「 VESPER ヴェスパー 」解説・考察レビュー、あらすじ&キャストまとめ【 欧州発のダークファンタジー 】
この度、世界3大ファンタスティック映画祭の1つである、ベルギーのブリュッセル国際ファンタスティック映画祭で最高の栄誉に輝いた注目作「 VESPER 」が遂に全国の劇場で公開されました。
フランス、リトアニア、ベルギーの合作で、予告編からしても、これは面白いだろうと期待してしまうVFXや手の込んだ独創的なクリーチャーにワクワクして公開が待ち遠しかったです。
本記事では、そんな欧州発となるダーク・ファンタジーの見所について独自の視点から紹介します。
VESPER ヴェスパー
あらすじ
遠い未来、生態系が破壊された地球では一部の富裕層が治安の良い「 シタデル 」という城塞都市で暮らし、それが以外の貧困者は危険地域で暮らしていた。ある日、森の中で権力者の娘を見つけた少女ヴェスパーの物語が大きく動きだす。
公開日
2024年1月19日
原題
Vesper
上映時間
89分
予告編
キャスト
- クリスティーナ・ブオジーテ(監督)
- ブルーノ・サンペル(監督)
- ラフィエラ・チャップマン
- エディ・マーサン
- ロージー・マキューアン
- リチャード・ブレイク
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
本作の見どころは、圧倒的なスケールで描かれる世界観と映像美。
「 異世界 」という点では、アレックス・ガーランド監督の「 アナイアレイション 」で登場する絶滅領域のように、特徴的な植物や進化した生物、個性的な生命体が本作でも多々登場します。
一通り見終わった後に不思議な既視感を感じ、よくよく考えてみると、もしやナウシカを実写化した作品では?という印象が自分の中では残りました。
不思議な能力を持つ少女が、荒廃した世界で救世主として多くの人を救い、ユニークな相棒と助け合いながら必死に生き抜き、最終的に大自然の共同体とシンクロしていく姿に感動しました。
相棒のドローンがキュートで、人間ではないですが、それこそナウシカに登場する架空生物(キツネリスのテト)のように、ヒロインを献身的にサポートします。
世界の運命を託される、時に自然の生命体にも助けられるヒロインの辿る数奇な冒険を、透明感あるクリアな画質でアーティスティックなVFXなどで圧倒され、まるで追体験しているかのように臨場感を感じました。
VFXというと最近では「 ゴジラ−1.0 」でのゴジラが光線を放つ映像が注目されましたが、本作はそれらとは一線を画すVFXを体験できます。
宮崎駿にもインスピレーションを受け、リトアニアの自然資産をうまく活用したロケーション・ハンティングなどが、あそこまで圧倒的な世界観を構成し、映像表現できていたと思います。
新年早々に欧州圏のインディペンデント映画でここまで美して儚いダーク・ファンタージに引き込まれたことは幸運です。
この独創的で唯一無二の世界観、映像美に酔いしれてほしいです。