【 Amazonオリジナル 】「 あの夜、マイアミで 」考察レビュー、黒人の英雄的カリスマたち4人の物語(舞台は60年代の公民権運動)
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@Yoko)さんからの投稿レビューです。
1964年2月25日、モハメド・アリがチャンピオンとなったその夜。
- マルコムX
- モハメド・アリ
- サム・クック
- ジム・ブラウン
4人が集まり熱い討論を交わした物語が今作「あの夜、マイアミで 」
立場の違いはあるけれども、黒人たちの英雄であった彼らが、黒人のために立ち上がろうとしていた真実を今作を通じて知ることができます。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
あの夜、マイアミで
公開日
2021年1月15日
原題
One Night in Miami
上映時間
114分
キャスト
- レジーナ・キング(監督)
- キングズレー・ベン=アディル
- イーライ・ゴリー
- オルディス・ホッジ
- レスリー・オドム・Jr
予告編
公式サイト
作品評価
[rate title=”5つ星”]
[value 3]映像[/value]
[value 4]脚本[/value]
[value 2]キャスト[/value]
[value 5]音楽(BGM)[/value]
[value 4]リピート度[/value]
[value 0]グロ度[/value]
[value 4.5 end]総合評価[/value]
[/rate]
感想レビュー
好きだった点
伝説の4人が狭いホテルの一室で交わす熱い討論。
黒人たちの英雄だからこそ、4人の言葉の端々から希望と苦悩を感じることができます。
当時のモハメド・アリは若干22歳、名前もモハメド・アリではない時代。
私たちは、彼が後に偉大なボクサーとなっていくのを知っています。
私たちは、マルコムXが黒人解放運動活動家であり、後に暗殺されるのを知っています。
彼らの活躍や人生の行く末を知っているだけに、彼らの交わした言葉がとても重く心に響いてきました。
4人がホテルで話した描写はフィクションですが、きっとこの4人ならば、あの場でこのような激論をしていたはずだと。
フィクションでありながら、新しいタイプの伝記映画を見ているような気持ちになりました。
嫌いだった点
歴史上に実在する人物のストーリーを見ると、自身の知識不足を痛感します。
皆が4人を知っている前提なので、彼らの紹介はほとんどありません。
彼らのことを知らないと、それぞれの立場が理解できないかもしれません。
だからこそもっと勉強したくなる映画でもありました。
見どころ
4人の熱い討論の他に、音楽が大きな見どころ。
「 ミスターソウル 」と呼ばれたサム・クックの歌声を随所で聴くことができます。
「 4人の中で最も白人と親しくしている 」と、マルコムに非難されたサム・クック。
これは彼なりの手段だったのですが、その想いは討論を通じてマルコムに伝わりません。
それでもサム・クックの中には、熱いソウルがあり公民権運動を支える歌を作りたいと思っていました。
その想いがラストで流れる彼の「 A Change Is Gonna Come 」につながります。
実際どのような経緯でこの曲の発表に至ったのかは分かりませんが、後にこの曲は公民権運動のシンボルとなりました。
物語の進行と重なり合うサム・クックの名曲の数々。
これらの曲を聴くことができるのは、今作の魅力でもあります。
考察レビュー
人種差別や公民権運動を描いた作品は数多くあります。
今作は公民権運動の真っ只中にある黒人視点の物語。
差別を描くのではなく、当事者である黒人がどのような考えを持っていたのかを知ることができるでしょう。
黒人同士でも置かれた状況はや立場は様々であり、皮膚の色の違いもあります。
全てが白人 vs 黒人ではありません。
今作を観賞後、私は人種差別についてもっと勉強したいと思いました。
今作は現在の分断してしまったアメリカ、分断してしまった全世界に対して強いメッセージを発信しているのだと思います。
まとめ
伝説の4人が集まった一夜を描いた「 あの夜、マイアミ で 」
公民権運動や人種差別の新しい視点、勉強意欲をもたらしてくれる作品でした