スパイダーマン(2002)

原題(英題)
Spider-Man
公開日
2002年5月11日
上映時間
121分
キャスト
- サム・ライミ(監督)
- トビー・マグワイア
- ウィレム・デフォー
- キルステン・ダンスト
- ジェームズ・フランコ
- クリフ・ロバートソン
- ローズマリー・ハリス
- J・K・シモンズ
- ゲリー・ベッカー
- ビル・ナン
- ジャック・ベッツ
- スタンリー・アンダーソン
- ロン・パーキンス
- マイケル・パパジョン
- K・K・ドッズ
- テッド・ライミ
- ブルース・キャンベル
- エリザベス・バンクス
- ジョン・パクストン
- オクタビア・スペンサー
コメント
言わずと知れた人気コミックをサム・ライミが映画化。
主人公のピーター・パーカーが蜘蛛に噛まれたことから超能力を手に入れ、ヴィランと対峙していく様をダークな質感で描いていく。
トビー・マグワイア主演の本作から、これまでにアンドリュー・ガーフィールドの「 アメイジング・スパイダーマン 」(2012)とトム・ホランドのマーベルシリーズで制作されてきたスパイダーマン。
原作から最も遠い設定であるにもかかわらず、未だに根強い人気を誇るサム・ライミ版のスパイダーマンは、オリジナリティと敬愛に富んだ作品となっている。
筆者も悩ましいところではあるが、サム・ライミ版が一番好きだ。
弱々しいピーター・パーカーから、超能力を手にした奢りや葛藤を描き、ヒーローとしての側面を多面的に捉えている。
だからこそヒーローものでありながら重厚な人間ドラマが感じられ、厚みのある映画として楽しめるのだ。
それは今までに制作してきたホラー映画の形相を残していたからなのではないだろうか。
アメイジングともマーベルシリーズとも異なる異様な空気感が本シリーズの魅力なのだと感じる。
↓「 スパイダーマン 」関連記事はこちら
【 サム・ライミ版 】スパイダーマンの超有名キスシーン、トビー・マグワイアは半分溺れていた
スパイダーマン2(2004)

原題(英題)
Spider-Man 2
公開日
2004年7月10日
上映時間
127分
キャスト
- サム・ライミ(監督)
- トビー・マグワイア
- キルステン・ダンスト
- アルフレッド・モリーナ
- ジェームズ・フランコ
- ローズマリー・ハリス
- J・K・シモンズ
- ドナ・マーフィ
- ダニエル・ギリス
- ディラン・ベイカー
- ビル・ナン
- バネッサ・フェルリト
- アーシフ・マンドビ
- テッド・ライミ
- エリザベス・バンクス
- ブルース・キャンベル
- ウィレム・デフォー
コメント
「 スパイダーマン 」の続編。
科学者のドクター・オクタビウスが怪人と化し、街を襲い始める。
ピーター・パーカーは私生活とヒーロー業との間で四苦八苦。
やがて追い詰められたピーターは、ヒーロー業を廃業してしまう。
前作に続き単純なヒーローもののストーリーを展開させるだけでなく、一人の青年の苦悩を忠実に描き出すサム・ライミ。
リアルな学生の悩みをつぶさに描き出したヒューマンドラマが詰め込まれている点も、筆者が大好きな部分であり、本作最大の魅力といっても過言ではない。
ピーターが等身大であるからこそ、私たち観客は真にスパイダーマンに共感し、応援できるのかもしれない。
サム・ライミ監督独特のダークなストーリー性と胸をすく爽快アクションの連続は、圧倒的な人気を誇る理由にしては十分すぎるのだろう。
実際に興行収入で見ても「 スパイダーマン 」が75億円、本作が67億円、「 スパイダーマン3 」71億円と、日本で最もヒットしたスパイダーマンシリーズだと分かる。
全世界歴代興行収入2位の「 アベンジャーズ エンドゲーム 」(2019)でも、日本での興行収入は約61億円。
サム・ライミ版のスパイダーマンがいかに特異かを示している。
スパイダーマン3(2007)

