「 ポトフ 美食家と料理人 」考察・解説レビュー、あらすじ&キャストまとめ

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文・ライター:@ayahhi

優美な映像にくぎ付けになる、官能的なグルメ映画。

「美食」という5感を総動員させる芸術にお腹も心も満たされるような1本。

目次

ポトフ 美食家と料理人

©︎La-Passion-de-Dodin-Bouffant

あらすじ

物語の舞台は19世紀末のフランス。美食家(ドダン)と天才料理人(ウージェニー)は、極上の料理を振る舞う名コンビとして知られていた。ある日、ドダンはポトフで皇太子をもてなす計画をウージェニーに打ち明けるのだった。

原題

La Passion de Dodin Bouffant (The Pot-au-Feu)

公開日

2023年12月15日

上映時間

136分

予告編

キャスト

  • トラン・アン・ユン(監督)
  • ジュリエット・ビノシュ
  • ブノワ・マジメル他

公式サイト

ポトフ 美食家と料理人

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

考察レビュー

©︎La-Passion-de-Dodin-Bouffant

とにかく映像が美しいです。カメラワークも秀逸で優美な料理はもちろん、それが作られる過程のきめ細やかさやスピード感の演出が巧みでした。

カンヌ映画祭監督賞も受賞も納得の技術だと感じます。

さっきまで生きていた鶏や、もぎたての野菜(もぎ取る音も含めて)の生き生きとした食材のエネルギーや、真剣に向き合う料理人の活気が料理にそのまま反映されており、

一皿一皿の持つ魅力がスクリーンの外にもあふれ出ているようでした。

5感を総動員してぞんぶんに料理を堪能する美食家たちを見ると、まさに生きる上での最大の喜びのひとつを享受している様を見せつけられ羨ましくて仕方なくなります。

美食家たちは、料理を味わい尽くすことの豊かさを体現しており、その研ぎ澄まされた感覚なくしては美食には向き合えないと感じました。

描いているのは、受け身ではなく、能動的なグルメ体験。

一皿に与えられた情報から、自らが持つ知識や感覚を素早く取り出し、立体的に組み立てるという行為を積み重ねる美食家たちや、そんな料理を提供する料理人は、もはや芸術を共に作り上げるパートナーと言えるのではないでしょうか。

パートナーといえば、天才料理人ウージェニーと有名美食家ドダンのラブストーリーが、本作の軸となっていますが、料理人として将来有望な少女ポーリーヌとの疑似的親子関係も印象深く描くなど、

むしろ「 互いへの信頼やリスペクト 」という、広い意味でのパートナーシップこそが映画全体の主題だったように思います。

安易なラブストーリーとは一線を画していると感じ、好感を持ちました。

まとめ

「 消費 」とは程遠い、魂を吹き込まれた料理と、真剣に向き合う客。

毎食こんな感じであればそれはそれで疲れそうな感じもしますが、19世紀末のフランスにはこうした確固とした美学があったのだな、と思いを巡らす、豊かな映画体験ができる作品です。

見終わった後は、手軽なものばかり食べている日常生活を見直して、美味しいものを食べに行きたいな、という気持ちになりますよ。

おすすめサイト

食品業界のインタビューメディア:マイストーリー

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