ザ・グローリー (レビュー)
エピソード1
第1話のレビューを見る
Netflixで配信と同時に、日本トップ1に躍り出た今作。
作品の魅力と、人気の訳を探っていきます。
ザ・グローリー。
輝かしき栄光。
しかし、それは輝かしい復讐という矛盾。
今ドラマを観る前の助走として、韓国映画の「 はちどり(2020)」を観ました。
きっと映画も今ドラマも韓国の現在を、みずみずしく辛辣に切り取って描いていると思ったからです。
果たして、その通りでした。
格差社会(貧困と富裕)、家父長制(男尊女卑)、歪んだ学校教育(いじめの顕在化)、持つ者と持たざる者の対比が、残酷なまでに反映されていました。
主人公であるムン・ドンウンは、持たざる者。
すなわち、イジメのターゲットでもあり、貧困層でもあり、救いの手を差し出してくれる人は皆無というどん底を体験します。
わたしたちは、イジメの時間、復讐の時間を交互に観賞しながら、加害者、被害者、傍観者の作り上げる理不尽な世界を見つめることになります。
観賞者は、果たしてどの位置に属するのでしょうか。
加害者? 被害者? あるいは、傍観者?
それぞれの視点によって、感じ方も変わるでしょうし、対岸の火事のように、安全圏から「 怖いもの見たさ 」を楽しむこともあるのでしょう。
でも、今作の魅力は、それだけではなさそうです。
主人公が復讐の道筋を追いかけるごとく、その訳を追ってみたいと思います。
エピソード2
第2話のレビューを見る
前話の冒頭。
主人公ムン・ドンウンは、故郷セミョン市へ戻ってきます。
そこで手にしたのは「 悪魔のトランペット 」いう白い花。
地面に向かう「 天使のトランペット 」とは対照的に、天に向かって咲くからそう呼ばれるそうです。
何のメタファーとなるのでしょうか。
2004年夏、主人公が壮絶なイジメの被害者であった高校時代のシーンと、当時の加害者に復讐を果たすべく故郷へ戻ってきた2022年現在のシーン。
それまでの過程の年月のシーンを、交差させながら進んでいきます。
イジメの首謀者であり、現在では人気ニュースキャスターとして華やかな生活を謳歌し、大手企業の社長と結婚を迎えるパク・ヨンジン。
学生時代から、絶対的権力を握った邪智暴虐の君主のように振る舞ってきた彼女をターゲットとして、その夫と、小さな娘に近づくべく、主人公は一歩ずつ着実に歩んでいきます。
第2話の注目点は、2004年にイジメグループに属していた男女たちの現在の姿でしょう。
ほしいままに快楽を貪り、弱者を痛めつける生き方は、学生時代よりさらに加速していました。
華麗なる復讐者として帰ってきた、ムン・ドンウンは、これからどのような計画で、どのような方法で、彼・彼女らに、裁きを与えるのでしょうか。
エピソード3
第3話のレビューを見る
第3話の面白味は、アジュンマ(おばちゃん)探偵の誕生でしょうか。
ムン・ドンウンは、財団理事長の豪邸に住む使用人と、協力関係を結ぶことになり、アジュンマが復讐の対象者たちの身辺調査に励みます。
デジカメの使い方も、車の乗り方も分からなかった使用人が、まるで初めて人生の喜びを覚えたかのように、1つ1つ覚えていき、着実に情報を収集する姿が面白かったです。
そして、前話で囲碁のレクチャーを施してくれた若い医師との再会。
さらに、大学の先輩と仲良くなり近づくことで、もう一人の、復讐対象者に近づきます。
いじめを見て見ぬ振りするどころか、イジメられたお前が悪いと少女時代のドンウンを見捨てたもと担任教師は、先輩の実家の父親です。
昨夜、「 守護教師(2018年)」を観て、教育者の堕落っぷりに驚き、今ドラマでの教師(担任)に通ずるものを感じました。
教師となって母校に戻ってきたドンウンは、同窓会に集まった加害者たちと再会します。
体育館で名誉卒業生として表彰されるパク・ヨンジンは、小さな娘を本校に通わせています。
「 ブラボー!」
満面の笑顔で拍手を送るのは、かつての被害者であり、今は復讐者として戻ってきた主人公。
エピソード4
第4話のレビューを見る
担任教師として就任したムン・ドンウンは、可愛らしい小学生たちの前で自己紹介をします。
