アメリカの代表的な作家、ジャック・ロンドンの自伝的小説を大胆にもイタリアに舞台を移して映画化。
主演はヴェネチア映画祭にて「 ジョーカー 」のホアキン・フェニックスを見事しりぞき、主演男優賞を獲得したルカ・マリネッリ。
また、イタリアのアカデミー賞といわれるダビッド・デ・ドナテッロ賞で脚色賞を受賞。
マーティン・エデン
あらすじ
イタリア・ナポリの労働者地区に生まれた貧しい船乗りの青年マーティンは、上流階級の娘エレナと出会って恋に落ちたことをきっかけに、文学の世界に目覚める。独学で作家を志すようになったマーティンは、夢に向かい一心不乱に文学にのめり込むが、生活は困窮し、エレナの理解も得られることはなかった。それでも、さまざまな障壁と挫折を乗り越え、マーティンは名声と富を手にするまでになるが……
公開日
2020年9月18日
原題
Martin Eden
上映時間
129分
キャスト
- ルカ・マリネッリ
- ジェシカ・クレッシー
- ビンチェンツォ・ネモラート
- マルコ・レオナルディ
- デニーズ・サルディスコ
- カルロ・チェッキ]ピエトロ・ラグーザ
予告編
考察・感想レビュー
ここ数年、格差社会をテーマにした作品が量産されていますね。
レバノンの「 存在のない子供たち 」や韓国の「 パラサイト 」、日本では「 万引き家族 」など、国によって背景が異なっているのも観客側にとっては多方面で学べる良い機会です。
作り手側にとっては、きっと昔も今も変わらない普遍的なテーマであり、ドラマを創作するに当たってこれ以上の題材はないのでは、と考えています。
原作者ジャック・ロンドンの実体験を基に描いた「 マーティン・エデン 」
ナポリの貧しい労働者地区に生まれた船乗りのマーティンと、
外見は何というか、若き日のアラン・ドロンとジェラール・ドパリュデューを足して2で割ったような色気と、無骨さを絶妙なバランスで併せ持った風貌なのです。
芝居も前半は、学とは無縁で純粋無垢な彼が、
その後、
かつて心から愛したエレナとの関係も完全に破綻、
マーティンは、人が羨むほぼ全てのものを手中に収めましたが、
しかし、ラストシーンで船乗りだった自身の幻影(?)を見ますが、
好きだった点
スーパー16mmフィルムのやや古めかしくザラついた映像は、
これだけでも一見の価値アリです。
ヴェネチアで主演男優賞をゲットしたのも頷ける、ルカ・
嫌いだった点
敢えて挙げるなら、
まとめ
貧しく学の無い船乗りが作家として世界に名を馳せるまで、
それが実体験に基づいたストーリーだったというところで、
舞台をアメリカからイタリアに移して描くという大胆な発想にも驚かされました。
舞台をイタリアとすることで、
最後に、このような普遍的テーマを描いた重厚なイタリア映画を今の時代に鑑賞出来たことは、とても貴重な体験でした。