手でしたが、今回は綿密に計画を立てる頭脳派の4人組が相手となり、よりハイレベルな戦いとなっています。
現場を念入りに下見して計画を練ったり、電話の回線を傍受したりと、チームで連携をとってアレックスのリモコンカーを狙ってくる4人組。
しかし、メカ好きのアレックスも負けていません。
監視カメラやマップで敵の位置を正確に把握しながら、8歳とは思えないアイディアで敵を追い詰めていくのです。
さらに、本作ではネズミのドリスや、兄のペットのオウムなど、動物が大活躍するのも大きな魅力。本物と人形の区別がつかないほど演技の上手な動物たちが登場しますよね。
「 主人公が敵を退治する 」という構図は変わっていませんが、国家レベルの犯罪に巻き込まれたアレックスの泥棒撃退法が斬新で、前2作よりも容赦のないものにパワーアップしています。
本作は、敵との頭脳戦が主体となって物語が進んでいきます。
一見、ただのアクション劇のように感じますが、アレックスが泥棒の証拠を掴むために奮闘していた理由である「自分の言うことを大人が信じてくれない」という点を見逃してはいけません。
近隣の家に泥棒が侵入しているのを発見したアレックスは、すぐに警察に通報しますが、警察が到着したのはすでに逃げられたあとでした。
そのため、アレックスは「 オオカミ少年 」という扱いを受けてしまいます。
もしも通報者が大人であれば、警察は周辺を捜索したり、さらに事情を詳しく聞いたかもしれません。
アレックスは、警察や周りの大人たちの態度に不満を抱え、「 自分は間違っていない 」ことを証明するために犯罪者集団に挑もうと決意するのです。
「 幼いから 」という理由で不当な扱いを受けてしまうアレックスの姿は、前2作のケビンと重なる部分がありますよね。
シリーズを通しての大きなテーマは、やはり「幼さゆえの葛藤」にあると感じました。
敵のレベルも戦い方もパワーアップした「 ホーム・アローン3 」は、ホーム・アローンの新たな魅力に出会える1本です。
ホーム・アローン3(トリビア)
マコーレー・カルキンはこの役に飽きてしまい、他にできることは何もないと感じたため、この映画への出演を断った。
スカーレット・ヨハンソンの初主演作。
ホームアローンシリーズでクリスマスを舞台にしていないのは本作のみ。
ホーム・アローンシリーズで初めて女性悪役が登場した。

