ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場(1986)

原題(英題)
Heartbreak Ridge
公開日
1987年1月31日
キャスト
- クリント・イーストウッド(監督・出演ともに)
- マーシャ・メイソン
- エベレット・マッギル
- モーゼス・ガン
- アイリーン・ヘッカート
- ボー・スベンソン
- ボイド・ゲインズ
- マリオ・バン・ピーブルズ
- アーレン・ディーン・スナイダー
- ビンセント・アイリザリー
- ラモン・フランコ
- トム・ビラード
コメント
イーストウッドが製作・監督・主演を務めた12作品目は、鬼軍曹が軟弱極まりない兵士たちを育て上げていく戦争ドラマだ。
かつて、朝鮮戦争やベトナム戦争で功績を残したトム・ハイウェイ。
古巣の海兵隊に再志願するも、弱々しい兵士たちの教育係として派遣される。
最初は衝突を重ねていたハイウェイと兵士たちだったが、徐々に打ち解けてゆき、信頼関係を構築していく。
そんな折りに、中米グレナダへ出動の命令が下るのだった。
真剣な面持ちをしたポスターの印象とは異なり、なかなかコミカルな前半部分がクスッと笑えて心をほぐす。
のちに「 ニュー・ジャック・シティ 」(1991)で監督デビューを果たすマリオ・ヴァン・ピーブルズが
新兵の一人を演じているのも本作の見どころだ。
バード(1988)

原題(英題)
Bird
公開日
1989年3月
キャスト
- フォレスト・ウィテカー(監督)
- ダイアン・ベノーラ
- マイケル・ゼルニカー
- サミュエル・E・ライト
- キース・デビッド
- マイケル・マクガイア
- ジェームズ・ハンディ
- デイモン・ウィテカー
コメント
イーストウッドが大好きなジャズを題材にした13作品目の「 バード 」
ジャズ界で伝説とされるアルトサックス奏者・チャーリー・パーカーとその妻の生涯を映画化。
160分にも及ぶ映像から伝わるイーストウッドの情熱と敬愛の念は、僕ら観客の胸を熱くさせる。
バードというタイトルは、チャーリー・パーカーが持つもう一つの名前だ。
彼の演奏が「 羽ばたく鳥のように自由で華麗 」だというところから、バードの愛称で親しまれたという。
チャーリー・パーカーを演じた主演のフォレスト・ウィテカーが1988年カンヌ映画祭主演男優賞を、
作品は特別優秀技術賞を受賞した。
同年の米アカデミー賞録音賞にも輝いた珠玉のジャズ映画だ。
ホワイトハンター ブラックハート(1990)

原題(英題)
White Hunter Black Heart
公開日
1990年11月9日
キャスト
- クリント・イーストウッド(監督・出演ともに)
- ジェフ・フェイヒー
- ジョージ・ズンザ
- アラン・アームストロング
- マリサ・ベレンソン
- エドワード・チューダー=ポール
コメント
14作品目となる本作で、常識に囚われない型破りな映画監督であるジョン・ウィルソンを演じたイーストウッド。
本作は、ストーリーも型破りとなっている。
気性も行動も極端なジョン・ウィルソンは、映画の撮影そっちのけでゾウ狩りに夢中になってしまう。
撮影は難航し、ウィルソンのわがままはエスカレートしてゆく。
こんな荒唐無稽な話があるのかと笑っていたのだが、なんと実話に基づいたストーリーでただただ驚く。
1951年の「 アフリカの女王 」にて、監督のジョン・ヒューストンが撮影中にアフリカでハンティングに夢中になってしまう、
という逸話が本作のモデルである。
この事実を避難するキャスト陣の本も出版されており、ロケに同行した脚本家のピーター・ヴィアテルも当時の体験を
「 ホワイトハンター ブラックハート 」というタイトルで小説にしている。
イーストウッドは、この小説を映画化し、ピーター・ヴィアテル本人も脚色を手伝った。
序盤からぺちゃくちゃと喋り、笑顔を見せるイーストウッドの演技の幅が垣間見える作品だ。
ルーキー(1990)

原題(英題)
The Rookie
公開日
1991年2月15日
キャスト
- クリント・イーストウッド(監督)
- チャーリー・シーン
- ラウル・ジュリア
- ソニア・ブラガ
- トム・スケリット
- ララ・フリン・ボイル
コメント
「 ガントレット 」や「 ダーティハリー4 」と同じく、刑事ものの作品。
イーストウッドが主演を務め、「 プラトーン 」(1986)のチャーリー・シーンと共演を果たしている。
新米刑事であるデヴィット(チャーリー・シーン)とベテラン刑事のニックが、
自動車窃盗団に手錠をかけるべく疾走するポリスアクション。
爆破や銃撃戦、カーチェイスなどのシーンは迫力満点で、息をつく間もなく展開されるド派手なアクションにワクワクが止まらない。
チャーリー・シーンの無鉄砲ぶりと、還暦を迎えたイーストウッドの動きにも注目したい作品である。