「 この教室では、次の三つは力を持ちません。親の職業、財力、人脈。そして次のルールを守ること。いい服、いい車、いい家を盾に友だちをイジメない。」
「 もし、友だちをイジメたら、先生はその服を買い、車に乗せてくれる両親と、家を買ってくれた祖父母に許しを請わせます。よろしくね 」と。
まるで、少女時代の自分自身をイジメた彼・彼女たちに宣言しているようでもありました。
学生たちに復讐する映画「 告白 」の女性担任役の松たか子と、ドンウン役のソン・へジンの姿が重なりました。
唯一の違いは、今作では子供たちに罪がないということでしょうか。
イェジンを人質にとられたパク・ヨンジンの狼狽ぶりが見どころでした。
自らの手を下さずに、少女時代の加害者たちに制裁を加え始めたドンウン。
まるで、囲碁を打つように、ゲームを進めていきます。
ドンウンの囲碁の上達のスピードは、早かったのです。
何故なら、「 築き上げた家を奪えば勝つゲームを美しいと感じた 」から。
エピソード5
第5話のレビューを見る
復讐者として故郷に戻ってきたドンウンは、身分不相応な高級住宅地に引っ越してきました。
大家さんは、先生が安月給だということを案じ、家賃を相場よりも安くしてくれているようです。
壮絶なイジメの体験者である、ドンウンは、時折、自らに向けられる親切心には慣れていません。
「 幽霊でも出るのですか? 」
大家さんは、その問いに、「 人間の血が通っているようで安心したわ 」と笑います。
ただ、向かいの豪邸に住むヨンジン家族(夫は建設会社の社長ドヨン、娘はドンウンの教室に通うイェジン)を覗いて観察するためだけに、その家を選んだのでした。
まるでフィッツジェラルド原作「 華麗なるギャツビー(2013)」の主人公が、対岸の家の「 デイジー 」を眺めるために、豪邸を構えたように。
ドンウンの目的は、ただ1つ。
「 復讐 」のため。
復讐対象者の2人目である、ソン・ミョンオは、ドンウンの餌に釣られて協力者となります。
使い捨ての駒になることは疑いもせずに。
メメント・モリ。(死を思え)
エピソード6
第6話のレビューを見る
何者かに、葬られてしまったように見えるソン・ミョンオ。
ミョンオは、ドンウンから知らされた重大な情報をもとに、イジメの主犯者や共犯者たちに、脅しをかけていました。
ミョンオも、かつてのイジメグループの一員でもあり、現在では大富豪(曰く付き)のチョン・ジェジュンのパシリでもあります。
ドンウンは、ミョンオが「 単なる不在 」なのか「 急な訃報 」なのか分からず、工場勤務時代の後輩に、相談をします。
「 姉さんは喪服には困らないでしょ 」というブラックジョークに、微笑で答えるドンウンは心中で、
「 ミョンオは壊れたわ、そもそもSDカードは消耗品だし 」と、
かつての加害者に、容赦がありません。
主犯者ヨンジンの夫ハ・ドヨンも、ミョンオに秘密を握られたため、ジェジュンを訪ねますが、お互い、行方は知らず。
今話では、ミステリーの要素が加わりました。
そして、医者のチュ・ヨジョンは、ドンウンの協力者(剣舞を踊る処刑人)になることを誓います。
2人の間に、ロマンスは生まれるのか。
ただの復讐劇ではなく、ヒューマンドラマとして楽しめるところが、今作の魅力の1つだと思います。
エピソード7
第7話のレビューを見る
イジメの主犯者であったパク・ヨンジンは、夫のハ・ドヨンに過去を知られることを最も恐れています。
カリスマ人気ニュースキャスターという虚像を演じ続けるために、夫の富と権力を利用し、周りを押さえつけ叩き潰しながら、登りつめてきた悪女。
小さくて可愛い娘イェジンにも、夫を驚愕させるには十分な秘密があったのです。
その秘密を知ったのは、悪友=浮気相手であるチョン・ジェジュン。
彼がこっそり行ったDNA検査の結果、ジェジュンがイェジンの(生物学的)父親である確率は、99.9%。
(法律的)父親であるハ・ドヨンは、そのことを知る由もありませんが、娘の父親授業参観で、2度驚きます。
1度は、妻の同窓生の、いけ好かないジェジュンが来ていたこと。
