ロード・オブ・ザ・リング(2001)

原題(英題)
The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring
公開日
2002年3月2日
上映時間
178分
キャスト
- ピーター・ジャクソン(監督)
- イライジャ・ウッド
- イアン・マッケラン
- リブ・タイラー
- ビゴ・モーテンセン
- ショーン・アスティン
- ケイト・ブランシェット
- ジョン・リス=デイビス
- ビリー・ボイド
- ドミニク・モナハン
- オーランド・ブルーム
- クリストファー・リー
- ヒューゴ・ウィービング
- ショーン・ビーン
- イアン・ホルム
- アンディ・サーキス
- マートン・ソーカス
- クレイグ・パーカー
- ローレンス・マコール
- ピーター・マッケンジー
- ハリー・シンクレア
- アラン・ハワード
考察レビュー
本作は、ジョン・ロナルド・ルーエル・トールキンの小説「 指輪物語 」を原作とする大河ファンタジー映画です。
ピーター・ジャクソンは監督と共同脚本を務めています。
冥王サウロンが宿る指輪を手にしたホビット族のフロドと旅の仲間が、サウロン復活を目論む闇の勢力に立ち向かう物語です。
ジャクソンは前作を完成させた際、次のプロジェクトとして指輪物語の実写化に興味を持ちます。
映画におけるCG技術は、アカデミー視覚効果賞を受賞した「 ジュラシック・パーク」の公開後から急激な進展を遂げ、
それを好機と捉えたジャクソンは、シリアスなファンタジー映画を世に送り出そうと決意しました。
1954年に発表された第一部「 旅の仲間 」のストーリーを実写化した本作は、
壮大なスケールと魅力的なキャラクター造形が話題を呼び、
アカデミー賞では13部門のノミネートと視覚効果賞を含む4部門を受賞しました。
ジャクソンのこれまでのフィルモグラフィーは、ファンタジーの光と闇が描かれた本作を撮るために
あったのではないかと思わされます。
ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔(2002)

原題(英題)
The Lord of the Rings: The Two Towers
公開日
2003年2月22日
上映時間
179分
キャスト
- ピーター・ジャクソン(監督)
- イライジャ・ウッド
- イアン・マッケラン
- リブ・タイラー
- ビゴ・モーテンセン
- ショーン・アスティン
- ケイト・ブランシェット
- ジョン・リス=デイビス
- バーナード・ヒル
- クリストファー・リー
- ビリー・ボイド
- ドミニク・モナハン
- オーランド・ブルーム
- ヒューゴ・ウィービング
- ミランダ・オットー
- デビッド・ウェンハム
- ブラッド・ドゥーリフ
- アンディ・サーキス
- マートン・ソーカス
- カール・アーバン
- クレイグ・パーカー
- ブルース・ホプキンス
考察レビュー
本作の見どころは、オークの襲撃によって離散したフロドとその仲間、それぞれの物語が並行して語られている点です。
離れた場所にいるキャラクターが互いに影響し合うストーリーは、まさに大河ファンタジーの醍醐味です。
闇の勢力のオークや指輪に固執するゴラムといったキャラクターの不気味さは、
かつてバッド・ テイストやブレインデッドなどのホラーを撮ったジャクソンの経歴が活かされたものだと思います。
それでいて、指輪物語に存在するエルフ族などの美しい側面も描写されている点からも、
ジャクソンの作家としての二面性が伺えます。
なかでも終盤のローハン国・ヘルム峡谷での戦闘描写は特に見応えが抜群です。
フロドと離れた旅のリーダー・アラゴルンや弓使いのエルフ・レゴラスがローハン軍に加勢し、
サウロンが人間とオークを融合して作ったウルク=ハイの軍勢に立ち向かいます。
激しい戦闘が行われますが、敵の姿が人間ではない架空の生物ということもあり、血生臭さはあまり感じませんでした。
本シリーズはファンタジーでありながら戦争映画でもあると再認識させられました。
ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還(2003)

原題(英題)
The Lord of the Rings: The Return of the King
公開日
2022年10月28日
上映時間
201分
キャスト
- ピーター・ジャクソン(監督)
- イライジャ・ウッド
- イアン・マッケラン
- リブ・タイラー
- ビゴ・モーテンセン
- ショーン・アスティン
- ケイト・ブランシェット
- ジョン・リス=デイビス
- バーナード・ヒル
- ビリー・ボイド
- ドミニク・モナハン
- オーランド・ブルーム
- ヒューゴ・ウィービング
- ミランダ・オットー
- デビッド・ウェンハム
- カール・アーバン
- ジョン・ノーブル
- アンディ・サーキス
- イアン・ホルム
- ショーン・ビーン
- ローレンス・マコール
- ポール・ノレル
- マートン・ソーカス
- ブルース・ホプキンス
- ブルース・フィリップス
- アラン・ハワード
考察レビュー
本作は、初めてアカデミー作品賞を受賞したファンタジー映画として有名です。
ピーター・ジャクソンは監督賞を獲得しています。
その他、視覚効果賞などを含め、あわせて11部門もの受賞を記録しま した。
タイタニックと並ぶ、史上最多のアカデミー受賞作です。
サウロンが宿る指輪を滅びの山に投げ入れる使命を担ったフロドは、友人のサムと共に着実に歩武を進めていました。
その一方でアラゴルンをはじめとする旅の仲間は、サウロンからフロドの気を逸らすべく、
闇の勢力の本拠地・モルドールに最終決戦を仕掛けます。
本作では、戦闘能力のない主人公が戦争を終結させる鍵を握っているという設定が存分に発揮されました。
戦争シーンとフロド一行のロードムービーが並行して描かれます。
そして、指輪には持ち主を悪の道へ誘う力があり、フロドは指輪への執着心に打ち勝たなくてはいけません。
さらにゴラムの裏切りにも警戒が必要です。
そんななか、モルドールで闇の勢力と戦う反乱軍は、フロドが欲望に負けずに指輪を火山へ投げ入れると信じて戦い続けます。
力を持たない一人の青年が物語における希望の星として描かれている点がおもしろいです。
感動的なラストが待っています。
キング・コング(2005)