原題(英題)
Spider-Man 3
公開日
2007年5月1日
上映時間
140分
キャスト
- サム・ライミ(監督)
- トビー・マグワイア
- キルステン・ダンスト
- ジェームズ・フランコ
- トーマス・ヘイデン・チャーチ
- トファー・グレイス
- ブライス・ダラス・ハワード
- ジェームズ・クロムウェル
- ローズマリー・ハリス
- J・K・シモンズ
- エリザベス・バンクス
- ディラン・ベイカー
- クリフ・ロバートソン
- テレサ・ラッセル
- ビル・ナン
- ブルース・キャンベル
- テッド・ライミ
- パーラ・ヘイニー=ジャーディン
コメント
本作は、シリーズを通して最も邪悪で闇深い仕上がりとなっている。
ピーター・パーカーが謎の生命体に取り憑かれ、闇堕ちしてしまうのだ。
本来のピーターから好戦的な男へと変貌を遂げ、戦闘スタイルや髪型も一変する。
本作のヴィランにあたるサンドマンとニュー・ゴブリンの登場、そしてブラック・スパイダーマンへの変身など、さまざまな要素が入り混じっている本作。
やや多すぎるのでは?と疑問を抱くものの、これほどまでに多くの事象を一つの作品にまとめ上げたサム・ライミの手腕が素晴らしい。
数々の印象的なシーンを残し、興行収入は71億円と日本でも大ヒットを記録。
全世界の興行収入は8億9,000万ドル超と、サム・ライミ版のスパイダーマンシリーズで最も高い。
残虐な戦闘描写から二面的なピーターの挙動、友情、恋模様に至るまで、どの部分を切り取ってもおもしろい。
サンドマン役にトーマス・ヘイデン・チャーチ、ヴェノム役にトファー・グレイスらが新たに出演。
本作からシリーズ第4弾が企画されるも、アンドリュー・ガーフィールド主演の「 アメイジング・スパイダーマン 」にバトンを渡すこととなった。
スペル(2009)

原題(英題)
Drag Me to Hell
公開日
2009年11月6日
上映時間
99分
キャスト
- サム・ライミ(監督)
- アリソン・ローマン
- ジャスティン・ロング
- ローナ・レイバー
- ディリープ・ラオ
- デビッド・ペイマー
- アドリアナ・バラッザ
- チェルシー・ロス
- レジー・リー
- モリー・チーク
- ボヤナ・ノバコビッチ
- ケビン・フォスター
- オクタビア・スペンサー
コメント
サム・ライミの真骨頂でもある“ 恐怖 ”と“ 笑い ”の調和、斬新かつユニークなカメラワークなどが炸裂する本作。
今までの集大成といっても過言ではないスリリングな映像は、観客を一気に映画の世界へと引き摺り込む。
ラミアと呼ばれる悪魔から、少年を救えなかったとある霊媒師の物語から幕を開ける。
時が流れ40年後、銀行員として働いていたクリスティンは、とある老婆からローンの返済猶予を求められる。
彼女は次長職になりたいがために返済猶予の延長を認めなかった。
怒り狂った老婆は彼女を待ち伏せし、強力な呪いをかけて去って行く。
翌日から不可解な現象がクリスティンを襲い、彼女は心身ともに疲弊していくのであった。
作中、ドキッ!とする場面が何度も観客の心臓を襲う。
終盤には、一気にクローズアップするカメラワークや、雷がゴロゴロと鳴る中で主人公が墓を掘るシーンなど、なかなかにコミックチックな演出が続いておもしろい。
だが、これもラストへの布石だと考えると、観客の心を巧みに誘導するサム・ライミの恐ろしい思惑が垣間見える。
後味はさておき、作品自体の完成度が高く、見応えのある映画だ。
オズ はじまりの戦い(2013)

原題(英題)
Oz: The Great and Powerful
公開日
2013年3月8日
上映時間
130分
キャスト
- サム・ライミ(監督)
- ジェームズ・フランコ
- ミラ・クニス
- レイチェル・ワイズ
- ミシェル・ウィリアムズ
- ザック・ブラフ
- ビル・コッブス
- ジョーイ・キング
- トニー・コックス
- アビゲイル・スペンサー
- ブルース・キャンベル
コメント
「 オズの魔法使 」(1939)に登場する大魔王・オズの前日譚を描いたファンタジー映画。
女たらしのマジシャン・オズは、ある日気球に乗って空を飛んでいると、竜巻に巻き込まれて魔法の国に迷い込んでしまう。
そこは、自分の名前と同じ名を持つ「 オズの国 」。
そこでオズは伝説の魔法使いだと勘違いされ、悪い魔女をやっつけてほしいと頼まれてしまう。
サム・ライミは、原作のファンだという。
原作のオマージュもふんだんに盛り込み、大人から子どもまで、誰もが楽しめるアドベンチャー作品に仕上げた。
特急列車よろしく美しいファンタジー世界を全力で駆け抜けるオズの冒険は、終点までワクワクとドキドキが止まらない。
持ち前のスピード感溢れるカメラワークと、スケールのある映像は健在だ。
主演は「 スパイダーマン 」でハリー・オズボーンを演じたジェームズ・フランコ。
オズの国の魔女3人を「 ブルーバレンタイン 」(2010)のミシェル・ウィリアムズ、「 ナイロビの蜂 」(2005)のレイチェル・ワイズ、「 ブラック・スワン 」(2010)のミラ・クニスが演じる。