2度目は、担任のムン・ドンウン先生が棋堂で出会って以来、ずっと気になっているあの女性だったこと。
はたして、3度目の最大級の驚きは、彼にもたらされるのでしょうか。
一方、ドンウンは別の復讐のターゲットであり、SNSに見栄っ張りな投稿を続けて、自己承認欲求を満たしているチェ・へジョンの元へ。
偶然(?)の再会は、「 華麗なる復讐 」というゲームボードの上の駒を、さらに一歩先へと進めるのでした。
エピソード8
第8話のレビューを見る
シーズン1、第1話の冒頭。
ムン・ドンウンの新居に土足で入ってくるパク・ヨンジン。
部屋中の壁に貼られた、かつての加害者たちの写真と、火傷痕をあらわにしたドンウンとの再会。
ドンウンはヨンジンを張り倒し、殺す前にこれまでの話を聞かせてあげる、とささやき、復讐物語が始まりました。
現在から、過去へ戻って、はたして冒頭シーンにたどり着くのでしょうか。
医者のチュ・ヨジョンは、囲碁パークで、ハ・ドヨンと初対面し、囲碁の対局を行います。
ヨジョンが復讐の手伝いで引っ越してきたというジョーク(?)に、「 韓国で復讐は難しい。銃がない 」と、ドヨンが返します。
「 ナイフがある。ナイフは至近距離からでないと 」と、真剣に語るヨジョンは、「 すみません。Netflixの観過ぎですね 」と笑いなおします。
私たちも、今作を観過ぎると、復讐中毒にかかってしまうかも知れません。
初めて復讐者ドンウンの狂気じみた眼差しを目にして、恐れや戸惑いを感じたのは、ヨンジンだけでなく、観賞者である私たちでもあったはずです。
それが、シーズン1が終わる頃には、ドンウンの復讐を応援する側になっているのではないでしょうか。
ドンウン宅に侵入したヨンジン。
物語は振り出しに戻るのでしょうか。
その扉を開いたのは、誰?
エピソード9
第9話のレビューを見る
シーズン1のラスト。
元・いじめ主犯者、現・人気ニュースキャスターであるヨンジンは、侵入したドンウンの家に現れた夫ドヨンと向かい合いました。
シーズン2の始まり。
ヨンジンと夫の会話を、モニターで監視するドンウン。
ヨンジンは夫に、宣言します。
「 パンドラの箱を開くのね 」と。
これまで見たことのない妻の豹変ぶりに、疑いを深めていくドヨンは、どう感じ、どう動くのでしょうか。
幻滅? 怒り? それとも・・・。
ドンウンは、ヨンジンにチャンスを与えます。
「 自首するのよ。復讐で与える罰はもっと厳しいから 」
ヨンジンは悔い改めるのでしょうか。
「 本当に復讐したいなら警察に行ってる、好きなだけどうぞ。マウスリベンジ 」
それでこそ、憎むべきヨンジンの姿。
ドンウンは復讐に罪悪感を抱かずに済むと、安心すらするのでした。
「 夫がくれた最後のチャンスを消した 」
意味深な言葉をヨンジンに投げかけ、ドンウンは場を去ります。
しかし、追い詰められていくヨンジンは、いじめっ子の本領を発揮していきます。
攻撃の矛先は、ドンウンの協力者へ。
蛇女ヨンジンに睨まれたアジュンマ探偵カン・ヒョンナムは、無事に難を逃れられるのか。
追い詰めるものと、追い詰められるものが交互に入れ替わります。
まるで囲碁のゲームのように。
エピソード10
第10話のレビューを見る
ヨンジンの夫ハ・ドヨンは、妻の不貞の現場を訪ね、疑惑から確信への道へと進み始めます。
その場には居ない、妻へ語りかけます。
「 自分に忠実なんだな 」と、何かに気づいた様子で。
表情の変化に注目。
一方、おばさん探偵ヒョンナムとドンウンの関係を知った、ラスボスのヨンジンは、ヒョンナムを脅しにかかります。
その後、ヒョンナムはスパイ映画の主役ばりに、娘を連れて車を飛ばし逃亡します。
娘の「 オンマ(お母さん)、かっこいいよ! 」という言葉に偽りなし。
ヨンジンの次の一手は、ドンウンの復讐というレールの上に、不安要素である置き石をして、同時に車両の破壊を試みること。
ドンウンにとって、忌々しい「 ヘアアイロン 」が2つも現れたのでした。
「 過去は過去、未来は未来 」
と開き直るヨンジンに、夫は答えます。
「 それを確かめに行った、君に道があるかを 」
