「 ホワイトバード はじまりのワンダー 」の映画情報・あらすじ・レビュー

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文・ライター:ayahhi

ナチス占領下のフランスを舞台に描く「 人間の善意の強さ 」に落涙。

人間の浅ましさと奥深しさの極みを見せつけらるような、教育的な良作。

目次

ホワイトバード はじまりのワンダー

©White Bird

あらすじ

いじめによって学校を退学処分になったジュリアンは、自分の居場所を見失っていた。そんな中、ジュリアンの祖母のサラがパリから訪ねて来る。あの経験で学んだことは、「人に意地悪も優しくもしない。ただ普通に接することだ」と孫の口から聞いたサラは、「あなたのために話すべきね」と自らの少女時代を明かす。 時は1942年、ナチス占領下のフランスで、ユダヤ人であるサラと彼女の両親に危険が近づいていた。サラの学校にナチスが押し寄せ、ユダヤ人生徒を連行するが、サラは同じクラスのジュリアンに助けられ、彼の家の納屋に匿われることになる。クラスでいじめられていたジュリアンに何の関心も払わず、名前すら知らなかったサラを、ジュリアンと彼の両親は命がけで守ってくれる。日に日に二人の絆が深まる中、終戦が近いというニュースが流れるのだが──。
(公式サイトより引用)

原題

White Bird

公開日

2024年12月6日

上映時間

121分

予告編

キャスト

  • マーク・フォースター(監督)
  • アリエラ・グレイザー
  • オーランド・シュワート
  • ブライス・ガイザー
  • ジリアン・アンダーソン
  • ヘレン・ミレン
  • ジェム・マシューズ
  • イーシャイ・ゴーラン
  • オリビア・ロス
  • ジョー・ストーン=フューイングス

公式サイト

ホワイトバード はじまりのワンダー

作品評価

  • 映像 
  • 脚本  
  • キャスト 
  • 音楽  
  • リピート度 
  • グロ度 
  • 総合評価 

優れている点

©White Bird

ハンデを持ち学校でいじめられているジュリアンと、戦争によって弱者の立場になったサラ。

それまではサラはどちらかといえばいじめる側の人間だったこと、そしてその事実がどれだけジュリアンに深い傷として残っていたかがなんともリアルで、胸に響きました。

考察

もしサラを匿わなければ、ナチスに殺されずに済んだジュリアン。

しかし彼は、自らの安全よりも、愛するもののために自らを差し出すことを選び、結果として愛を得ます。

「 安全だけれど孤独 」あるいは「 危険だけれど真実の愛を知る 」、そのどちらを選ぶかということに正解はありません。

自分を犠牲にしてまで命を守ってくれたジュリアンに感謝したサラが、のちに戦禍を繰り返さないための役割を果たすことは救いです。

それにつけても、ナチスのユダヤ人迫害を描いた作品を見るたびに感じるのが、これらを「 過去の過ち 」と切り捨てられないことです。

現代においても、異なるルーツや信条を持つ人への反感や攻撃は絶えません。

それは、我々人間の核は時代が変わっても同じだという証でしょう。

我々現代人は、注意しないと同じ過ちを繰り返してしまう恐れが十分にあると自覚しなくてはいけないと感じます。

最後に

本作は文部科学省推薦作品となっています。

ナチスに傾倒する同級生がジュリアンを暴行するシーンは残酷すぎて子どもには刺激が強いのでは?と思いましたが、監督によれば、

この映画では社会現象としての「 いじめ 」も描いており、いじめられている人を助けてほしいという思いも込めたそうです。

人間の「 残酷さ 」や「 人を助ける強さと優しさ 」は、むしろ子どもの方が純粋に持っているものかもしれません。

「 ナチス的なもの 」を生むのも、それに対抗して弱い存在を守ろうとするのも人間。

そして当然ながら、人間は子ども時代を経て成長し、時代を作っていきます。

そう考えると、やはり子ども時代こそ、人間性の基礎を作る大事な時期であり、こうした作品に多くの子どもたちが触れてくれることを願ってやみません。

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