「 午前4時にパリの夜は明ける 」考察レビュー

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文・ライター:@ayahhi

シャルロット・ゲンズブールの成熟した美しさに目を奪われる、

愛に生きるバリの人々のロマンと哀愁が詰まった1本。

目次

午前4時にパリの夜は明ける

©︎午前4時にパリの夜は明ける

原題

Les passagers de la nuit

公開日

2023年4月21日

上映時間

111分

予告編

キャスト

  • ミカエル・アース(監督)
  • シャルロット・ゲンズブール

公式サイト

午前4時にパリの夜は明ける

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽[review_stars4/5]
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

考察レビュー

©︎午前4時にパリの夜は明ける

好きだった点は、主演のシャルロット・ゲンズブールの表情豊かな大人の女性像。

弾けるような若さと引き換えに、憂いと枯れを漂わせながらも、彼女の姿はかけがえのない魅力に溢れています。

また、そんな素敵な女性であっても、夫の裏切りや期待していたロマンスに肩透かしをくらったり、という散々な目に遭う描写が、気取らない彼女によく合っていて好感を持ちます。

おとぎ話のようなパリのロマンスとは程遠い、酸いも甘いも経験している女性が、それでも等身大のロマンスを経て、恋人や家族とも自然体で幸せな関係性を築いていく過程は、やはり見る者を引き付けますし、応援したい気持ちにさせます。

舞台は1980年代のパリなので、現代よりも保守的な時代だったと想像します。

そんな中、慰謝料ももらえず子どもの養育義務を負った主人公エリザベート。

まだ離婚が珍しい状況で、シングルマザーとして生きる風当たりも強かったことと思います。

深夜のラジオ放送に職を得た彼女ですが、パワハラ気質の上司に泣かされたり、あわよくばと近寄ってくる男性がいたり、女性が経済的に自立するにあたっての困難も描いていました。

落ち込んで涙する状況にあっても、路上生活を続ける少女を自宅に住まわせ、本当の娘のように愛情を注ぎ、時には本気で叱るエリザベート。

決して「 人に親切にすること 」を美化する話ではなく、むしろ、少女は恩知らずにエリザベートたちのもとを去るのですが、愛情深さをしっかりと持つ人間は神様が放っておかないというメッセージも静かに存在しているように思います。

まとめ

ほろ苦く、うまくいかないロマンスに翻弄されながらも、なんとか自分の人生を自分の足で歩いていこうとする人々の爽やかさを感じる作品でした。

ただ1点、やや残念だったのが、不要に感じる性描写のシーンが多かったたこと。

あたかも話題作りのための性描写は、すでにその必要性がなくなってきていると思われる昨今。

せっかく女性の自立を描くのならば、その点の考慮も欲しいと感じました。

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