本作のラストシーンは、望遠鏡の先に見えるものをノアとメイ(ノヴァ)が見上げて終わる。
果たしてその空には何が映っていたのか。
そして、今後の展開はどのようなものになるのか。
新たなシリーズを迎えた「 猿の惑星 / キングダム 」
その謎めいたラストについて考察していこうと思う。
本作を観ていない方は注意してほしい。
→ 猿の惑星シリーズ
「 猿の惑星 / キングダム 」
あらすじ
映画史に残る神話的名作シリーズ『猿の惑星』完全新作! 今から300年後の世界、猿たちは絶対的支配を目論み、巨大な帝国<キングダム>を築こうとしていた。一方、人類は退化し、まるで野生動物のような存在となっていた。 そんな世界で生きる若き猿ノアは、ある人間の女性と出会う。 彼女は人間の中で“誰よりも賢い”とされ、猿たちから狙われていた。 猿と人間の共存は不可能なのか。はたして、この世界で生き残るのは―。 完全新作として描かれる新たな“猿の惑星”。 ノアが出会った人間の女性に隠された秘密とは何なのか。 進化は本当に“彼ら”を選んだのか。この惑星に隠された驚くべき真実とは―!
公式サイトより
原題
Kingdom of the Planet of the Apes
公開日
2024年5月10日
上映時間
145分
予告編
キャスト
- ウェス・ボール(監督)
- オーウェン・ティーグ
- フレイヤ・アーラン
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
望遠鏡に映るものは人工衛星か
メイは何かの動力源となるハードディスクをキングダムから持ち帰り、結果敵に他の生き残った人間と連絡をとることに成功した。
そしてラストは、再びノアが望遠鏡のある場所に出向き空を見上げ、その”何か”は映されないまま終わる。
どでかいパラボラの使用や空にあるものといえば、人工衛星以外考えられないだろう。
そこには人類が他の生き残った人類と連絡を取るための、人工衛星が映し出されていたのだ。
人類は再び科学の力を取り戻し、猿はその力を知るエンディングだ。
そして本作をきっかけに、猿と人間の戦闘が拡大することが示唆されている。
メイが隠し持っていた銃は希望か絶望か
ノアが村を取り戻したあと、メイが別れの挨拶に訪れる。
メイの片手には隠し持った銃。
ノアは知らずにシーザーの話をする。
「 人間との共存 」を目指したシーザーは正しかったのか、と。
それを聞いてメイは銃にかけた手を下げるというシーンだ。
メイはノアに共存の可能性を感じ、希薄ながら希望を抱いたのだ。
猿と人間、互いに生き残りをかけた戦いに発展するのは目に見えて明らか。
しかし、ノアならば…。
そして同時に、ノアもメイに答えを探す。
本当に共存が望めるのであれば、メイと一緒に…。
共存を望む者がいる一方で、決して交わることのできない種の違いは、現代のウクライナとロシアやアラブとユダヤの争いを想起させる。
もし別れを告げる際にノアが人間を憎んでいたら、メイは手にかけた銃を抜き、共存の道は絶たれていたかもしれない。
ただ、あの瞬間に殺さなかったことで、新たなシーザーが生まれ、新たな争いが生まれるやもしれない。
生かしたことが希望となるか絶望となるかは、今後の展開を見ない限りわからないだろう。
まとめ
望遠鏡に映るものが何だったのか。
本作最大の見せ場でもあるラストは、「 メイズランナー 」を手がけたウィス・ボール監督らしい演出とも言える。
最後にノアとメイが空を見上げるシーンはとても印象深い。
果たして猿と人間は共存できるのか。
今後の展開に胸が踊る。
文・ライター:みくと