原題(英題)
King Kong
公開日
2005年12月17日
上映時間
188分
キャスト
- ピーター・ジャクソン(監督)
- ナオミ・ワッツ
- エイドリアン・ブロディ
- ジャック・ブラック
- トーマス・クレッチマン
- コリン・ハンクス
- ジェイミー・ベル
- アンディ・サーキス
考察レビュー
1933年に公開された「 キング・コング 」は、ジャクソンが映画製作を志すきっかけとなった作品とされています。
本作はそのリメイクです。アカデミー賞の視覚効果賞をはじめ、3部門を受賞しました。
劇中に登場する髑髏島には、キング・コング以外にもさまざまな怪獣がおり、上陸した船員は次々に襲われます。
このシーンの描写は本当に気持ち悪くて完全にホラー映画です。
ファンタジーだけではなく、悪趣味な殺戮描写にも長けているジャクソンならではの演出です。
それ以外にもキング・コングと髑髏島で独自の進化を遂げたティラノサウルスとの対決など、
怪獣映画として少年が喜びそうな展開もあります。
さらにお馴染みのキング・コングと人間の女性のラブロマンスなどがあり、
本作はジャンルに縛られない多様な側面を持った映画といえるでしょう。
ハリウッドを代表するキャラクターのキング・コングの映画は2024年の時点で9作ありますが、
特に本作はキング・コング映画として大傑作だと思います。
怪獣映画の名作としても今後語り継がれる作品となるでしょう。
怪獣映画を毛嫌いしている方は、一風変わったSFホラーだと思って鑑賞すると楽しめるかもしれません。
ラブリーボーン(2009)

原題(英題)
The Lovely Bones
公開日
2010年1月29日
上映時間
135分
キャスト
- ピーター・ジャクソン(監督)
- マーク・ウォールバーグ
- レイチェル・ワイズ
- スーザン・サランドン
- スタンリー・トゥッチ
- マイケル・インペリオリ
- シアーシャ・ローナン
- トーマス・マッカーシー
考察レビュー
本作は、アリス・シーボルドによるベストセラー小説「 ラブリー・ボーン 」の実写化作品です。
連続殺人犯に殺害された14歳の少女・スージーの視点から、彼女の家族や友人、犯人の人生が描かれます。
娘を失い、犯人探しに没頭する父親を演じたのは「 テッド 」(2012)や
「 トランスフォーマー ロストエイジ 」(2014)で主演を務めたマーク・ウォールバーグ。
彼の娘を想う姿に感動しました。
そして犯人役の役者は、 温厚な性格と残虐性を併せ持った演技が評価され、
アカデミー賞の前哨戦としても注目されるゴールデングローブ賞で助演男優賞にノミネートされました。
また、2人の少女が殺人に手を染める過程を描いた、乙女の祈りに似たサスペンスの風味を感じます。
例えばスージーが殺害されるシーンは残酷で見るのがつらくなりますが、
一方でスージーの祖母は少しコミカル要素を持ったキャラクターになっているなど、
重たいだけの映画にはなっていません。
鑑賞後に余韻の残る作品です。
ホビット 思いがけない冒険(2012)

原題(英題)
The Hobbit: An Unexpected Journey
公開日
2012年12月14日
上映時間
170分
キャスト
- ピーター・ジャクソン(監督)
- イアン・マッケラン
- マーティン・フリーマン
- リチャード・アーミテージ
- ジェームズ・ネスビット
- ケン・ストット
- シルベスター・マッコイ
- ケイト・ブランシェット
- クリストファー・リー
- ヒューゴ・ウィービング
- アンディ・サーキス
- エイダン・ターナー
- ディーン・オゴーマン
- グレアム・マクタビッシュ
- アダム・ブラウン
- ピーター・ハンブルトン
- ジョン・カレン
- マーク・ハドロウ
- ジェド・ブローフィー
- ウィリアム・キルシャー
- スティーブン・ハンター
- イアン・ホルム
- イライジャ・ウッド
- スティーブン・フライ
- ライアン・ゲイジ
- ブレット・マッケンジー
- マイク・ミズラヒ
- リー・ペイス
- ミカエル・パーシュブラント
- コナン・スティーブンス
- ジェフリー・トーマス
考察レビュー
ロード・オブ・ザ・リングの原作である指輪物語は、
1937年にジョン・ロナルド・ルーエル・トールキンによって発表された「 ホビットの冒険 」の続編として執筆された作品です。
結果的に指輪物語の方が大きなスケールの物語となり、ホビットの冒険はその前日譚として知られるようになりました。
本作の位置付けも、ロード・オブ・ザ・リングシリーズのスピンオフというよりは、
同じ世界観を有するスケールの大きい物語として三部作構成で製作されました。
一方で、ロード・オブ・ザ・リングで描かれたサウロンが復活する兆しや、
エルフとドワーフが対立するに至った過程が明かされるなど、前日譚としてのおもしろさもある作品です。
本作の主人公・ビルボは穏やかな気性を持つホビット族ですが、冒険好きの性格で周囲からは変わり者と思われています。
戦闘能力を持たないフロドと旅の仲間のストーリーを並行して描いたロード・オブ・ザ・リングの構成とは違い、
本作から始まるシリーズは、主人公の主体的な冒険が描かれています。
機転を利かせてダンジョンを進んでいくシーンは、ゼルダの伝説のようで楽しかったです。