さて、一ヶ月前の過去。
ドンウンから特大級の情報を得たミョンオは、水を得た魚のように、関係者たちへ脅迫電話をかけます。
過去の禁断の秘密を突きつけられた真犯人は、ミョンオにどう対処したのでしょうか。
ミステリーの回答編です。
予想通りでしょうか、意外だったでしょうか。
エピソード11
第11話のレビューを見る
ヨンジンの殺人シーンからのオープニング。
その一部始終の録音が同期されたタブレットを手にした者は、高笑いをします。
証拠隠滅に利用された、ヨンサン葬儀場は廃業中なのに、死体安置室の電力メーターは動き続けます。
悪夢を見たヨンジンは錯乱し、「 私に何をしたの?」
と、形成クリニックのチュ・ヨジョンに掴みかかります。
「 施術 」をしただけ。
ヨジョンの自宅の冷蔵庫の中に保存された容器が、意味深でした。
ハ・ドヨンの告白「 ドンウンは囲碁仲間で、息もできない瞬間がある 」、と聞き、それは浮気よ、となじる妻ヨンジン。
どの口が、それを言うのかという表情を浮かべたのは、ドヨンだけではないでしょう。
一方で、アジュンマ旦那のDVシーンは痛々しく、その凄惨さに、半地下の家族の劣悪な環境を描いた「 パラサイト(2019)」を思い出しました。
天気予報士ヨンジンの台詞を、ドンウンが反芻(はんすう)します。
「 うねりは、予防システムによる予測が難しく、さざ波ひとつない静寂のあと、一瞬ですべてを飲み込みます 」
各キャラたちの生み出したうねりは、やがて大きな波となり、物語を飲みこむのでしょうか。
エピソード12
第12話のレビューを見る
腐敗警察の象徴である、シン・ヨンジュン次長は、ヨンジン母との腐れ縁を断ち切ろうとします。
彼には、「 犯罪都市(2017)」のマ・ドンソク刑事に鉄拳制裁を受けて欲しいと思うのですが。
鉄拳制裁といえば、イェジンの実父である、チョン・ジェジュンが、
「 チュ・ジョンホはどこだ 」
と、学校の職員室へ怒鳴り込んできます。
チュ・ジョンホは、イェジンたち幼い子どもの、スカートの中の写真などを撮りためる小児性愛の変態教師だったのです。
教師による子どもへの集団虐待や、残虐な性犯罪事件を描いた「 トガニ(2011)」「 ソウォン(2013)」は、どちらも実話ベースで、映画公開後、児童たちへの性暴力が厳罰化されるなど、社会的な変化を起こしました。
ジョンホを見つけたジェジュンは、迷うことなく、鉄拳制裁を加えます。
法的には、これもアウトですが、胸をすく思いをしたのは、ムン・ドンウンや同僚教師たちだけではないはず。
ドンウンの復讐は進みます。
神父の娘であるサラの、薬物を打っての媚態と、ヨンジンの過去を告発した文章が、SNSで拡散されます。
復讐の女神ドンウンの、特大級のアルカイック・スマイルが、ヨンジンの表情を驚愕と怯えに変化させたのでした。
エピソード13
第13話のレビューを見る
ニュースキャスターA(ヨンジン )の過去が暴かれたことによって、ネットは大炎上。
事実を知った夫ハ・ドヨンは、会社の弁護士たちに妻を会わせます。
優先順位は、離婚よりも株価。
ヨンジンは、「 証拠があるの? 」と居丈高な態度で、白(しら)を切り続けます。
大衆に対しては、「 沈黙が金 」であることをよく知っているのでした。
もう一人の渦中の人、サラは、取調室で取り乱しながら、弁護士二人では足りない、末端公務員は失せろと反省の「 ハ 」の字もありません。
少女時代に、ドンウンがいじめを助けたギョンランの、その後が明かされます。
ドンウンは彼女に告げます。
「 あの頃の私たちを救う最後のチャンス、沈黙を守って 」と。
一方、ドンウンの協力者であるチュ・ヨジョンは彼自身の「 個人的な復讐 」計画を進めているようです。
かつての同輩と、昼飲みを楽しみ、囲碁パークへ立ち寄ると、ドヨンと奇遇にも再会し(エピソード8以来)、碁盤をはさんで向き合います。
そこでドヨンは、彼がドンウンの棋風に似ていることに気づくのでした。
「 常に攻めの姿勢で、静かに落ち着いている。我を忘れて追うと、自分の家は壊れている 」
