イエスタデイ(2019)

原題(英題)
Yesterday
公開日
2019年10月11日
上映時間
117分
キャスト
- ヒメーシュ・パテル
- リリー・ジェームズ
- ジョエル・フライ
- エド・シーラン
- ケイト・マッキノン
- ジェームズ・コーデン
- アレクサンダー・アーノルド
- ミーラ・サイアル
- サンジーブ・バスカー
- ロバート・カーライル
コメント
ダニー・ボイルがビートルズに敬意を表して作られたのが本作。
ヒメーシュ・パテル演じる主人公のジャックは、交通事故に遭い昏睡状態に陥るも、その後回復します。
しかし、その世界ではビートルズ(及びビートルズに関連するもの)が消滅しており、ジャックだけが世界で唯一ビートルズを知る男となっていたのでした。
いわゆるパラレルワールドものですが、似たアイデアでは「 僕はビートルズ 」という漫画があります。
共通点としては、主人公がどちらもビートルズの曲を自分の曲として発表し、世界的なスターに成り上がっていくということです。
退院祝いでギターをプレゼントされたジャックが、恋人や友人たちの前で「 イエスタデイ 」を弾いたときの周りのリアクションと、
「 ドッキリ大作戦 」を仕掛けられたかのようなジャックの反応との差異がおかしいです。
「 いつこんなすごい曲を書いたの? 」
「 ビートルズだよ 」
「 へ? 」
「 ジョンジョージポールリンゴ、ビートルズ 」
「 何? 」
作中に次々と新曲として発表されるビートルズナンバーを、ヒメーシュ自身が演奏し歌っているのも魅力です。
ビートルズの曲がいかに傑作揃いであるのかを、再検証するシミュレーションとしても楽しめますね。
人気歌手のエド・シーラン役を本人が演じているのも愉快で、ヒメーシュと即興バトルを繰り広げるのも見どころです。
そして、ビートルズファンとしては、涙なしには見られない丸眼鏡の「 彼 」との邂逅シーン。
ポールやリンゴ、オノ・ヨーコ、ジョージの妻・オリヴィアも本作を好意的に受け止めていることからも、ダニー・ボイルからのビートルズたちへのラブレターは、しっかり届いたのでしょう。
愛と平和。本当に素敵な作品だと思います。
まとめ
こうしてダニー・ボイル作品をまとめてみると、「 トレインスポッティング 」の印象が強かった監督も、試行錯誤や賛否両論を乗り越えて、映画界を代表する名監督の一人であることは明らかですね。
これからもたくさんの名作を生み出してくれることを期待したいです。
続編シリーズともなる「 28年後… 」「 スラムドッグ$ミリオネア2(?) 」を彼が手掛けるかは不明ですが、楽しみに待ちたいですね。

文・ライター:ジョナ