「 もっと遠くへいこう。」考察レビュー、シアーシャ・ローナン&ポール・メスカル共演のSFスリラー

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SF?サスペンス?ラブストーリー?

どのジャンルにも収まりきらない近未来ディスコミュニケーション人間ドラマ。

ミニシアター系映画をじっくり観たい方におすすめ!

目次

もっと遠くへ行こう。

©Foe

あらすじ

人里離れた土地で静かに暮らすヘンとジュニアの夫婦のもとに、ある日突然見知らぬ男が訪れてくる。その男・テランスは、ジュニアが宇宙への移住要員候補に選ばれたことを告げ、夫婦は驚きを隠せない。ジュニアが宇宙に行っている間は、ヘンのもとに彼の代わりとなる人物を置くというが、この提案をきっかけに、二人の静かな生活は大きく変化していく。

原題

Foe

公開日

2024年1月5日

上映時間

111分

予告編

キャスト

  • ガース・デイビス(監督)
  • シアーシャ・ローナン
  • ポール・メスカル
  • アーロン・ピエール

公式サイト

もっと遠くへ行こう。

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

考察レビュー

©︎Foe

これはネタバレなしで書くのは無理!ということでアリでいきます。

まず、原題の「 Foe(意味:敵) 」だと思って観た方がいい。

シアーシャ・ローナンは通常運転でうまかったが、ポール・メスカルの演技をがっつり観たのが初めてだったので、彼の上手さに惹き込まれた。

近未来SFのはずなのにワンシチュエーション劇に近いので、この2人がググッと物語の質を引き上げているのは言うまでもない。

「 2年間の準備期間 」「 テランスが来た時のヘンの反応 」「 テランスのニヤニヤ、時々大笑いな態度 」「 頻繁に行われる内緒話 」など、各所に散りばめられた謎。

これらがその後出てくる多くの疑いに拍車をかける仕掛けになっていて、淡々とした中でも謎が謎を呼ぶ展開がどんどん盛り上がりをみせ、観客を上手く引き込んでいる。

途中、宇宙へ行く話自体、夫婦を取り換えるための名目に過ぎないのでは?と疑ってしまったが、どうやら本当に宇宙には行っていたようだ。

だってSF入り口の物語のはずなのに、思い切りよすぎなくらい宇宙カッティングしてきたから(笑)

イアン・リードの原作と本作制作陣が描きたかったのは、ディスコミュニケーションの話。

愛は盲目的なもので価値観は現実のもの。

相反するはずなのに、この二つはいつもセットだ。

そして悲しきかな、愛で始まったはずの結婚も、結婚生活となると価値観が圧倒的に強い。

偽物の中に本物の愛を見出したヘンと、本物の愛を維持する為に偽物の世界を選んだジュニア。

価値観は真逆な二人だけれど、二人とも終始「 俺が私が 」とYOUメッセージでしか言葉を発していない。

価値観の違いは力技で抑え込んではいけないものなのに、互いに一方通行のボールを投げ続け、「 なんで取らないんだ! 」と怒り続けている。

価値観は真逆だけど、気質は合わせ鏡のような二人なのだ。

そして、世の離婚パターンはこのケースが非常に多いので、耳が痛い人もいるはず…(苦笑)

まとめ

結局、価値観という曖昧な概念の話な上に、観客を迷路に誘い込む数々の伏線のせいで、こちらはずっと「 夢なの?現実なの?過去なの?現在なの?本物なの?偽物なの?」と、頭の中が疑問符でいっぱいな状態で観なければならない。

好きな方にはたまらないだろうし、抽象的な話が苦手な方は下手すると爆睡しちゃう作品です。

管理人

文・ライター:リリヲ

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