ジェジュンは、被害者たちが失ったものの中で、取り戻せるものが何であるかを伝えます。
「 自分の栄光と名誉 」(ザ・グローリー)
それだけである、と。
エピソード14
第14話のレビューを見る
ムン・ドンウンは復讐の妨げとなる母親を排除します。
肉親でしかできない方法で。
オモニ(母)に告げた言葉は「 ありがとう、昔のままで 」
長澤まさみが毒親を演じた「 MOTHER マザー(2020)」も相当でしたが、今作における、ドンウン母のイカれっぷりは、ダントツですね。
さらに、加害者ヨンジンの母親も、相当な悪者です。
ブーン。ドカン。(車が人を轢いた音)
蛙の子が蛙なら、毒蛙の娘は毒蛙に育つのでしょうか。
ハ・ドヨン対チョン・ジェジュン、第二回戦。
今回はボクサーのような殴り合いではなく、言葉を用いての心理戦です。
前回は、ノックアウトされたジェジュンでしたが、今回は形勢逆転。
ドヨンの目を泳がせるほどに、痛烈な心理的カウンターパンチを打ち込みます。
2004年、冬。
雪の降り積もる中で、屋上から落下した少女。
「 ソロモンの偽証(2015) 」のオープニングのように、静かで、謎の多い光景。
真犯人だけが、真実を知っているのでしょうか。
ドンウンとジェジュンの共同生活。
復讐の合間に訪れる、平穏なひと時。
二人は「 愛の不時着(2019) 」のようなロマンスで、結ばれるのでしょうか。
復讐のあとに残されるものが、幸せであることを願います。
エピソード15
第15話のレビューを見る
二重スパイを演じたアジュンマ探偵は、依頼者であるヨンジンに、最後のプレゼントを渡します。
ビンタ! さらに、ビンタ!
「 よく子供をダシにできるね、母親のくせに! 」
「 半沢直樹(2013)」ばりの倍返しに、スカッとしました。
ヨンジンの過去を全て知った、夫のハ・ドヨンは慈悲の心で、ヨンジンに2つの選択肢を選ばせます。
遺族に謝罪し、罪を償うか、それとも、夫婦関係を終わりにするか。
ヨンジンの選択は?
そして、ドンウンの復讐のクライマックス。
ドンウンは、ヨンジン母に、娘の殺人の証拠を差し出して、自分を救うかどうか、という選択の余地を与えます。
ヨンジンの母が、娘を救うかどうかの鍵を握っています。
ヨンジン母の選択は?
一方、ヨンジンに裏切られた、サラもリベンジとして、過去のいじめ動画をネット上に晒します。
「 ハブ・ア・ナイス・デイ、クソ女 」byサラ
廃墟に立ったヨンジン、そこは光り輝いていたニュースキャスターとは正反対の真っ暗な世界。
「 ようこそ、ヨンジン 」by ドンウン
しかし、ヨンジンは記者会見で、号泣しながら泣き落としの演技をします。
その空っぽの涙に、いかほどの価値があるのでしょうか。
彼女の一番の罪は、罪なきイェソリ(娘)を泣かせたことなのに。
エピソード16
第16話のレビューを見る
いじめの加害者と被害者の違いは、その事実を、加害者は忘れ、被害者は決して、忘れられないということ。
18年間もドンウンのことを忘れていた、加害者5人は、ドンウンの周到な準備と手ほどきに導かれるようにして、それぞれの末路を辿ります。
ヨンジンの夫ハ・ドヨンが、チョン・ジェジュンの背中を押して、復讐を果たしたシーンが、印象的でした。
その他の悪事を働いてきた者たちにも、相応な幕閉じが訪れます。
悪徳刑事を襲うハンマーと雷鳴、ホン・ヨンエ(ヨンジン母)の逮捕。
相思相愛のドンウンとチュ・ヨジョン。
つかの間のドライブデートを心から楽しんでいるように見えますが、ドンウンはヨジョンを残して、風のように去ります。
ドンウンの向かった最終駅は、あの時の屋上。
最後の手紙(バイバイ、みんな)を燃やし、復讐の炎も燃え尽きます。命の炎も。
しかし復讐劇は、終わりません。
「 復讐は愛だった 」のです。
「 復讐の先生が教えてあげようか。今度は私が処刑人になる。あなたの1%は私が埋める 」
最強のコンビが向かう先は、「 あの男 」が収監されている刑務所。
ドンウンとジェジュンが見上げた空は、曇り空です。
もう1つの復讐劇は、まだ始まったばかり。
いつか二人の世界の空に、とびっきりの晴れが来ることを、願います。